レインの名付け親

大松ヨヨギ

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素晴らしき板挟み同士!

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キラキラと輝くホログラムにうっとりと微笑む。そのカードは一見子供の遊び道具に見えるが相場は美品なら四〇~五〇万だ。そして光輝が手にするそれはマニアなら欲しがる美品である。

(ううーん、成功したら渡すって言ってたけど…)

 ただのカードを厳重に保管し、その時まで寝かせて置くことにした。しかし光輝がそのような高額カードを入手しても手放しに喜べないのには理由があった。



―それは一週間程前まで遡る。


「悪いな。わざわざ」

 騒がしい居酒屋の個室は仲の良い人間となら楽しいものだが、大して仲良くもない、ましてや苦手な人物となると気分が上がらない。

「いいよ~。…つーか珍しくね?雨辻くんから話があるなんて~。」

 雨辻和一は何を考えているか分からない表情で座っている。こいつは昔からどこか光輝を見下していた。光輝は高校、そして大学までこの男と同じだった。高校では陽向が和一に絡むので必然的に光輝も関わっていたが、大学では殆ど顔すら合わせなかった仲である。

「知りたいことがあってな」
「え~?…」
「タダとは言わない」

 ここで陽向や他の友人ならすんなり了承するが、どうもこの男からだと気が進まないのも事実だ。それに最近スロットで大勝ちしたので財布は潤っている。

「うーん、俺今勝ってるから金なら要らないよ~」
「そう言うと思った。お前このカード集めてたよな」

 和一は厳重なケースに入れられたそれを光輝にチラつかせる。思わず前のめりになって悲鳴をあげた。

「あああ!!!それ!『デュランダルカードの刃こぼれの剣士』!!…まさかそれで釣ろ~ってこと?」
「そうだ。どうする?」
「とりあえず何が知りたいのか聞いてから決めよ~かな」

 関わり合いになりたくは無いが、目の前に欲しいカードがあれば誰だって心が揺らぐ。話くらいならば聞いても良いだろう。

「外崎と阿形雨音は今どのような関係だ。…なにか進展があったのだろうか」
「……へ?陽向とあのイケメン君?なに?…なんでそんなことが知りたいん?」

  訝しげな光輝にその威圧感たっぷりの視線は真っ直ぐ向けられる。そして「それは状況次第でやり方を変えるからだ」と意味深な発言をするのだ。

「…よくわかんね~けどそんな事でいいなら。あ、言っとくけど先払いな」

 光輝は和一から『刃こぼれの騎士』のカードを受け取り、大まかだが陽向と彼の話をした。玄関先で見た事や二人の微妙な関係を話してしまったのは、和一の話の引き出し方が上手だった事も要因だ。…決していつもの羽のように軽い口が勝手に話したのではない。

「…なるほどな。」と和一は納得し、話は以上終了になると思いきや、彼は次のケースを持ち出した。それは中々お目にかかれないレアカードかつ超美品である。

「ああああ!!?『モータードラコスペシャルエディション』!?なんでそんなの持ってんの!なに、雨辻くんマニアだったり?」
 
 鼻息の荒い光輝に相反し「昔偶然な」と顔色一つ変えず男はそれをテーブルに置く。恐らく次の要件が重要なのだ。

「俺になにしてほし~の?」
「簡単だ。阿形雨音にアドバイスをしてやってくれ」
「アドバイス?」

 (陽向じゃなくて…あの子に?なんか引っかかるなあ~)

 そう思いつつ目の前にあるそのカードを見捨てることは出来ない。進展しない彼らを思っての善意などではないだろう。なにか企みがあることは明白だ。

「そんなん自分でしたらいいでしょ~。…ま、いいけどね!なんて言えばいーの?」
「『押してダメなら引いてみろ』と。それもとことんな。出来るだろ」

 周囲の人間は何を持ってして彼を生真面目だの誠実だの言っていたのだろう。その目の奥には狡猾さが見え隠れしているというのに。

「…アドバイスするのはいいけど、どうしてか教えてもらわないと協力しようって気にはならないなあ~」

こちらも弱みを握っている必要がある。特に信用出来ない人間においては尚更だ。

「…そうだな。恋敵は早めに片付けたいからだ」
「…………えっと~、あのイケメンくんに気があるって事でOK?あれ、でも嫁いたよね?あの美人の。流石に不倫に手を貸すのはなあ~」
 
 不愉快そうにため息をついた男はまるで”こいつは話が通じない”とでも言いたげだ。 

「離婚した。だから不倫でもなんでもない。」

 和一は左手を見せびらかした。薬指に光っていた指輪が無くなっている。

「それに阿形雨音ではなく、俺は外崎に気がある」
「はぇ~そうなんか………って、え!?」
 
  光輝は思わずテーブルから立ち上がった。それ程衝撃を受けたのだ。

「ひ、…陽向に?…でも嫌ってたよな?」

 学生の頃から二人はいつも噛み合っていなかった。陽向は自分の感情に恐ろしく鈍感で、和一に毎日嫌がらせに近いウザ絡みしていた。それにいつも嫌そうに対応していた癖に”気がある”なんて信じられない。

「昔はな。今は誰にも渡したくない。だから失敗は許されない。お前の役割は重要だ。」
「えええ…流石にそれは出来ないよ~」
「出来ない?いいからやれ。それでも断ると言うならこのカードは燃やす」




 

――報酬は成功した場合のみ。

 まるで操り人形のように光輝はそれを実行した。それは仕方がないことだった。目の前でライターを取り出してカードを炙ろうとするのだから。
 
(だってモータードラコはマヂでお目にかかれないから…しかもスペシャルエディションだよ?シャーないよね~。だから俺は悪くない、悪くない)

あの陽向の事が大好きな青年に相談に乗ると丸め込み、『押してダメなら引いてみたら?女の影をチラつかせて妬かせたらいーよ』と和一の思惑通りのアドバイスをしたのだ。

 それでいて、陽向に対しても不安を煽るように仕向けた。成功率は確実に上がったが、友人を裏切ったような気分になって…それが手放しで喜べない理由だ。


 
 
  脳みそを針でズブズブと刺されているような鈍痛で(あー、二日酔いかあ)と目が覚める。薄らと開かれた瞼は、自宅の寝室では無いことを確認して昨晩の記憶を呼び起こすのだ。

(…………記憶が無いことにしよう)と瞬時に決め、凝り固まった体を引き伸ばしながら起こす。すると見計らったように和一が洗濯物を腕に引っ掛けてやって来たところだった。

「…起きたのか」
「あー、うん。おはよう」

 記憶が無いのだから何事も無かったかのように平静を装わなければならない。

「体調はどうだ?」と気遣いを見せる和一にほんの少し申し訳ないと思いつつ、陽向はいつもの逃げに走る。

「ちょっとまだ二日酔いが残ってるかも。…途中から記憶ないんだよね~…」

 白々しく嘘を言って、和一の顔色を伺った。彼は特に気にする様子もなく陽向に服を渡し、「朝食が出来ているから着替えたら来い」とリビングに引っ込んで行った。

(バレてない、よな)

 一体なんのつもりで昨晩あのような事をしたのか理解に苦しむ。今まで彼は陽向など眼中に無かったはずだ。…離婚して寂しかったのだろうか。それはそれで複雑な気持ちだ。

 陽向は昨晩和一が着せてくれたであろう服をスルスルと脱いで、綺麗に洗濯された自分の服に袖を通す。あの優しい柔軟剤の香りが体を包み込むと、ホッと息をついた。

(ま、とにかく…いつもどーりにやり過ごして…後から考えるか…)

ただ今は彼の待つリビングへぎこちない足取りで向かう事にする。



 食卓に並んだのは美味しそうな匂いを漂わせている焼き魚と味噌汁、白米と漬物。なんだか懐かしくなるそれらに、陽向は思わず目を細めた。

「…お前が作ったの?」
「まあな。作ったと言っても魚を焼いただけだ。本当は昨日なにか美味いものを振舞おうと思っていたんだが」
「すげーじゃん。美味そー。食べてい?」
「その為に作った。食え」
「いただきま~す」

 どっしりと腰を下ろした陽向は腹がぐぅぐぅなって仕方がない。魚の身を解し、一口。ちょうど良い塩加減、味噌汁を一口。これもまた美味い。艶々の白米も陽向の好きな少し柔らかめだ。

「昨日の事なんだが、…覚えていないんだよな」
「あー、うん。そうそう」

 和一は箸を休め、「そうか…」と小さなため息をついた。陽向はその様子が見えていたが、忘れたフリを決め込む。…忘れた事にすれば、今までの日常が壊されることも無い。
 
「実は昨晩お前の体を触った」
 
 陽向は思わず口の中の物を吹き出しそうになった。昨晩の事を無かったことにしないのは誠実だと思うが、言葉を濁すことを覚えた方が良い。
 
「…えー、っと…」
「すまない。」
「謝られても困るんだけど」
 
 せっかくの食卓が重苦しい空気に包まれた。沈黙にどちらが先に根を上げるか試されているようである。
 
「…なんでそんな事したの?」
「それはお前に気があるからだ」
「そんなの…信じられるわけないじゃん。あれだろ。離婚して寂しかったんだろ」
 
 だから昨晩はとち狂っただけだ。そうでなければ彼が陽向を好きになるはずはない。…昔からその可能性が0パーセントであることは分かっている。
 
「まあ信じ難いだろうな。だが寂しさを埋めるためにお前に好意があると錯覚した訳では無い。」 
 
 その言葉に高揚感を覚えて心臓が強く脈打つが、同時にキリキリと傷んだ。嬉しいようで悲しい、その二つの感情は二人の男によって齎されるもたら
 
(……もう終わったことだ。)
 
 どんなに嬉しい言葉も、その裏に雨音がチラついて素直に喜べないのだ。それを分かっているのか、和一は「俺は寂しさの穴埋めでもいい」と落ち着いた声で告げる。
 
 まるで陽向が失恋したと言っているようなものではないか。…ただ彼がどうしようもなく放って置けなくて、可愛かっただけ。
 
「…別に俺は金さえあればいい」と強がった陽向に和一はふっと微笑みを浮かべる。それも満足そうにその切れ長の瞳を細めて、「お前はそうでなくては」と味噌汁を飲み下すのだ。
 彼が食事に戻るのなら、陽向は気まずさと共に咀嚼を再開させた。
 
 
 
 いくら辛いことが起きたとしても、予約がある以上休業にする訳にはいかない。その足は枷でもはめているように重い。きっとスウィンドーで開店準備をしている健二郎に雨音へのサプライズはどうだったのか聞かれるだろう。
 
(…なんて言えばいいんだよ…)
 
 きっと健二郎は直ぐに察して変に気を使うはずだ。それに後で和一も顔を出すと言っていたので気まずさが倍増するであろう。無意識に首の後ろを掻くと、ピリついた痛みが生じる。血が固まったカサブタは歯型になっているに違いない。
 
(…憂鬱)
 
 あと数十歩でスウィンドーに到着だ。…その時駆け寄った影が行く手を阻む。「陽向さん!」と名前を呼ぶのだから自分に用があるはずだ。だが陽向はすり抜けるようにその障害物を避けた。
 
 心が逆毛を立てザワつき始める。その声を聞いただけで昨日の言葉が思い起こされて胸が苦しい。
 
(あの女とよろしくやっていた癖に)
 
「待って!」と腕を捕まれそれは強引に引き止める。この馬鹿力に捕まれば簡単には振り払えないだろう。陽向は弱みを見せぬようギッと雨音を睨みつけた。その顔を見た途端また胸の痛みが強くなって呼吸が苦しい。
 
「…離せ」
「離したらあなたは話を聞いてくれないでしょ!」 
「離せって言ってんだろ!」
 
  乱暴に振りほどこうとすればするほどその手の力は強固なものとなる。右手の血流が遮断されるのではないかと思うほどだ。
 
「…じゃあ聞いてやるよ。まあただの穴候補に何言いたいのか知らねーけど」
「…それは誤解です!」
「あーそう。」
「俺あなたをそんな風に思ってないです!」
 
 雨音はそれらしい事を言うが、一体どれが演技でないのか見分けられない。今の必死さが本当の彼なのか、昨晩の冷たい瞳で見下ろした彼が本当なのか。
 その泣き出しそうな瞳を信じたいと一瞬考えてしまうのだ。
 
「…首、どうかしたんですか」
 
 急に間合いを詰めた男は、ワイシャツの襟首に指をぐっと引っ掛ける。陽向は無意識にまた首を掻いていたようだ。
 その目からスっと感情が消えていくと、ドスの効いた声が怒りを滲ませた。
 
「…あんた、とんだクソビッチかよ」
「は?んだテメェ」 
「歯型。こんなに付けて。人にはどうこう言うくせに、自分には甘いんですね。」
 
 冷たく低い声は軽蔑を隠しきれていない。一瞬で変わった表情に陽向は気圧される。何とも言い返せないのがまた歯痒いところだ。
 
「お前に…もう関係ないだろ」
「そうですね。…あんたは俺が懸念していた通りだった。誰でもいいなら俺にもヤラせてよ」
「ああ゙?結局それかよ!…腕離せ!」

聞き捨てならない雨音のセリフに陽向は頭の先から湯気が出そうだ。今にもその綺麗な顔に拳を振るいそうになる。暴力を振るいたくはないが、いつまでも離さない手のせいだ。振りかぶった左腕を既の所で誰かが制止した。
 
「おい何してる」
「か…和…」
「店先で迷惑だ。」
 
 和一は落ち着いた声で陽向の手を離した。みるみる萎んだ怒りに冷静さが取り戻される。
 
「阿形、お前は腕を離したらどうだ。」
「はあ?なんであんたの言うこと聞かないといけないんですか」
「外崎が嫌がっている。君も芸能人だろう、写真でも撮られたらどうするんだ」
 
 雨音はその言葉に悪態をつきながら渋々腕を解放した。血流が再開して指先が痺れて落ち着かない。
 
「…大丈夫か?」
「あー…うん」
「俺が話をしておくからお前は中に入っていろ」

 陽向はそれに従うことにした。今話をしたところでマイナスにしかならない事が分かっていたからだ。…思ってもいない事まで怒りの勢いで言ってしまう前に一旦時間が必要である。
 
「…陽向さん!…行かないで!」
 
 背を向ける途中、その男がここにいる誰よりも傷ついた顔で後ろ髪を引くのだ。
 それはダンボールに置き去りにされた捨て犬のようで、そして自分は身勝手に捨てる飼い主。
 
(クソ…)
 
 今日は恐らく寝るまでこの胸の痛みが続くのだろう。そして目が覚めてもまた、その悲しそうで寂しそうな男の姿が浮かぶに違いない。
 
 
 追いかけようにもそこに立ちはだかる壁は、まるでナイト気取りだ。
 元凶ひなたがいなくなったその空間はやけに静まり返っている。だが二人の間にはメラメラと闘争心が湧いているに違いない。
 
「なんで邪魔すんだよ!」
 
 強い苛立ちに支配されていくのが分かる。思い通りにならないからでは無い。ただどうしようもなくその切れ長の瞳が哀れみを含んだ視線を送るからだ。
 
「恋敵を邪魔じゃないと思う方がおかしい」

 雨音は不意にその左手に指輪がいなくなっている事に気がついた。今まで和一は既婚者だと余裕をかましていたがそれは大きな間違いであったのだ。
 
「それにお前は外崎に酷いことを言って傷つけたんだろう。」
「……」
 
(あの人はそんなことまで話してるのか)
 
 ギリギリと手のひらに爪が食い込む。あの首の歯型は…考えたくないがこの男が付けたものだろう。いつもならば自信満々の雨音であるが正直この男に勝てる気がしない。
 
『陽向は昔っから雨辻くん一筋って感じよ。彼女とかいたけど目の輝き方が違うね』
 
 アホそうな彼らの同級生はヘラヘラとそう語った。男のアドバイスを聞いたお陰で何もかもめちゃくちゃになって、雨音は感情的になっている。
 
「あの人は絶対渡さないですよ…。」
「外崎が決めることだ」
 
 その言葉に奥歯を噛み締めながら、雨音は「あなたって嘘つきで性格悪いですよね!」と捨て台詞を吐いてその場を後にした。
 全ては陽向次第、というのが雨音の不安材料である。
 
 気がついていないだけで、陽向は和一を昔から好きだった。それがぽっと出の雨音を選んでくれるのか。…悲しいことに彼が自分を選ぶビジョンが思い浮かばない。
 
(なんであんな酷いこと言っちゃったんだろう)
 
 瞼の裏に浮かんだのは陽向と和一の影だった。そこに雨音が入る隙などないような気がして、自信がどんどん削がれていく。
 
(ああ、自分が嫌いになりそう)
 
 人目などはばからずその目から零れそうになる涙。ドラマの役では苦労するのに彼のことになると簡単に涙が出るから不思議だ。
 
(俺を選んで)と届かぬ思いを持て余し、その涙を拭った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 

 


 




 
 
 




 


 

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