レインの名付け親

大松ヨヨギ

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ポリエステル

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 今日は最後の予約、そう思ってカーテンを潜った女を見て、陽向はあんぐりと口を開けた。
 
「こんばんは。今日はよろしくお願いします」
「…あ、ああどうぞ」
 
 礼儀正しく会釈し、その女は椅子を引いて座った。おっとりとしたタレ目、愛らしい笑顔を浮かべて「今日はとても楽しみにしていたんです」と。
 
(あいつと一緒にいた女じゃねーか)
 
 陽向は引き攣る口元を無理やり上げて、愛想笑いを浮かべた。彼女は雨音と一緒にいた女で間違いない。一瞬しか見ていないがすぐに分かった。
 
「えーっと、今日は占いでいいですか?一時間七千円です」
「相談とかはやってないんですか?…相談に乗って欲しくて」
「相談でもいいけれど…」
 
 腹の奥から這い出てくるこの黒い感情は全身に散らばり収拾がつかない。
 
(……クソ)
 
 非の打ち所のない目の前の女に何故か負けたような気になった。そもそも勝負すらしていないのにだ。
 
「それで?…内容は?」
「うちの弟についてです。」
「…弟さんね。その子がどうかしたの」
「お願い!あーくんに会いに行って!」
「…………あーくん?」
 
 彼女は身を乗り出してそう言った。その目はうるうると今にも泣き出しそうである。
 
「私、阿形晴子あがたはること申します。雨音の姉です。」
「…えーっと…」
 
 陽向は一時停止したように固まった。目の前の女はそう言われてみれば雨音に雰囲気が似ている。だとするとあの時の諍いは一体なんだったというのか。それとも雨音が姉のフリをして気を引くためにしているのか。
 
「あーくん、とても後悔してた。…好きな人に酷いこと言ってしまったって…」
「…」
 
 あれから二ヶ月、陽向は雨音に会っていない。何一つ解決しないまま無意味に時を過ごしたのだ。
 
 傷ついたあの顔を何度も何度も思い出し、会いに行こうか?と考えた。しかし彼の望む答えを与えられるか分からなくて勇気が出ず、こうしてウジウジと悩んでいる。
 
「貴方なんでしょう?あーくんが好きなのは…。だからお願いします」
 
 彼女はその細い指でギュッと陽向の手を握った。ほぼ初対面の男との距離感ではない。それをやんわり振りほどこうとするが、姉弟と言ったところか。見かけによらず馬鹿力の持ち主のようだ。これで確信した。彼女は本当に雨音の姉なのだと。
 
「…そんなこと言われても」
「…ただ会ってYESかNOか、言うだけでいいんです」
 
(それが難しいから困ってんだろ…)
 
 彼女はやっと手を離すと一万円をテーブルに置いて「…あの子があんな風に誰かを好きになることなんて滅多にないんです。」とニッコリと女神のような微笑みを残して退室する。
 
 …陽向はその後数分程机に突っ伏し頭を抱える事になったのは言うまでもない。
 
 
 
 
「今日はもう終わったのか」
 
 帰り支度を済ませた陽向に、和一は声をかける。先月からスウィンドーに復帰し、またこうして顔を合わせるようになった。慣れた手つきで作業している姿は直向きでいつもと変わらない。
 
「あー…うん。じゃ、…俺はこれで」
「飲んでいかないのか」
  
 陽向は気まずさから和一と二人きりになる事を避けている。目も合わさず他人行儀な態度は酷いものだ。…これでは雨音だけでなく和一までも傷つけてしまう。
 
「外崎」
 
 そそくさと帰ろうとする陽向を呼び止めた和一は苦虫を噛み潰したように渋い顔をして「…お前の決断を支持する」とだけ告げた。
 その言葉に重圧を感じてしまう。もし和一を選んだなら雨音が傷つく。あの愛らしい笑顔を向けてはくれなくなるだろう。雨音を選んだなら、和一も表に出さないだろうが傷つくだろう。考えがいつまで経っても纏まらないのは、二人はそれぞれ陽向にとって特別であるからだ。
 
 逃げるようにスウィンドーを後にした陽向に和一はそれ以上何かを言う訳では無い。
 
(無視する事ないじゃんか…『また明日』くらい言えば良かった)と自分に文句をつけた。
 
 扉の先にはいつもの街が広がっている。同僚と飲み歩くサラリーマンに、若い大学生。皆酒で視界がぼやけているのだ。陽向もそれに倣いコンビニに立ち寄り酒を買い込む。一人で飲む分には迷惑にはならないだろう。
 
(どっちかなんて選べねぇよ……)
 
 袋片手に帰路につく男は躓きながらとぼとぼと足を進めた。落ち込んだ肩はぐったりと下がり姿勢も悪くなっている。
 
(つーか俺みたいなクズにあの二人は勿体ねぇ。選ぶ権利すら無いだろ)
 
 自身を卑下しながら帰る道は、とても長く暗いものに感じた。
 
 
 
『陽向、まだ決まらないの?』
 
 最近流行りのデュランダルカードキットとティラノサウルスの玩具。それはどちらも捨て難く選び難い。八歳になったばかりの陽向にとって二つの玩具はどちらも価値あるものだったからだ。
 
『う~ん、まってね』 
 
 デュランダルカードを選んだらティラノサウルスは買って貰えない。ティラノサウルスを選んだらデュランダルカードが手に入らない。かといってどちらも買ってくれ!などと母が身を粉にして働いて、…それでも苦しい生活を分かっているから言えなかった。
 
『う~ん……』
『この二つで迷ってるの?』

 優しい母が財布の金を確認した事を幼い二つの目は理解していた。

『…ごめんね、どちらも買ってあげたいけれど…』 
 
 陽向はその二つの値段を見て、わざと欲しくもない安い玩具を手に取った。忘れもしない、縫製の甘い可愛くもないぬいぐるみだ。
 
『…これにする!』
 
 子供心に母に気を使っていたつもりだった。だがそう言った時彼女は悲しそうな顔をした。『ごめんね…』と謝る彼女に陽向は選択を間違えたと今でも後悔している。
 
(……それとこれ、同じじゃねーけど)
 
 ぼんやりと酒のラベルを眺めて、寂しさをくだらないテレビで誤魔化すことにする。
 
 電源を入れた画面、そこには見慣れた顔が写っていた。
 
(ああ、ケンジくんが言ってたドラマか)
 
『俺、ゆかりさんが好きなんです!』
 
 話の内容は分からないが、クライマックスのようで主人公の女に愛の告白をする雨音が映し出される。…画面の中の彼は確かにいい演技だ。表情も、声も仕草も全身全霊、雨音の全てが生かされている。
 
(…でも演技は演技だ)
 
 それは陽向が雨音の心を知っているからだろうか。彼が陽向に伝えていた好意は、演技ではないことが今になって分かった。 
 
 いくら飲んでも今日は頭がやけに冴えて、陽向は腹を括る覚悟がようやく出来た。手を伸ばしたスマートフォン、その指が発信したのは『和』である。
 
 
 
 
 
「…今日はいつものとこじゃなくていいの?」
「はい。寄るところがあるので」
 
  心配そうな眼差しを向ける飯田にそう嘘をついて、雨音は力なく車を降りる。
 
 「ほんとに大丈夫か?」
 
 数ヶ月でやせ衰えた雨音を心配する飯田に作られた笑顔を見せてとぼとぼと街の中に紛れた。
 見上げた空は陽の光が分厚い雲に覆われて今にも泣き出しそうだった。
 
(……会いたい…けど)
 
 その足は駄目だと分かっていてもその場所に向かう。瞼には去っていく男の背中が拒絶していたというのに。
 
(しつこくしてこれ以上嫌われるのは嫌だ…)
 
 今まで嫌われる、なんてことをあまり経験したことが無い雨音は、初めての事に自信を喪失している。
 
 時刻は十七時を回った頃だ。…きっとまだ陽向はスウィンドーには居ない。通り過ぎる位なら問題ないはずだろう。
 
 その俯いた視線を前に向けると、二つの男の影が視界に飛び込んだ。雨音はまるで氷漬けにでもされたかのように足が固まった。
 
(陽向さん…)
 
 それは楽しそうにも見える。穏やかにも見える。陽向は相変わらず和一に純粋な眼差しを向けて、二人は握手を交わした。
 
 これから二人で歩んでいく、きっと彼らはそのような話をしているに違いない。雨音が入り込む余地など初めから無かったのだ。
 
 
 雨音は地面からゆっくり足を引き剥がし、その悪夢のような光景から逃れるため宛もなく歩き出した。
 
(嫌だ!嫌だ!!…)
 
 あれ程好きだと伝えても、たった一つ間違った行動を取ったばかりにこんなことになってしまうとは考えが足りなかった。どこか自分の価値を過大評価していたのだ。…何をしても許される、と。
 
 空が唸り出し、ポツリと雨音の頬を掠める雨は生暖かい。それはみるみるうちに叩きつけるように大粒の雨に変わった。張り裂けそうな胸に更なる追い打ちを掛けて、…良い点といったら両目からボロボロと零れた涙を拭う必要が無い事くらいだろう。メガネのレンズには雨が、内側は涙で曇って前が見えなくなる。
 
 人通りが大雨の影響か少ないのは唯一の救いだろう。情けない姿で地面にしゃがみ込んだ男を認識する人間は少ない方がいい。
 
「…ぅぅ、どうして俺じゃダメなの…」
 
 ジクジクと心臓が針で刺されて息苦しい。体の臓器全てが捻れ、バラバラになってしまうのではないか。それをこの大雨が流して全て無かったことにされてしまうのだ。
 
(そんなの絶対嫌だ)
 
 アスファルトに弾けた粒が泥を撒き散らし、側溝に流れていく。行き交う人間の足は雨音を避けるように離れていくのに、高そうな革靴だけはこちらに向かってやってきた。
 
 地面が色を濃くして、その空間だけ雨が止む。あまりに惨めな男を見かねた優しい人間だろうと、ぼんやりと上に視線を向けるのだ。
 
 バツバツとポリエステルが雨を遮る。少しバツが悪そうに傾けられた傘の影でその男は優しく微笑んだ。
 
「…風邪引くぞ」
 
 
 
 
 傘の中、その狭い空間はたった二人だけである。他の人間の色など霧がかかったように灰色で、彼の締めたネクタイの赤だけ際立っていた。
 
「…なんで」
 
 覇気のない声は今にも雨に消えそうだ。
  何故陽向がこうしてやって来たのか、知りたいが聞きたくない。
 
「なんでって、…見かけたから。ゾンビ見てぇだったぞ」
 
 何を考えているのか、男は軽口を叩いてにっと笑った。雨音に傾けた傘のせいで、その肩は大雨が滲んでいるというのにだ。
 
「そうじゃないだろ!…どうしてそんな事するんだよ!…俺を選んでくれないくせに…」
 
 女々しいとは分かっていた。そんな事を言えば更に惨めになることも、男の好みから遠ざかることも頭では分かっていたのだ。しかしやはり陽向を目の前にすると子供のわがままのように抑えが聞かなくなる。
 
「…お前、まだ俺の事好きなの?」
「当たり前でしょ!……好きだって何回も言ってるでしょ。」
「そうか…。だったらもう泣くな」
 
 乱暴に雨音の頭を撫でるその手はまるで飼い犬を撫で回すようだ。何故そのような事をするのか戸惑う雨音に、陽向はその手を空に浮かせて視線を逸らした。
 
「俺さ、お前みたいに将来有望な奴に選ばれるほど大した男じゃない。…それは今でもそう思ってるけど」
 
 その呼吸が浅くなった。緊張からか震えて言葉に詰まる陽向はその湿った空気をめいっぱい肺に取り込んでゆっくり吐き出し、意を決したように拳をぎゅっと握った。
 
 
 
「…俺を恋人にしてくれるか?」
 
 
 
 雨に消えないよう、ハッキリと届いた言葉はまだ少し信じ難い。だが先程まで濁っていた世界に色が戻っていくような錯覚を覚える。叩きのめすような雨は、雨音を痛めつけるために降っていないのだと気がついた。
 
「……本当に?和一さんじゃなくて?……俺でいいの?」

 深く頷いた男は耳まで赤くなって、嘘ではないことを実感させる。緊張の糸が解けたのかボロボロと両目から再び涙が溢れ出て、雨音はその幸せを噛み締めるように拭った。
 
「泣くなってば」
 
 その手がまた頭を撫で回す。ガサツだが優しいその手の平にようやく心の晴れ間が見えた気がしたのだ。
  
「…ごめんなさい。これは嬉し泣きですよ。」
「全く、しょーがねぇなあ。…とにかくこれからよろしくな」
 
 差し出されたその手を握り返す。冷えきった雨音の手のひらに移った熱が心地よく滲んだ。
 
「…こちらこそ、よろしくお願いします!」
 
 先程まで沈んでいた気持ちが嘘のように、今にも飛び跳ねたい衝動に駆られる。
 
「とりあえず帰るか。これじゃ二人とも風邪ひいちまうから」
「はい!何だか安心してお腹すいちゃいました」
「じゃあなんか飯作ってやるよ。」
「やったー!楽しみ!」
「まあレンジでチンするだけのスペシャルメニューだけどな。」
 
 外は土砂降りだ。人々は生き急いだように早足で立ち去る。だがその傘に守られる二人は晴れやかな顔をしてその雨を楽しんだ。
 
 
 
 
「うぅーん、いけないなあ。…良くない所行ったでしょ」
「なんで分かったんですか!?」
 
 この狭い空間に六人もすし詰め状態だ。それに彼らは恐怖と興奮で騒がしい。後ろのジャズミュージックも掻き消えるほどだ。
 
「…後ろの人がそう言ってるから」
「ぎゃーーーー!怖い怖い!!」
「しーっ!騒がしいのは嫌いらしいから静かにね」
 
 若者は一瞬で息を止めたように静まり返る。純粋でどうしようも無いほど無知だ。
 
「どう、したらいいですか?」
「…うーーん」

 
 彼らから徴収するのは難しいだろう。入口でガソリン代の押し付け合いをしているくらいだ。きっと持ち金合わせても三万あれば良い方だろう。「お祓いって高いんですか?」と一人が心配そうに問いかける。
 
「…俺も危なくなるからね。」
 
 彼らは顔を見合わせて、丸聞こえの相談を始める。そして財布の中身を確認して大きく落胆した。一人がそれらをかき集め、陽向の目の前に差し出す。
 
「えっと、…合わせて一万五千円しか無いです………。無理、ですよね?」
「……うーーん。…………今回はそれでいいよ。」
「ほんとですか!?よかったぁ~」
 
 活気づくその空間。陽気な彼らならプラシーボ効果絶大だろう。陽向はすぐ大麻おおぬさを何処からともなく取り出すと、出来もしないお祓いを開始した。
 
 金にもならないのに、一人一人丁寧にそれらしい事をして、彼らは憑き物が落ちたように明るい表情で喜んで帰って行った。
 
(ふぅ~何故かいい事した気になるね)
 
 紫のカーテンを潜り、今日はこれにて『CLOSED』にする。仕事終わり一杯何か飲もう、振り返るとよく見知った連中が楽しそうに談笑していた。
 
「うぇ~い陽向、終わったん?」
「あんた凄い人数だったけど大丈夫だったの?」
 
 アホな悪友にフェミニンなオーナー。その横で真面目にグラスを拭きあげる和一。
 
 「陽向さん。終わったんですか?」
 
 その中に愛らしい笑顔を浮かべて帰りを待つ雨音が陽向のど真ん中の特等席を開けている。そこにどっかりと腰を下ろして酒を一杯だけ貰うことにした。
 
「まーね。…てかお前仕事は?」
「もちろん!ちゃんと終わってから来ましたよ。帰ったら褒めてください」  
「やだぁ~イチャイチャしないでよぉ~!あたしまだ複雑な気持ちなのよオ゙」
 
 健二郎が酒で焼けた声で割って入った。その手には雨音の載る雑誌を握りしめている。
 
「可愛い可愛いひーちゃんを取られたって気持ちと、岬れんの頃から応援してたレインを取られた気持ちでハートブレイクよ!」
「まーまー、ケンジくんいいじゃないのー!そーだ!今度中央店!スロット新台入替だってさ!一緒にいこーよ~」
「嫌よ!あんたどうせ財布忘れたとか言って人の金でやるつもりなんだから!」
 
 騒がしい二人に気を取られているうちに、仕事のできる男は陽向がよく好む『マルガリータ』を差し出した。
 
「それだけにしとけよ。お前は酔うと大変だ。何処そこ撒き散らしたら店が汚れる」
「分かってるって。ありがとう」
 
 受け取ったそれを一口、本日の疲れが喉を下って流れていくようだ。
 
「和一さん、俺がいるんだからもう少し配慮してくれませんか?…何でも知ってる風でムカつく」
「何故だ。配慮すべきなのは君だと思うが。」
「その余裕綽々って感じが腹立つんだけど。ま、勝者は俺でしたけどね!」
「はぁ~、ガキだな。またそうやって胡座かいてるといい。」 
 
 一方はスロットの話、一方は未だに火花を散らしている。五月蝿いのは嫌いだったが、不思議と今は大丈夫だ。最後のひと口を飲み干す。ほんの少し名残惜しい酸味が口内に広がった。
 
 陽向は健二郎に飲んだ分の金を置いて、威嚇する可愛い犬を連れて帰らなければと席を立った。
 
「ごちそうさま。おい雨音!帰るぞ」
 
 
 
 
 喧騒が落ち着いたスウィンドーで、四杯目のおかわりをする光輝は落ち込んでいるであろうその男に軽いノリで声をかける。
 
「いやぁ~なるようになったね!」
 
 慰めにもなっていないその一言に和一はぎっと睨みつけると、大きなため息をついた。
 
「正々堂々勝負すべきだった。やはり狡い手を使っては駄目だな」
「そーよ!ま、俺は得してラッキー!て感じだけどね!」
 
 光輝は目を輝かせ、両手を差し出した。その行動に深くなる眉間のシワ。
 
「…なんだ?」
「『モータードラコ!スペシャル!エディション!!』は?」
 
 行儀悪く机をバンバンと叩き、それを催促する。光輝は仕事を終えた。報酬が必要だ。
 
「あれは約束通り燃やしたが?」
「え゙ぇ!?くれるって言ったじゃん!!」
「報酬は成功した時のみ。三歩歩いたか鳥頭。…叔父さん、俺は裏の在庫を確認するから」
 
 和一はちょうど裏から戻ってきた健二郎と入れ替わるように奥へ引っ込んだ。
 
「このひきょ~もの!返せ~!俺のモータードラコスペシャルエディション~!!」
 
 そう叫んでもその男はそれ以降顔を出さなかった。光輝は更なる酒を注文するしかこの悲しみを誤魔化す方法が無かったのである。
 
 
 
 
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