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第二部 太陽が眩しかったから
二章
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二
さて、やはりここからは普通の小説のように書くとしよう。登場人物それぞれの視点で書かれ、登場人物は名前の三人称。私とか彼とかはなしで――誰々の手記とかもなしで――一番混乱が少ない書き方にて……
そのつもりではあるのだが……
場面は離れの玄関前の二人のシーン……
水沼が母屋に戻ったあとからの続き……
* * *
鹿野信吾は離れの前にただ突っ立っている。手にはスマホを握りしめて離れの中にいるはずの良美からの返事を待っている。
――どうすればいいのだ?
かなり焦って混乱しているようだ。
――裏に回ろう。
確か「針金の蝶々」でもワトソン役の日野は裏の窓を破って中に入ったはずだ。
その前に目の前のドアが開くのかどうかを確かめるべきだが、鹿野はどうしてもその勇気が出なかった。
――いや、ここを離れたらその隙に誰か玄関から逃げるかもしれない。
ふと、そうも考えたが、月夜で結構明るかった。もし誰かが玄関から逃げても気付く気がした。鹿野は裏に回る。
一つだけある出窓はカーテンで中は見えなかった。開けようとしたが、鍵が掛かっていた。バスルームの窓も鍵が掛かっていたし、目隠しが施工されていて中は伺えない。
――裏からは何もわからない。ガラスを破って……。いやしかし……。
何をするにも勇気が出ない鹿野は大人しく裏で水沼の帰りを待った。
「おい、信吾。どこだ? 裏か?」しばらくして水沼が戻ってきたようでそう声がする。
「ちょっと裏の窓を確認してた」鹿野は玄関に戻る。「窓は鍵が掛かっていて、中も覗けない」
「ふーん、すると密室か?」水沼は意味ありげに笑ってそういう。
「いや、まだ表――玄関のドアを……」鹿野は苦しそうにいう。
「さあ、どうする? 良美ちゃんは二階で寝てたぞ」
「二階で寝てた? 本当か?」鹿野は少し驚いた顔をした。
「いや、ちょこっと扉を開けて中を窺っただけだ。ダブルベッドに一人で寝ていたよ。『離れで寝る』って良美ちゃんのメッセージは嘘だったんだよ。その意図はわからないがね」
――え? 嘘? 良美は二階に……しかし――
鹿野は相変わらず黙っている。少し震えていて、何かに怯えているようだ。
鹿野信吾は離れの玄関のドアノブを見ている。ドアノブには何やら針金のような物が巻き付いている。
「で、『針金の蝶々』だとどうなるんだっけ?」水沼が少し悪戯っぽく笑った。「思い出したか?」
「この離れは密室……だけど……」鹿野は苦しそうに恐る恐る離れの玄関のドアノブに手を掛ける。
しかし、なかなかドアを開けようとしない。
「密室は『針金の蝶々』が関係してるんだっけ? 俺もよく憶えてないが」水沼がそう言う。
「ドアチェーンが針金細工の蝶々に取り替えられていた」鹿野が小さな声で「そういうやつだったと思う」
「なるほど、ドアを開けるとびよーんと伸びきって蝶々じゃなくなるわけか。注意しないと最初から伸びていたのか、開けるまでは蝶々の形を保っていたのか? それが、わからない、と」
「そうだ」
「まあ、窓は鍵が掛かっていたのなら、あとはここの玄関の鍵が掛かっていたら密室だな」水沼が呟く。
「鍵? 内側から? 外側から?」
「おい、しっかりしろ!」水沼が少し声のトーンを上げる。「近藤が飛び込んでから、お前はずっと玄関に貼り付いていたんだろ? 外から誰か鍵でも掛けたか?」
「いや、ちょっとここを離れて裏に回ったから……あ、ひょっとして今窓から!」鹿野がそう言うとすぐに水沼もこう返す。
「いや、お前の度胸というか覚悟を訊きたいんだ。結局どうしたいんだ」
「踏み込むのか?」鹿野は少し震えていた。
――意気地なしめ。
水沼は聴こえないような小さな声で呟いた。
「窓を破る前にまずはこのドアが開くのか? 確認するべきだろう? 現実的には」水沼が少し呆れたようにいう。
鹿野が恐る恐る玄関ドアのノブを回す。果たしてノブは回った。そしてゆっくりとドアを開く。まずは覗けるくらいほんの少しだけ――
「鍵は掛かっていないな」水沼はそう言うと、開いたドアに手を掛けて中を覗き込む。
中を覗き込んだ水沼は無言だった。鹿野も覗き込む。
室内は常夜灯が灯っていて、真っ暗ではなかった。
入ってすぐの床にウェディングドレスが広げられていた。そしてその上に生首が置いてあった。常夜灯の照明は薄暗いが、ドレスが血で汚れており、生首が近藤であるのは一目瞭然だった。
衝撃の光景のはずだが、二人は声を上げなかった。
奥にベッドがあり、浴衣の――
「良美? いや……」生気のない声で鹿野が言った。
「良美ちゃんは二階で寝てたぜ。近藤に決まってるだろ!」怒ったように水沼が言った。「胸から上は見えない。要するに……」
「そうだな、あれは近藤だな。ドレスは着替えたんだな。そうだな。床にドレスが広げてある」鹿野はそう自分に言い聞かせるような言い方をした。
「奥のベッドに近藤の首無し死体……」水沼が淡々と呟く。「手前の床に近藤の生首か……」
ベッドに横たわる近藤は毛布が邪魔で上半身が見えなかった。
――ドアをもっと開けないと……
「『針金の蝶々』だと――」水沼が何か言いかけたが、それを鹿野が遮った。
「ドアチェーンだ。ドアは少ししか開かない」
鹿野は強くドアを開けようとしたが、ドアチェーンに阻まれ十センチ程度しか開かなかった。開いたドアに手を掛けていた水沼も手に力を込めたようだがドアはびくともしなかった。
「やはり、現場保存……」鹿野が腑抜けた声で呟いた。
「そうだな」水沼も頷く。「まずはこのままよく見ておこうか」
狭い視界から見えるのは手前の床にウェディングドレスとその上におかれた近藤の生首――そして右奥のベッドに浴衣姿の近藤の下半身。
「生首の横にも何かあるな? 半透明のビニール袋に何か血の塊のような……」水沼が冷静に呟く。
確かにそのような何かがあることに鹿野も気づいた。
「一応密室か」水沼が呟く。
「本当に良美は二階で眠っていたのか?」鹿野が訊く。
「いや、流石にレディーが寝ている寝室に直接ずけずけと入って確かめるなんてできないさ、ちょっと遠くから寝姿を確かめただけだよ」
「だから、本当に……」
「なるほど、死んでいるんじゃないかってことか」
水沼は何故か冷静で、一方、鹿野は呼吸が荒く、今にも卒倒しそうだった。
「どうする? お前も二階を見てくるか?」水沼が訊く。
「いや……でも……」
「『針金の蝶々』では――」水沼が何か訊きかけた時、鹿野は大声で遮った。
「やめてくれ! もうそのできそこないのミステリーのタイトルを言うのは!」
「わかったよ。もう一度見てくるよ。ちゃんと近くまで行って」
「でも……でも……」鹿野は相変わらず怯えていた。
構わず、水沼は母屋に戻っていった。水沼は本当に冷静だった。
鹿野は一旦、ドアノブから手を放す。ドアノブに巻き付いた針金のような物が再度視界に入り思わず後ずさりする。
鹿野信吾はかつて書こうとしていた「針金の蝶々」を懸命に思い出そうとしていた。
――ここはあの別荘によく似ている。
ただ、ここにはグランドピアノがない……
ワトソン役の私が「日野」で名探偵は「高柳一」だったか? 高柳もピアノがうまいという設定だった。
――ピアノがないということは名探偵がいない……
――尾崎凌駕はここにはいないということだ……
頼れるのは自分だけ……
再度、ドアノブの針金が目に入る。ただ、巻き付いていて、その先がグニャグニャしている。とても蝶々には見えないが、ただ――
元々蝶々の形をしていた針金を誰かが握り潰したのかもしれなかった。
――まるであのトリックを愚弄するかのように……
さて、やはりここからは普通の小説のように書くとしよう。登場人物それぞれの視点で書かれ、登場人物は名前の三人称。私とか彼とかはなしで――誰々の手記とかもなしで――一番混乱が少ない書き方にて……
そのつもりではあるのだが……
場面は離れの玄関前の二人のシーン……
水沼が母屋に戻ったあとからの続き……
* * *
鹿野信吾は離れの前にただ突っ立っている。手にはスマホを握りしめて離れの中にいるはずの良美からの返事を待っている。
――どうすればいいのだ?
かなり焦って混乱しているようだ。
――裏に回ろう。
確か「針金の蝶々」でもワトソン役の日野は裏の窓を破って中に入ったはずだ。
その前に目の前のドアが開くのかどうかを確かめるべきだが、鹿野はどうしてもその勇気が出なかった。
――いや、ここを離れたらその隙に誰か玄関から逃げるかもしれない。
ふと、そうも考えたが、月夜で結構明るかった。もし誰かが玄関から逃げても気付く気がした。鹿野は裏に回る。
一つだけある出窓はカーテンで中は見えなかった。開けようとしたが、鍵が掛かっていた。バスルームの窓も鍵が掛かっていたし、目隠しが施工されていて中は伺えない。
――裏からは何もわからない。ガラスを破って……。いやしかし……。
何をするにも勇気が出ない鹿野は大人しく裏で水沼の帰りを待った。
「おい、信吾。どこだ? 裏か?」しばらくして水沼が戻ってきたようでそう声がする。
「ちょっと裏の窓を確認してた」鹿野は玄関に戻る。「窓は鍵が掛かっていて、中も覗けない」
「ふーん、すると密室か?」水沼は意味ありげに笑ってそういう。
「いや、まだ表――玄関のドアを……」鹿野は苦しそうにいう。
「さあ、どうする? 良美ちゃんは二階で寝てたぞ」
「二階で寝てた? 本当か?」鹿野は少し驚いた顔をした。
「いや、ちょこっと扉を開けて中を窺っただけだ。ダブルベッドに一人で寝ていたよ。『離れで寝る』って良美ちゃんのメッセージは嘘だったんだよ。その意図はわからないがね」
――え? 嘘? 良美は二階に……しかし――
鹿野は相変わらず黙っている。少し震えていて、何かに怯えているようだ。
鹿野信吾は離れの玄関のドアノブを見ている。ドアノブには何やら針金のような物が巻き付いている。
「で、『針金の蝶々』だとどうなるんだっけ?」水沼が少し悪戯っぽく笑った。「思い出したか?」
「この離れは密室……だけど……」鹿野は苦しそうに恐る恐る離れの玄関のドアノブに手を掛ける。
しかし、なかなかドアを開けようとしない。
「密室は『針金の蝶々』が関係してるんだっけ? 俺もよく憶えてないが」水沼がそう言う。
「ドアチェーンが針金細工の蝶々に取り替えられていた」鹿野が小さな声で「そういうやつだったと思う」
「なるほど、ドアを開けるとびよーんと伸びきって蝶々じゃなくなるわけか。注意しないと最初から伸びていたのか、開けるまでは蝶々の形を保っていたのか? それが、わからない、と」
「そうだ」
「まあ、窓は鍵が掛かっていたのなら、あとはここの玄関の鍵が掛かっていたら密室だな」水沼が呟く。
「鍵? 内側から? 外側から?」
「おい、しっかりしろ!」水沼が少し声のトーンを上げる。「近藤が飛び込んでから、お前はずっと玄関に貼り付いていたんだろ? 外から誰か鍵でも掛けたか?」
「いや、ちょっとここを離れて裏に回ったから……あ、ひょっとして今窓から!」鹿野がそう言うとすぐに水沼もこう返す。
「いや、お前の度胸というか覚悟を訊きたいんだ。結局どうしたいんだ」
「踏み込むのか?」鹿野は少し震えていた。
――意気地なしめ。
水沼は聴こえないような小さな声で呟いた。
「窓を破る前にまずはこのドアが開くのか? 確認するべきだろう? 現実的には」水沼が少し呆れたようにいう。
鹿野が恐る恐る玄関ドアのノブを回す。果たしてノブは回った。そしてゆっくりとドアを開く。まずは覗けるくらいほんの少しだけ――
「鍵は掛かっていないな」水沼はそう言うと、開いたドアに手を掛けて中を覗き込む。
中を覗き込んだ水沼は無言だった。鹿野も覗き込む。
室内は常夜灯が灯っていて、真っ暗ではなかった。
入ってすぐの床にウェディングドレスが広げられていた。そしてその上に生首が置いてあった。常夜灯の照明は薄暗いが、ドレスが血で汚れており、生首が近藤であるのは一目瞭然だった。
衝撃の光景のはずだが、二人は声を上げなかった。
奥にベッドがあり、浴衣の――
「良美? いや……」生気のない声で鹿野が言った。
「良美ちゃんは二階で寝てたぜ。近藤に決まってるだろ!」怒ったように水沼が言った。「胸から上は見えない。要するに……」
「そうだな、あれは近藤だな。ドレスは着替えたんだな。そうだな。床にドレスが広げてある」鹿野はそう自分に言い聞かせるような言い方をした。
「奥のベッドに近藤の首無し死体……」水沼が淡々と呟く。「手前の床に近藤の生首か……」
ベッドに横たわる近藤は毛布が邪魔で上半身が見えなかった。
――ドアをもっと開けないと……
「『針金の蝶々』だと――」水沼が何か言いかけたが、それを鹿野が遮った。
「ドアチェーンだ。ドアは少ししか開かない」
鹿野は強くドアを開けようとしたが、ドアチェーンに阻まれ十センチ程度しか開かなかった。開いたドアに手を掛けていた水沼も手に力を込めたようだがドアはびくともしなかった。
「やはり、現場保存……」鹿野が腑抜けた声で呟いた。
「そうだな」水沼も頷く。「まずはこのままよく見ておこうか」
狭い視界から見えるのは手前の床にウェディングドレスとその上におかれた近藤の生首――そして右奥のベッドに浴衣姿の近藤の下半身。
「生首の横にも何かあるな? 半透明のビニール袋に何か血の塊のような……」水沼が冷静に呟く。
確かにそのような何かがあることに鹿野も気づいた。
「一応密室か」水沼が呟く。
「本当に良美は二階で眠っていたのか?」鹿野が訊く。
「いや、流石にレディーが寝ている寝室に直接ずけずけと入って確かめるなんてできないさ、ちょっと遠くから寝姿を確かめただけだよ」
「だから、本当に……」
「なるほど、死んでいるんじゃないかってことか」
水沼は何故か冷静で、一方、鹿野は呼吸が荒く、今にも卒倒しそうだった。
「どうする? お前も二階を見てくるか?」水沼が訊く。
「いや……でも……」
「『針金の蝶々』では――」水沼が何か訊きかけた時、鹿野は大声で遮った。
「やめてくれ! もうそのできそこないのミステリーのタイトルを言うのは!」
「わかったよ。もう一度見てくるよ。ちゃんと近くまで行って」
「でも……でも……」鹿野は相変わらず怯えていた。
構わず、水沼は母屋に戻っていった。水沼は本当に冷静だった。
鹿野は一旦、ドアノブから手を放す。ドアノブに巻き付いた針金のような物が再度視界に入り思わず後ずさりする。
鹿野信吾はかつて書こうとしていた「針金の蝶々」を懸命に思い出そうとしていた。
――ここはあの別荘によく似ている。
ただ、ここにはグランドピアノがない……
ワトソン役の私が「日野」で名探偵は「高柳一」だったか? 高柳もピアノがうまいという設定だった。
――ピアノがないということは名探偵がいない……
――尾崎凌駕はここにはいないということだ……
頼れるのは自分だけ……
再度、ドアノブの針金が目に入る。ただ、巻き付いていて、その先がグニャグニャしている。とても蝶々には見えないが、ただ――
元々蝶々の形をしていた針金を誰かが握り潰したのかもしれなかった。
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