ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主

雪奈 水無月

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二章:帝国議会編

第15話 『公爵の切り札──捏造された証拠と、揺らぐ議場』

 ロイドの陳述が終わり、議場には重い沈黙が落ちていた。

中立派の議員たちがざわめき、
公爵派の議員たちは歯ぎしりしながらロイドを睨みつける。

(……伝わった。
 少しでも、俺の想いが届いたんだ)

ロイドが胸の奥で静かに息を整えたその時──

「議長!
 我々、公爵派は“追加の証拠”を提出する!」

議場がざわつく。

エミリアの表情が険しくなる。

「……来ましたね。
 公爵の“切り札”です」


◆ ◆ ◆

[公爵の切り札──“捏造された証拠”]

公爵派の議員が、分厚い書類を掲げた。

「これは──
 エヴァレント領の“財務記録”である!」

議場がざわめく。

「記録によれば、砦建設に使われた費用は“予算の三倍”!
 さらに、領主ロイドは“私的流用”を行っている疑いがある!」

「なっ……!」

ロイドは思わず声を上げた。

「そんなこと、していない!
 俺は──」

エミリアがすぐに制した。

「ロイド様、落ち着いて。
 まずは内容を確認します」

エミリアが書類を受け取り、素早く目を走らせる。

そして──眉をひそめた。

「……これは“偽造”です。
 数字の整合性が取れていません」

リディアも書類を覗き込み、冷静に言う。

「帝都の書式と違う。
 素人の偽造ではありません。
 公爵側の“専門の偽造班”が作ったものです」

ロイドは拳を握りしめた。

(……ここまでして俺を潰す気か、公爵……!)


◆ ◆ ◆

[議会の空気が揺らぐ]

公爵派の議員が声を張り上げる。

「偽造だと?
 証拠もなく、そんな言い逃れが通ると思うのか!」

「領主ロイドは、領地の金を好き勝手に使っている!
 これは重大な犯罪だ!」

「議会は“領主罷免”を検討すべきだ!」

議場が一気に騒然となる。

中立派の議員たちも、困惑した表情で書類を見つめていた。

「本当に……こんな金額が……?」

「いや、しかし……魔物討伐の報告もあるし……」

「どちらが真実なのだ……?」

ロイドは胸が締めつけられるような感覚に襲われた。

(……俺の言葉だけじゃ、信じてもらえない……
 どうすれば……)

エミリアが静かに言う。

「ロイド様。
 このままでは不利です。
 “反証”が必要です」

「反証……?」

「はい。
 公爵派の偽造を暴く“決定的な証拠”が」

ロイドは息を呑んだ。

(……そんなもの、どこに──)

その時。

議場の扉が勢いよく開いた。


◆ ◆ ◆

[思わぬ人物の登場]

「失礼します!
 エヴァレント領より、追加の証拠を持って参りました!」

議場がざわつく。

ロイドは驚き、目を見開いた。

「……ミーナ!?
 どうしてここに……!」

小柄な獣人少女──
交易案内人ミーナが、大きな荷袋を抱えて走り込んできた。

「ロイド様!
 領地の“本物の財務記録”を持ってきたよ!」

エミリアが目を見開く。

「ミーナさん……!
 どうやって帝都まで……」

「へへっ、あたし、道には強いからね!
 最短ルートで走ってきた!」

議場がざわつく。

公爵派の議員が叫ぶ。

「な、なんだその娘は!
 議会に勝手に入るとは──!」

議長が槌を打ち鳴らす。

「静粛に!
 証拠の提出を許可する!」

ミーナは荷袋から、分厚い帳簿を取り出した。

「これが──
 エヴァレント領の“本物の財務記録”だよ!」

エミリアが素早く確認し、頷いた。

「間違いありません。
 こちらが正規の記録です!」

リディアも続ける。

「偽造書類とは数字が完全に一致しません。
 偽造の証拠になります」

議場が一気に揺れた。

中立派の議員たちがざわめく。

「本物の記録が……!」

「では、公爵派の書類は……?」

「偽造……なのか……?」

公爵派の議員たちが青ざめる。


◆ ◆ ◆

[公爵の焦りと、次の罠]

議場の隅で、公爵が歯ぎしりした。

「……小娘が……余計なことを……!」

側近が震えながら言う。

「公爵様……このままでは……」

公爵は怒りに震えながら叫んだ。

「まだだ!
 “最後の証拠”を出せ!
 ロイドを必ず追い詰める!」

議場に、さらに不穏な空気が漂い始めた。

ロイドはミーナに微笑み、静かに拳を結んだ。

(……みんなが支えてくれる。
 だから、俺は負けない)

こうして、
議会戦は第三幕へ突入する。



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