ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主

雪奈 水無月

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二章:帝国議会編

第17話 『真の証言者──領民の声が議場を揺らす』

 議場の扉が勢いよく開き、
全員の視線がそちらへ向いた。

「失礼します!
 エヴァレント領より、追加の証言者をお連れしました!」

議場がざわつく。

ロイドは振り返り、目を見開いた。

「……セバス!?
 どうしてここに……!」

老執事セバスが、息を切らしながら議場へ歩み出る。
その後ろには──
数名の領民たちが続いていた。

「ロイド様……
 領民の声を、直接お伝えするために参りました」

ロイドの胸が熱くなる。

(……来てくれたんだ……!)


◆ ◆ ◆

[領民たちの証言]

議長が槌を打ち鳴らす。

「静粛に!
 証言者の発言を許可する!」

セバスが一歩前に出て、深く頭を下げた。

「私はエヴァレント領の執事、セバス・グレイ。
 領主ロイド様の改革を、最も近くで見てきました」

公爵派の議員が鼻で笑う。

「執事など、領主に都合の良いことしか言わんだろう!」

しかし──
セバスは静かに首を振った。

「では、領民たちの声をお聞きください」

後ろにいた領民たちが前に出る。


● グレイヴ村の村長

「砦が完成し、魔物の被害が激減しました!
 領主様は、私たちを守ってくれたんです!」

● ミルダの丘の農民

「水路ができて、作物が育ち始めました!
 あのままでは村が滅んでいました!」

● ハーベン町の商人

「交易路が整備され、商売が戻ってきた!
 領主様は本気で領地を立て直している!」

● オルド街の女性

「治安が良くなって、夜道も歩けるようになりました!
 領主様を罷免なんて、絶対におかしい!」


議場が揺れた。

中立派の議員たちがざわめく。

「領民が……ここまで言うとは……」

「告発状とは内容が真逆だ……」

「どちらが真実なのか……?」

ロイドは胸が熱くなり、
静かに拳を結んだ。

(……ありがとう。
 みんな……本当に……)


◆ ◆ ◆

[公爵の焦りと、さらなる罠]

議場の隅で、公爵が立ち上がる。

「議長!
 領民の証言など、感情論にすぎん!」

「改革が成功しているというなら──
 “数字”で示せ!」

公爵派の議員たちが一斉に叫ぶ。

「そうだ! 数字だ!」

「領民の声など当てにならん!」

「領地の経済状況を示す“決算書”を提出しろ!」

エミリアが眉をひそめた。

「……決算書……
 まだ作成途中のはずです」

リディアが静かに言う。

「公爵は“数字の戦い”に持ち込むつもりですね」

ロイドは息を呑んだ。

(……確かに、決算書はまだ完成していない。
 このままでは……)

公爵が冷酷な笑みを浮かべる。

「どうした、ロイド?
 数字で示せぬなら──
 “無能”と認めるしかあるまい」

議場が再び騒然となる。


◆ ◆ ◆

[しかし──思わぬ援軍]

その時。

「決算書なら──
 ここにあります!」

議場が静まり返る。

ロイドは驚き、振り返った。

「……サラ!?
 どうしてここに……!」

砦設計士サラが、大量の書類を抱えて立っていた。

「領主様の改革を証明するために、
 徹夜で“暫定決算書”をまとめました!」

エミリアが目を見開く。

「サラさん……!
 これだけの資料を……!」

サラは微笑んだ。

「領主様の努力を、数字で示すためです」

議場がざわつく。

中立派の議員たちが書類を手に取り、目を通す。

「砦建設費……適正だ」

「交易収入が増えている……!」

「魔物討伐後、領地の経済が回復している……!」

公爵派の議員たちが青ざめる。

「ば、馬鹿な……!」

「数字が……ロイドを支持している……!」


◆ ◆ ◆

[議会の空気が変わる]

議長が槌を打ち鳴らす。

「静粛に!
 エヴァレント領の改革は、
 “領民の証言”と“数字”の両面から、
 一定の成果を上げていると判断する!」

議場が揺れた。

ロイドは胸が熱くなり、
静かに息を吸った。

(……みんなが……
 俺を支えてくれている)

エミリアが微笑む。

「ロイド様。
 議会の空気が変わりました。
 ここからが──反撃の時間です」

ロイドは深く頷いた。

「行こう。
 絶対に……勝つ」

こうして、
議会戦は第五幕──“反撃編”へ突入する。



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