サウザンド・ジョブ・オンライン ~あるみならい僧侶の話~

アヤマチ☆ユキ

文字の大きさ
56 / 95
第2章 出会いの街 編

046 ちょっと贅沢な朝食後の穏やかなひととき <04/05(金)AM 06:19>

しおりを挟む

 出会いの街[ヘアルツ]南口1方面で、『MPKもどき』のプレイヤー(†カムイ†)を、通りすがりの『盗ゾック(斧)』LV8先輩の犯行に見せかけてほうむり去った俺は、「犯人は現場に戻る」という『お約束』を果たすべく、『現場お百度参り』に参上する。
 すると一度目で、さっそく御利益ごりやくがあったのか、†カムイ†の遺産の『袋』と、『賞金首の首輪 懸賞金:84,000G』を入手、ホクホクしながら街へと戻り、ミケネコさんと ちょっと贅沢な『お祝い(朝飯)』をしたのだった。


 さて、早朝の宝箱探しを終了し、朝飯も終えたが、まだまだ朝早い時間だ。「早朝、日暮れは宝箱探し」、「朝~昼は探索やダンジョン行きパーティに参加」、「夜間、深夜に修行」、「空いた時間はショップ巡り」という大体の方針があるのだが、”パーティ募集”を眺めるにも”ショップ巡り”をするにも、少々早過ぎるのである。

 「………」という訳で、ちょっと贅沢ぜいたくな朝食を終え、ご満悦中のミケネコさんの背中でも、サラ~ッと撫でたりしながら、食後の休憩がてら色々な事をゆっくりと考えてみたいと思う次第しだいだ。


 まずは、その『ミケネコさん』の事である……
 皆様の中には「ミケネコさんが最初の頃と比べて、あまり……ぶっちゃけ『アホの子』になったのでは?」…と感じている方が居られるのでは無いだろうか。
 ミケネコさんが~では無く、『サポートペット』は『自分の購入された街村』と、『はじまりの街[スパデズ]』に関して、ある程度の助言、アドバイスをする様になっている。(自分の購入された~というのは、『出身地? だから詳しい』といった設定らしい)
 もっとも『サポートペットの購入』は≪任意≫であるので、有利になりすぎない様に、「武器防具を買いましょうね」「仲間を見つけてパーティを組みましょうね」「最初は南から挑戦しましょう」「北にはイルカモネ山猫が居て危険ですよ」…程度の、本当に些細な事だけであるのだが。後はペットショップのおっさんの言う様に、≪ペットに関する事なら≫質問すれば答えてくれるぐらいだ。

 そのため『探求の街』のペットショップで、1,800万Gで購入された金色のイワトビペンギン型、性格ツンデレ…さんも、はじまりの街[スパデズ]に連れていけば――
 「北には『イルカモネ山猫』がいて危ないのよ…ま、まぁ、アンタなんか、どうなってもいいんだけどっ」、「ふんっ、だから何度も「危ない」って言ったじゃないっ、馬鹿じゃないのっ?」、「何よっその顔、べ、別に無事で良かった…なんて思って無いんだからねっ」…などと言いだすはずである。くぎゅ…う?

 つまりミケネコさんに限らず、≪はじまりの街[スパデズ]で購入したペット≫であれば、『購入された街村 = はじまりの街[スパデズ]』であるので橋を渡ってしまうと、その後は『プレイヤーと一緒に学習していかないといけない』ため、「アドバイス、助言が無くなり、質問などの方が増える = アホの子っぽくなってしまう」のだ。
 そして≪そういうの≫が面倒だというプレイヤーや、固定パーティなどの≪連れが居る≫場合は、『ペットにばかり構っていられない』ので、『ギルドカードに収納しっぱなしにする』のだが、まぁ俺は基本ぼっちだし、旅のお供は居た方が楽しいのと印象操作のために連れて歩くわけだ。
 それに「他人に話す事で自分でも≪見落とし≫とかに気付く」とか言うし、実際ミケネコの質問に答えながら色々と思いつく事もある。

 それと、この『学習内容』であるが、当然『そのペットのモノ』であるので、買い換えたりすれば また最初から≪学習し直し≫になる。好みのペットを見つける度に、衝動的に買い換える様なプレイヤーの場合、毎回また≪同じ様な質問≫に答えてやって、学習させ直すようになるので、「面倒だから」と、買い換えてはギルドカードに収納しっぱなし。…というプレイヤーも多かった。

 「連れて歩かないのなら買い換える必要が無いのでは?」と俺は思うのだが、まぁゲームなどでも「やらない」、「やる時間が無い」のに≪新作が出る度に買って積んでおく≫人や、TVなど大量の番組を録画しておいて、≪ロクに見ない≫という人も居るらしいので、そういうモノなのだろう。
 逆に≪愛着が無いからこそ≫、少しでも今のペットより≪良さそう≫であれば買い換えるのかも知れない。ペット屋で言った通り、「かなりランダムに動物が入っていて、ログアウトすれば品揃えが変わる」のだが、再び同じ様なペットに出会えるかは分からない、『一期一会』であったので、「良い」と思ったら買い換えるのも正しい姿ではある。

 まぁ俺の場合、武器も防具も買うつもりが無く「無意味に現金を持ち歩くより、さっさと5000G程度の安いペットを買って、『所持金』を減らして『デスペナルティ対策』をしておこう」とか、「その内ペットは買うのだし、どうせ学習させるのなら早い方が良いだろう」といった思惑もあった。
 …のであるが、朝起こしてもらったり、長考を止めてもらったり、素材収集で活躍したりと、思った以上に頼っている面がある。ゲーム時代もペットを連れて歩いていたのだが、『倉庫能力』以外では、それほど役立った覚えが無い。ペットもリアル? になって何か変化しているのだろうか?


 そのミケネコさんは、『しあわせ』を≪いっぱい≫満喫後なのもあって、目を閉じてウトウトしている。そ~っと耳の中に人差し指を近づけてみた……耳の中の毛に触れるか? 触れないか? ぐらいで、嫌がる様にプルプルッと耳が動く、かなりの高感度センサーの様だ。猫っぽい…のか?


 次に、一連の『†カムイ†事件』で思い出したのだが……、
 「ユータローが赤ネームだった可能性」の話だ。あの時はすっかり忘れていたのだが、レッドネーム『賞金首』だったなら、遺産の他に『首輪』も落ちていたはずである。(まぁ『遺産』放置で、『首輪』だけ持って行ったプレイヤーが居た可能性も…あるのか?)
 よって遺産額から考えても、まだ最初の街だった事を考えても、「ユータローは『イエローネーム』だった」…と考えて間違い無いのでは無かろうか。

 つまり、仮に21:56分が≪死んだ直後≫だったとして、『イエローネーム』は10分のペナルティだから、22:06分が『最終復活ライン』だったのだろう。まぁどちらにせよ、復活は確認出来なかったのだが。


 それから、モンスターとの『初回遭遇経験値ボーナス』の事について……、
 初回遭遇(モンスターの10m範囲に接近する)経験値ボーナスが、『討伐時の3体分』も貰えるという事で、「楽勝すぎwwwヌルゲーwww」の様に感じられた方も居られるのでは無いだろうか。
 しかし例えば「野生のトラやグリズリーの10m範囲に近付いて逃げて来い」とか言われても、同じ事が言えるだろうか? 「お前それサバンナでも…(AA略」である。(※とは言えTJOには『非アクティブモンスター』が居るので、実際に楽勝な相手も多いのであるが)

 しかし…だ。『討伐時の3体分』、つまり『経験値にして300%』なのである。…お気づきだろうか? FA、FBボーナス〔※1〕の存在が≪考慮されていない≫のだ。
 実際には、『ソロで1体討伐』すると……FA(最初の攻撃)ボーナス30%、本体100%、FB(トドメ)ボーナス20%の…『計150%分の経験値が得られる』。
 よって初回遭遇ボーナス(300%)は、実は『ソロ討伐時(150%)の2倍』にしかなっていない、…というヤマコウトラップが。

 まぁそれらを差し引いても、[スパデズ]2日目の俺の様に、「同じ事をしても『旨み』は無いのだから、初ボーナスも貰えるし、『見知らぬパーティ』に参加して、『初めての』ダンジョンにでも行ってみるか」…などと、プレイヤーの挑戦者魂チャレンジスピリットや、開拓精神フロンティアスピリットを促しているのは事実である。


 後は、まぁイマサラどうでも良い事なのだが、俺達の『HPゲージ』について……、
 『HPゲージ』は、≪こんな感じ≫である。

┠┼┼┼┼╂┼┼┼┼┨

┠■■■■╂■■┼┼┨

 0、50、100%は一目瞭然いちもくりょうぜんで、後は≪10%刻み≫で判別可能だ。半端なダメージだと、≪大体の目分量≫でしか分からなくなっている。
 例の上図は『HP0で死亡』、下図の場合だと『約25%のダメージ』という感じだ。

 困った事に食事効果などで≪100%以上に増えても≫、『増減分を含めて100%』として表示されるため、一時的にMAXHPが上昇している時などは、被ダメージ%や、回復量%が『変化』してしまい、よく混乱する。

MAXHP1000で100ダメージは、10%のダメージであるが、
MAXHP1000で食事効果などで50%UP、計MAXHP1500だと、100ダメージは、6~7%ダメージとなる。

 またこの時、治癒スキルで≪300回復していた≫とすると、
通常は、30%回復で、食事効果中は、20%しか回復しない…という具合だ。

 まぁそういった仕様であるため、ササミカツ丼の『MAXHP10%上昇効果』の時など、色々数値が上下して、わかりにくいかと思われるのだが、ご容赦願いたい。


 最後に軽く、先ほど言った『印象操作・印象誘導』について……、
 まぁ簡単に言うと『意図的に特徴を付けて』おいて、自分の都合によって特徴を変えて、『印象を操る』行為だ。
 例えば、お昼の『wktkウォッチング』の司会をしていた、『グラサンのおじさん』みたいな感じである。意図的?に『特徴のある姿』をして周囲に印象付けておけば、目立ちたく無い時には、グラサンを外してマスクでもしていれば、おそらく『誰にも気付かれない』のでは無かろうか。(※個人の感想です。)
 プロレスラーなどでも、『アントラーいのち』さんなどは、どこへ行っても気付かれてしまう事だろう。しかし覆面レスラー、例えば『虎覆面』さんが、
 『虎覆面の姿』で、出歩いていれば多くの人に気付かれるだろうが、
 『覆面を取り、素顔(すやまさとぅ姿)』で歩いていれば、『コアなファン』ぐらいにしか気付かれないだろう。(※個人の感想です。)

 つまり通常時は『印象付ける』ため、出来るだけミケネコさんを連れて歩き、目立ちたく無い時には、『カードに収納してひっそり歩く』、…ただそれだけである。

 †カムイ†に遭遇した時にミケネコさんを連れていれば、「ネコを連れたプレイヤー」と深く印象に残っただろうが、『収納していた』ので、彼が遭遇したのは…ただの逃げ腰の『みならい僧侶』であろう。
 夜間でも、ネコを連れて歩いている人影があれば、シノブさん等はすぐ『俺』だと気付くかもしれないが、収納して歩いていれば、ただの『いち通行人』であろう。
 『印象付けたい時』と、『目立ちたく無い時』で使いわけているわけだ。まぁ『目立ちたく無い時 = 危険』…な事が多いから、どちらにせよミケネコさんは収納するだろうが。一応は『そういう魂胆』があったりするんですよ? …という話だ。せこくない。

 「目立ちたく無いと言いながら、目立つ事ばかりしてんじゃん」…という疑問がある方も居るかな? と思い解説してみた次第である。
 納得出来ない方は、『ピエロ』をイメージしてみてもらいたい。「奇抜なメイク」、「派手な衣装」、「見事なジャグリング」、「優雅な玉乗り」…、『これでもか!』と目立つ特徴がある。
 しかし いざ「本人の素顔、性格、年齢、名前は?」…と聞かれると、『何一つわからない』のだ。≪性別すらもあやふや≫である。『特徴だらけ』で『目立っている』様でいて、『誰よりも個人情報を秘匿している』…と言えるだろう。


 視界の右下の方へ意識を向けると<04/05(金)AM 06:37>と表示されていた。う~ん、思ったほどは時間が経っていないな。探索募集にしろ、プレイヤーショップにしろ、やはり AM 09:00時頃から~というイメージがある。『24時間睡眠を取らなかったペナルティ』の延長にもなるし、一眠りしておくか…

「ミケネコ、少し仮眠を取る。AM 08:50ぐらいに起こしてくれ」
「ん~……、わかった~」
 机の上で丸くなって ほぼ睡眠中だったミケネコに、とりあえずそう頼んでから、椅子からベッドに移動して横になる。するとミケネコさんも すぐ机を飛び降りて、ベッドに飛び乗り横になった俺の胸の上でまた丸くなった。
 「――夏になると寝苦しくなりそうだな」、などと思いつつ眠りについた。


-------------------------------------------------------------------------
LV:10(非公開)
職業:みならい僧侶(偽装公開)(僧侶)
サポートペット:ミケネコ/三毛猫型(雌)
所持金:7,275G
武器:なし
防具:布の服
所持品:10/50 初心者用道具セット(小)、干し肉×24、バリ好きー(お得用)90%、樽(中)100%、コップ(木)、サクランボ×1、鋼のナイフ、鉄の斧、青銅のブーツ、賞金首の首輪[†カムイ†]懸賞金:94,000G


〔※1〕TJOにおいて、
 『最初の攻撃』を、『ファーストアタック』(略されてFAと呼ばれている)という。そして『トドメの一撃』を、『フィニッシングブロウ』(略されてFBと呼ばれている)という。これらはどちらも討伐時に『経験値ボーナス』が加算され獲得できる。
 戦国時代などにおいての『一番槍』や、『首級をあげる、首を取る、討ち取る』といった行為に相当する…と考えていただくとイメージしやすいかと思われる。


「特に話す事が無いので、全く関係の無い話なんだが」
「な~に~?」
「何も書かれていないが、『サクランボ』は取り出して観察したりしている」
「みてるやつ~?」
「あぁ、「サクランボを取り出す」、「変化が無い」、「放り込む」…と、それだけの作業なので、特に描写していないらしい。まぁ気にしている人が居るかも知れないから一応な」
「ふ~ん?」
「ところで…『サクランボ』をじっと見ていると、ゲシュタルト崩壊というか、『何か』が間違っている様な気がしてくる。桜、ンボ? 「ンボ」って何やねん。桜、んぼう? 「んぼう」とは一体? 咲く乱暴、錯乱…は何かが危ないっちゃね」
「さくらんぼ で、あってるよ~?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中

あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。 結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。 定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。 だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。 唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。 化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。 彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。 現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。 これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

処理中です...