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カップリング
ナイスフォローや、半沢くん! 伊達に大福を四つも平らげていないな。
「いや、でもはんちゃんの弁当が……」
「あ、じゃあこれ持っていってください! 吉川課長、中目部長の分もありますよね?」
手際よく二つの弁当を重ねて差し出される。……みんなの分の弁当があるなら、ここでみんなで食べればいいんじゃないの?
「第一会議室、空いてました! どうぞ、お二人で」
「俺らカップリングできてるんで。はっきり言って、二人、邪魔っす」
「お前なぁ……」
部署が違うからって、冗談でもそんなことを言うな。優人と付き合っていなかったら、一発小突いているとこやぞ?
……でも、その顔。やっぱりお前ら、俺たちのことを知ってんの?バレていないと思っていたのは、俺たちだけやったんか。
「……じゃあ、お言葉に甘えて行きましょうか。会議室」
「あ……うん」
俺が誘ったはずやのに、なんやこの鼓動は。好き。格好いい。やっぱり好きすぎる。
二人に礼を言って歩き出す。新の後ろを歩きながら、年上らしく堂々と先導すべきか迷う。いや、わざわざ追い抜かして前を歩くのも偉そうに見えるやろうか。
「……寂しかったですか?」
「え?」
エレベーターの中で並んだ瞬間、新が静かに問いかけてきた。俺、そんなに顔に出てたかな?
「……俺がいなくて、寂しかったですか?」
「……別に、会社で会えてるからいいよ。俺が寂しいからって、新に無理強いすることじゃないし。……俺ら、そういう関係やろ?」
まずい。一言多かった。
どこで拗ねてるねん、俺は。年下相手なんやから、もっと余裕のある言葉を返すべきなのに。これじゃあ、新の受け売りやんか。
『チン』と無機質な音が鳴り、ドアが開く。
黙って先に歩き出した新の表情は、ここからは見えない。怒ってる?いや、そんなわけないか。俺たちは「そういう関係」なんやから。
バンッ、と少し荒々しく、机に弁当が置かれた。
椅子に腰を下ろした新は、上着を脱ぎ捨てると、首元のネクタイを乱暴に緩める。……はぁ、なんて格好いいんやろう。少し前の俺なら、このまま彼に触れることができたのに。
俺も真似るように上着を脱ぎ、ネクタイを緩めた。ずっと呼吸するのを忘れていたような感覚に、大きく息を吐き出す。
黙々と二人、弁当を口に運ぶ。いつもなら美味しいはずやのに、今日の味は全然分からない。誰と一緒に食べるかが、これほど重要だったなんて思い知らされる。
この重苦しい空気から逃げたくて、高校生並みの速さで食べ終えた。
「どこ、行くんですか?」
「あ、歯磨き……」
「帰ってきますよね?」
「あー、うん。たぶん」
「……俺も行きます」
「……うん」
この空気の悪さで、どうして俺と一緒に行動できるんやろう。
本当に、鋼のメンタルをした不思議ちゃんやな。新は。
「いや、でもはんちゃんの弁当が……」
「あ、じゃあこれ持っていってください! 吉川課長、中目部長の分もありますよね?」
手際よく二つの弁当を重ねて差し出される。……みんなの分の弁当があるなら、ここでみんなで食べればいいんじゃないの?
「第一会議室、空いてました! どうぞ、お二人で」
「俺らカップリングできてるんで。はっきり言って、二人、邪魔っす」
「お前なぁ……」
部署が違うからって、冗談でもそんなことを言うな。優人と付き合っていなかったら、一発小突いているとこやぞ?
……でも、その顔。やっぱりお前ら、俺たちのことを知ってんの?バレていないと思っていたのは、俺たちだけやったんか。
「……じゃあ、お言葉に甘えて行きましょうか。会議室」
「あ……うん」
俺が誘ったはずやのに、なんやこの鼓動は。好き。格好いい。やっぱり好きすぎる。
二人に礼を言って歩き出す。新の後ろを歩きながら、年上らしく堂々と先導すべきか迷う。いや、わざわざ追い抜かして前を歩くのも偉そうに見えるやろうか。
「……寂しかったですか?」
「え?」
エレベーターの中で並んだ瞬間、新が静かに問いかけてきた。俺、そんなに顔に出てたかな?
「……俺がいなくて、寂しかったですか?」
「……別に、会社で会えてるからいいよ。俺が寂しいからって、新に無理強いすることじゃないし。……俺ら、そういう関係やろ?」
まずい。一言多かった。
どこで拗ねてるねん、俺は。年下相手なんやから、もっと余裕のある言葉を返すべきなのに。これじゃあ、新の受け売りやんか。
『チン』と無機質な音が鳴り、ドアが開く。
黙って先に歩き出した新の表情は、ここからは見えない。怒ってる?いや、そんなわけないか。俺たちは「そういう関係」なんやから。
バンッ、と少し荒々しく、机に弁当が置かれた。
椅子に腰を下ろした新は、上着を脱ぎ捨てると、首元のネクタイを乱暴に緩める。……はぁ、なんて格好いいんやろう。少し前の俺なら、このまま彼に触れることができたのに。
俺も真似るように上着を脱ぎ、ネクタイを緩めた。ずっと呼吸するのを忘れていたような感覚に、大きく息を吐き出す。
黙々と二人、弁当を口に運ぶ。いつもなら美味しいはずやのに、今日の味は全然分からない。誰と一緒に食べるかが、これほど重要だったなんて思い知らされる。
この重苦しい空気から逃げたくて、高校生並みの速さで食べ終えた。
「どこ、行くんですか?」
「あ、歯磨き……」
「帰ってきますよね?」
「あー、うん。たぶん」
「……俺も行きます」
「……うん」
この空気の悪さで、どうして俺と一緒に行動できるんやろう。
本当に、鋼のメンタルをした不思議ちゃんやな。新は。
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