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第六部 あの二人ってどうなの?編
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彩葉の前に漫画を積んだ。松寿にも読ませたアレだった。
「彩葉さん、ちょっとこれを読んでて下さい。楓さん、後でお聞きしますから今は生理についてお話をさせて下さい」
「なにこれ?うっわ、まじでなんこれ。男同士?抱き合ってね?…うわぁ無理、きついて。これ読まなきゃダメなん?」
「あ、えっと、生理ですね、えーと」
「読んで黙ってて下さい、彩葉さん。楓さん、冊子に書いてあったもので足りましたか?」
彩葉は文句を言っていたものの、次第に静かになった。紅葉と楓は生理について話し合った。しばらく話をし、紅葉は満足して頷いた。
「…ありがとうございます、楓さん。とても参考になりました」
「いえいえ、力になれて、良かったです…あ、紅葉さんも連絡先を教えてもらえますか?なにかあったらお互い連絡しましょう」
楓は可愛らしい笑顔を紅葉に向けてくれた。彼は松寿が大切にしている幼馴染だ。どんな人間なのかと警戒していたが、楓は他人を想いやれる優しい人のようだ。いっそのこと、楓がとても嫌な人間だったら良かったのに。紅葉は少し胸に痛みを感じた。
「あの、気になってたんですけど…マツ兄ちゃんと、どんな関係なんですか?」
「昨日、晴れて恋人同士になりました」
恐る恐る訪ねてくる楓に、紅葉は即答した。この話になると彩葉が面倒くさいかと思ったが、静かに漫画を読みふけっている。集中しているようだ。
「あの、大丈夫ですか?紅葉さん…マツ兄ちゃん、その女性関係がアレだって噂がたくさんあって…」
「はい。承知しております。まったく問題ございませんので、心配ご無用です」
そんな噂ごときで尻込みするなら告白なんてしていない。かといって浮気を許すつもりはないが、過去に関してどうこう言うつもりはない。紅葉が言い切ると、楓は目を輝かせて紅葉を見た。
「そうなんですね…マツ兄ちゃん、一人の人と真剣に向き合いたいそうです。きっと、紅葉さんのことだったんですね」
紅葉は思わぬ話に言葉を失った。まさか、松寿がそんなことを言っているとは。その『一人』は、楓のことではないのだろうか。
「彩葉さん、ちょっとこれを読んでて下さい。楓さん、後でお聞きしますから今は生理についてお話をさせて下さい」
「なにこれ?うっわ、まじでなんこれ。男同士?抱き合ってね?…うわぁ無理、きついて。これ読まなきゃダメなん?」
「あ、えっと、生理ですね、えーと」
「読んで黙ってて下さい、彩葉さん。楓さん、冊子に書いてあったもので足りましたか?」
彩葉は文句を言っていたものの、次第に静かになった。紅葉と楓は生理について話し合った。しばらく話をし、紅葉は満足して頷いた。
「…ありがとうございます、楓さん。とても参考になりました」
「いえいえ、力になれて、良かったです…あ、紅葉さんも連絡先を教えてもらえますか?なにかあったらお互い連絡しましょう」
楓は可愛らしい笑顔を紅葉に向けてくれた。彼は松寿が大切にしている幼馴染だ。どんな人間なのかと警戒していたが、楓は他人を想いやれる優しい人のようだ。いっそのこと、楓がとても嫌な人間だったら良かったのに。紅葉は少し胸に痛みを感じた。
「あの、気になってたんですけど…マツ兄ちゃんと、どんな関係なんですか?」
「昨日、晴れて恋人同士になりました」
恐る恐る訪ねてくる楓に、紅葉は即答した。この話になると彩葉が面倒くさいかと思ったが、静かに漫画を読みふけっている。集中しているようだ。
「あの、大丈夫ですか?紅葉さん…マツ兄ちゃん、その女性関係がアレだって噂がたくさんあって…」
「はい。承知しております。まったく問題ございませんので、心配ご無用です」
そんな噂ごときで尻込みするなら告白なんてしていない。かといって浮気を許すつもりはないが、過去に関してどうこう言うつもりはない。紅葉が言い切ると、楓は目を輝かせて紅葉を見た。
「そうなんですね…マツ兄ちゃん、一人の人と真剣に向き合いたいそうです。きっと、紅葉さんのことだったんですね」
紅葉は思わぬ話に言葉を失った。まさか、松寿がそんなことを言っているとは。その『一人』は、楓のことではないのだろうか。
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