異世界転移~治癒師の日常

コリモ

文字の大きさ
95 / 129
第6章 王都へ

閑話 採取依頼

しおりを挟む

sideメアリー

コハクさんたちを門まで手が空いた私が送ることになった。
「まず、皆さんのギルドカードを預かるわね」そう言って総勢17人(グリーンドラゴンコハク込)+パーティグリフォンの面々に声をかけるとギルドカードが集まった。うん?
「ちょっと待っていてね。誰か付き添いができる冒険者パーティ呼んできて」というと
「どうした?パーティグリフォンだけじゃ足りないのか?」とサブギルマスが聞いてきたので
「Gランクの子が多いんです。Fランクの子もなりたてでうまく配分しても後1パティは必要です」と答えると
「しかし、お祭りの後片付けでほとんどの冒険者や大人たちは駆り出されているだろ?誰に頼むんだ?」と聞かれて言葉を失った。確かにギルマスたちはまだ戻っていない。さすがにマコトさんを呼び戻すわけにもいかないし…と悩んでいると、
「すいません。僕らでよかったら」とどうやら非番の門衛たちが声をかけてきた。この領は領兵を冒険者でまかなっているため、門衛は引退した冒険者があてられる。さすがに非番だからと言って彼らに後片付けを手伝ってもらうにしても心苦しいので、声をかけていなかったみたいだ。
「お願いして大丈夫ですか?このあと勤務があるのでしたら遠慮なく言ってください」というと
「大丈夫。明後日まで勤務はないよ」そう言ってギルドカードを出してくれた。引退しても身分証明書としての機能があるためそのまま本人預かりとなっているのだ。
全員の依頼登録が終わって
「では総勢26人でぞろぞろ移動するのもなんなので、まず各パーティに別れてもらいたいのだけど。」というと子供達だけで4つのパーティと1匹、大人たちが2組のパーティに分かれた。
そしてギルドのランクを確認すると案の定、2パーティはFとGランクの子が混じっているが、残りの2パーティはそれぞれFランクだけとGランクだけというパーティメンーバー構成となっているのだ。仕方がない
「では出発する前にこの後の休暇をいただきたいのですがよろしいですか?」とサブギルマスに聞くと
「わかった無理をするなよ」と言って休暇届を渡されたので急いで記入し、採取に必要な物を手に集まっている子供たちに
「この後私を含む3パーティが付き添いとなります。Gランクのパーティは門衛さんたちと一緒に平原の薬草取りをお願いします。残りの3パーティなんですけど、新人を含んでいる2パーティをグリフォンさんたちにお願いして、Fランクの子たちだけのパーティは私とコハクさんが付き添うということでそれぞれに分かれてもらって出発してもらっていいですか?」というと
「わかったメアリーさんも無理しないでね」と言っていわれた子供達を連れて門の方へと移動していった。
しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さくら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~

涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜

侑子
恋愛
 小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。  父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。  まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。  クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。  その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……? ※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。

処理中です...