Librarian Of Memory

1章

僕が知った日

僕は小さな町の小さな病院で生まれた。生まれた日は◯月×日この日に僕は生まれた。思い返してみるとその日から家族というものを知ったんだ。家族の優しさ、家族の厳しさ、家族の辛さをね。
「いい加減にしろ！」
ある日僕は喧嘩を知る。僕が生まれてしばらくした頃パパとママは毎日喧嘩していた。パパはママの悪口を、ママはパパの悪口を言っていた。僕はつい最近まで仲良くしてたのになぜと思った。単純な疑問だった。そしてそれと同時に僕は、やめて欲しくて悲しくて。いや違う。喧嘩をしている2人を見て僕は苛立ちを覚えた。パパとママの喧嘩を見てて僕も苛立ったのだ。そのまま僕は泣きじゃくった。するとママは喧嘩をやめてこちらを睨んだ。僕の顔を見たその顔は今まで見た事ない程に怖かった。今までも何度か見ていたけど今回のは一段と怖くてもっと大きな声で泣いた。すると僕の顔にハサミが飛んできた。当然避ける事など出来る筈もなく。
僕は痛みを知った。耐え難い痛みだったが僕は見たくないものを見たと今でも後悔している。それは笑いながら泣きながらこちらを見ているママだったものだ。パパはママを見るとどこかに電話していた。だけどなんて言ってたかは痛くて聞こえなかった。でも僕はす　ぐその内容を知る事となる。