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似合わない
しおりを挟む嬉しそうに手を振ってくれていて、つい笑ってしまった。
似合わないダウンのポケットから手を出し、恐る恐る返事をする。
言葉には力がある。
言葉を何度か交わして、遂に出会えた。
二人きりで催しに顔を出す。大勢の人がいるのに、二人きりの空間。
言葉は無性に力がある。
投げかけただけ、表面すら薄い言葉。
やってしまった、また失敗した。
ただ、それでもまた笑ってくれていて。
心の底を恥ずかしそうに体で表現して。
そんな姿に胸を焼かれ、焦茶色の机に突っ伏してしまった。
こんな姿自分には似合わないと思っていた。
そろそろ帰らないといけない。
後の用事に嫌気が差した訳では無いのに、
帰ってやりたいこともあったのに、
この空間に、
この数分に、
取り残されたいだけなのに。
なのに出口に逃げ込むように、扉は二人を突き放すんだろう。
時が流れないで欲しかったのに。
「じゃあ…またね」
ああ
友達というには質朴で、恋心というには愚直で
あなたに言葉なんか似合わないんだな
止まらない無限の回転が余計と、虜にさせる。
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