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8 勝負①②③
しおりを挟むまずは利き茶対決から、ということで、それぞれのテーブルの前には5種類の茶葉とお湯が用意されている。
「まずは1番のお茶を淹れてください。淹れ終ったら次のテーブルに移ってください」
ん?ということは他人の淹れたお茶を飲んで当てろと?
なんて難しくするんだよ。
「お茶は5種類ありますから2番目以降のお茶は別のテーブルのを飲むようにしてください」
はぁ、やれやれ。
まずは①のラベルの茶葉を開ける。
匂いを嗅ぐと銘柄が浮かんでくる。
悪魔の輪っかでしごきまくられたおかげだ。
感謝はしてない。
相応しい温度のお湯と蒸らす時間を見てお茶を淹れる。
お茶は入れてからあまり時間を空けるとおいしくなくなるので、合図をしてすぐに飲んでもらう。
「ふん、まあまあだな」
フランツ様だったよ。
まあまあって・・・まあいっか。
マナーの先生も飲む。
じっと目をつむって味わっている。
どうなんだろう、意外とドキドキするな、心臓に悪い。
合図があり、私も別の人が淹れたお茶をの、む?ん?すげ~黒い。
なんでこんな黒いんだ?
おそるおそる飲もうとした。
「うがぁっ」
隣で飲んだ学園長が倒れた。
担架で運ばれていく・・・・お茶だよね?これ・・・。
仕方がないので一口口に入れると、えぐい、ものすごく苦い、飲み込めない!
もはや毒だ。
そんな風に5種類のお茶を飲まされた。
最初の毒よりはましだったが、ものすご~く薄かったり、なぜか辛かったり酸っぱかったり、まともなお茶はなかった。
まずいお茶のダメージが残る中、何とか5種類の銘柄を書き、提出した。
もの凄いダメージを受けたというのに、次の課題が始まる。
先生方もダメージを受けているようで、髪が乱れたり顔色が悪かったり・・・。
倒れた学園長は大丈夫だろうか。
「次は資料の仕分けです。内容をよく見て、仕分けをしてください。
仕分け後は何故そのように選んだのかをレポートに書いてください」
でん、と置かれた書類はどう見ても生徒会の書類・・・
やっぱり普段の仕事をやらせようとしてんじゃん。
一応誰が見てもよい書類にしているようだが、自分たちでやれよ。
さぼりか!と王子と側近たちを見るとものすごい笑顔で親指を立てている。
確信犯だな。くそどもが!
仕方がないので仕分けを始める。
期日が迫っているものを上になるように、1枚ずつ確認していくと、おっと、これは即提出だ。
期日よりも内容が緊急度が高い。
そんな風にいつものごとく仕分けていく。
最後にレポートを書いて顔を上げると目の前に経営科の先生がいた。
なんでそんなに頷いてるんだ?この人。
周囲を見るとまだ終わっていない。
全ての書類を読み込んでいる者、適当に分けてしまいレポートが書けない者、何故か真っ白に燃え尽きている者様々だ。
書類見たことなかったのかな。
「次は外国の視察案内です。くじを引いてそれぞれの方に学園内を案内してください」
もしも失礼があったら戦争か?
やばいやばい・・・
「万が一のために会話は各教師と生徒会で把握します。視察者は今回の勝負内容をご存じですのである程度の事は許容していただけます。が、あまりにも程度が悪ければ即刻中止します」
挑戦者たちはなぜか嬉々としてくじ引きをしている。
おいおい、国を代表して案内しなきゃならんのに何が嬉しいんだ?
「おい、貴様は怯えているのか?自信がないのか?やはり貴様には分不相応なのだよ」
フランツ様、なんであんたは自信満々なんだ?
どこから出で来るその自信・・・。
私が案内するのは東の国イスト、最近になって貿易を始めた国だ。
「ヨオロシク、た、のム」
『はい、精一杯ご案内させていただきます』
習ったばかりでまだ怪しいが何とか通じた。
『言葉が話せるのか?』
『まだ勉強中ですが』
『嬉しいねぇ』
確かイスト国の男性の前では女性はベールをかぶってるんだったっけ。
ベールはないのでハンカチで鼻から下を覆う
『ベールがないのでこんな形ですみません』
『おぉ我が国の習慣も知っているのか、ますます嬉しい』
上機嫌になったイスト国の客に学園を案内する。
あまりに込み入った言葉がまだわからないこともあり、たまに混乱もしたが、正直に言うと上機嫌のまま許してもらえた。
いい人にあたったな。
上機嫌の良い人の側は心地よい。
お互いにニコニコしながら戻るとあれ?なんか会場の雰囲気が暗い?
あれは悪魔じゃなくて王子殿下?
なんか怒ってる?
近寄ってはいかんな、あれは。
『アレクセイ殿は怒っていないか?』
『そうみたいですね』
『何があったか聞いてきてくれる?』
げ
『・・・・はい』
しぶしぶ怒っている悪魔の傍まで近寄っていく。
行きたくないんだけどな~。
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