ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主

雪奈 水無月

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二章:帝国議会編

第16話 『最後の証拠──公爵の罠と、揺らぐ議会』

 ミーナが持ち込んだ“本物の財務記録”によって、
公爵派の偽造書類は一気に疑われ始めた。

議場はざわつき、
中立派の議員たちもロイド側に傾きつつある。

(……これで、形勢は逆転できる……!)

ロイドが胸の奥で希望を感じたその瞬間──

「議長!
 我々、公爵派には“もう一つの証拠”がある!」

議場が静まり返る。

エミリアの表情が険しくなる。

「……来ました。
 公爵の“最後の罠”です」


◆ ◆ ◆

[公爵の“最後の証拠”]

公爵派の議員が、黒い封筒を掲げた。

「これは──
 エヴァレント領の“領民からの告発状”である!」

議場がざわつく。

ロイドは息を呑んだ。

「告発状……?」

議員が読み上げる。

『領主ロイドは、砦建設の名目で領民から過剰な労働を強制し、
 反対した者を処罰した』

『領主の改革は領民を苦しめている』

『領主交代を求める』

ロイドは震える声で言った。

「そんなこと……していない……!」

エミリアがすぐに書類を受け取り、目を走らせる。

そして──眉をひそめた。

「……筆跡が不自然です。
 複数人の署名に見せかけていますが、
 “同じ人物”が書いた可能性が高い」

リディアも頷く。

「内容も不自然です。
 砦建設は志願制で、強制労働など一度もありません」

しかし──

公爵派の議員が声を張り上げた。

「証拠は“領民の声”だ!
 領主ロイドは領民を苦しめている!」

「議会は“領主罷免”を検討すべきだ!」

議場が再び騒然となる。

中立派の議員たちも困惑していた。

「領民の告発……これは無視できない……」

「しかし、偽造の可能性も……」

「どちらが真実なのだ……?」

ロイドは胸が締めつけられるような感覚に襲われた。

(……領民の声を利用するなんて……
 公爵、お前は……!)


◆ ◆ ◆

[公爵の“追撃”]

議場の隅で、公爵が立ち上がった。

「議長。
 私からも一言よろしいか?」

議長が頷く。

公爵はゆっくりと議場を見渡し、
冷酷な笑みを浮かべた。

「エヴァレント領は、魔物の大群に襲われた。
 これは“領主の無能”が招いた結果だ」

「さらに──
 領民からの告発状が届いている。
 これは“領地の崩壊”を示す重大な証拠だ」

公爵はロイドを指差した。

「議会は、
 ロイド・エヴァレントを“領主失格”と判断すべきである!」

議場が揺れた。

ロイドは歯を食いしばり、
静かに、しかし強く拳を結んだ。

(……俺は……領民を守るために戦ってきた。
 それを……こんな嘘で潰されるなんて……!)


◆ ◆ ◆

[エミリアの反撃──しかし……]

エミリアが立ち上がる。

「議長、発言を許可願います」

「許可する」

エミリアは告発状を掲げた。

「この告発状には、重大な矛盾があります。
 まず──“提出された日付”が、魔物討伐の翌日です」

議場がざわつく。

「魔物討伐の翌日、
 領民たちは領主ロイドに感謝の声を上げていました。
 告発状の内容とは真逆です」

「さらに──
 筆跡鑑定を行えば、偽造であることは明白でしょう」

公爵派の議員が叫ぶ。

「筆跡鑑定など時間がかかる!
 今すぐ判断すべきだ!」

「議会は“領地の安全”を最優先にすべきだ!」

議場が再び騒然となる。

エミリアは悔しげに唇を噛んだ。

(……時間を稼がれている。
 このままでは……)


◆ ◆ ◆

[ロイド、追い詰められる]

議長が槌を打ち鳴らす。

「静粛に!
 議会は“領主ロイドの適性”について、
 暫定的な判断を下す必要がある!」

ロイドは息を呑んだ。

(……ここで“罷免”と判断されたら……
 領地は……みんなは……!)

議場の空気が、
ゆっくりとロイドを追い詰めていく。

エミリアが小声で囁く。

「ロイド様……
 まだ終わりではありません。
 ですが──このままでは不利です」

リディアも険しい表情で言う。

「公爵は“次の一手”を準備しています。
 気を抜かないでください」

ロイドは深く息を吸い、
静かに拳を結んだ。

(……負けない。
 絶対に……負けない)

しかし──
その時、議場の扉が再び開いた。

「失礼します!
 エヴァレント領より、追加の証言者をお連れしました!」

議場がざわつく。

ロイドは振り返り、目を見開いた。

(……まさか……!)

こうして、
議会戦は第四幕へ突入する。



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