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第2章 出会いの街 編
046 ちょっと贅沢な朝食後の穏やかなひととき <04/05(金)AM 06:19>
しおりを挟む出会いの街[ヘアルツ]南口1方面で、『MPKもどき』のプレイヤー(†カムイ†)を、通りすがりの『盗ゾック(斧)』LV8先輩の犯行に見せかけて葬り去った俺は、「犯人は現場に戻る」という『お約束』を果たすべく、『現場お百度参り』に参上する。
すると一度目で、さっそく御利益があったのか、†カムイ†の遺産の『袋』と、『賞金首の首輪 懸賞金:84,000G』を入手、ホクホクしながら街へと戻り、ミケネコさんと ちょっと贅沢な『お祝い(朝飯)』をしたのだった。
さて、早朝の宝箱探しを終了し、朝飯も終えたが、まだまだ朝早い時間だ。「早朝、日暮れは宝箱探し」、「朝~昼は探索やダンジョン行きパーティに参加」、「夜間、深夜に修行」、「空いた時間はショップ巡り」という大体の方針があるのだが、”パーティ募集”を眺めるにも”ショップ巡り”をするにも、少々早過ぎるのである。
「………」という訳で、ちょっと贅沢な朝食を終え、ご満悦中のミケネコさんの背中でも、サラ~ッと撫でたりしながら、食後の休憩がてら色々な事をゆっくりと考えてみたいと思う次第だ。
まずは、その『ミケネコさん』の事である……
皆様の中には「ミケネコさんが最初の頃と比べて、あまり……ぶっちゃけ『アホの子』になったのでは?」…と感じている方が居られるのでは無いだろうか。
ミケネコさんが~では無く、『サポートペット』は『自分の購入された街村』と、『はじまりの街[スパデズ]』に関して、ある程度の助言、アドバイスをする様になっている。(自分の購入された~というのは、『出身地? だから詳しい』といった設定らしい)
もっとも『サポートペットの購入』は≪任意≫であるので、有利になりすぎない様に、「武器防具を買いましょうね」「仲間を見つけてパーティを組みましょうね」「最初は南から挑戦しましょう」「北にはイルカモネ山猫が居て危険ですよ」…程度の、本当に些細な事だけであるのだが。後はペットショップのおっさんの言う様に、≪ペットに関する事なら≫質問すれば答えてくれるぐらいだ。
そのため『探求の街』のペットショップで、1,800万Gで購入された金色のイワトビペンギン型、性格ツンデレ…さんも、はじまりの街[スパデズ]に連れていけば――
「北には『イルカモネ山猫』がいて危ないのよ…ま、まぁ、アンタなんか、どうなってもいいんだけどっ」、「ふんっ、だから何度も「危ない」って言ったじゃないっ、馬鹿じゃないのっ?」、「何よっその顔、べ、別に無事で良かった…なんて思って無いんだからねっ」…などと言いだすはずである。くぎゅ…う?
つまりミケネコさんに限らず、≪はじまりの街[スパデズ]で購入したペット≫であれば、『購入された街村 = はじまりの街[スパデズ]』であるので橋を渡ってしまうと、その後は『プレイヤーと一緒に学習していかないといけない』ため、「アドバイス、助言が無くなり、質問などの方が増える = アホの子っぽくなってしまう」のだ。
そして≪そういうの≫が面倒だというプレイヤーや、固定パーティなどの≪連れが居る≫場合は、『ペットにばかり構っていられない』ので、『ギルドカードに収納しっぱなしにする』のだが、まぁ俺は基本ぼっちだし、旅のお供は居た方が楽しいのと印象操作のために連れて歩くわけだ。
それに「他人に話す事で自分でも≪見落とし≫とかに気付く」とか言うし、実際ミケネコの質問に答えながら色々と思いつく事もある。
それと、この『学習内容』であるが、当然『そのペットのモノ』であるので、買い換えたりすれば また最初から≪学習し直し≫になる。好みのペットを見つける度に、衝動的に買い換える様なプレイヤーの場合、毎回また≪同じ様な質問≫に答えてやって、学習させ直すようになるので、「面倒だから」と、買い換えてはギルドカードに収納しっぱなし。…というプレイヤーも多かった。
「連れて歩かないのなら買い換える必要が無いのでは?」と俺は思うのだが、まぁゲームなどでも「やらない」、「やる時間が無い」のに≪新作が出る度に買って積んでおく≫人や、TVなど大量の番組を録画しておいて、≪ロクに見ない≫という人も居るらしいので、そういうモノなのだろう。
逆に≪愛着が無いからこそ≫、少しでも今のペットより≪良さそう≫であれば買い換えるのかも知れない。ペット屋で言った通り、「かなりランダムに動物が入っていて、ログアウトすれば品揃えが変わる」のだが、再び同じ様なペットに出会えるかは分からない、『一期一会』であったので、「良い」と思ったら買い換えるのも正しい姿ではある。
まぁ俺の場合、武器も防具も買うつもりが無く「無意味に現金を持ち歩くより、さっさと5000G程度の安いペットを買って、『所持金』を減らして『デスペナルティ対策』をしておこう」とか、「その内ペットは買うのだし、どうせ学習させるのなら早い方が良いだろう」といった思惑もあった。
…のであるが、朝起こしてもらったり、長考を止めてもらったり、素材収集で活躍したりと、思った以上に頼っている面がある。ゲーム時代もペットを連れて歩いていたのだが、『倉庫能力』以外では、それほど役立った覚えが無い。ペットもリアル? になって何か変化しているのだろうか?
そのミケネコさんは、『しあわせ』を≪いっぱい≫満喫後なのもあって、目を閉じてウトウトしている。そ~っと耳の中に人差し指を近づけてみた……耳の中の毛に触れるか? 触れないか? ぐらいで、嫌がる様にプルプルッと耳が動く、かなりの高感度センサーの様だ。猫っぽい…のか?
次に、一連の『†カムイ†事件』で思い出したのだが……、
「ユータローが赤ネームだった可能性」の話だ。あの時はすっかり忘れていたのだが、レッドネーム『賞金首』だったなら、遺産の他に『首輪』も落ちていたはずである。(まぁ『遺産』放置で、『首輪』だけ持って行ったプレイヤーが居た可能性も…あるのか?)
よって遺産額から考えても、まだ最初の街だった事を考えても、「ユータローは『イエローネーム』だった」…と考えて間違い無いのでは無かろうか。
つまり、仮に21:56分が≪死んだ直後≫だったとして、『イエローネーム』は10分のペナルティだから、22:06分が『最終復活ライン』だったのだろう。まぁどちらにせよ、復活は確認出来なかったのだが。
それから、モンスターとの『初回遭遇経験値ボーナス』の事について……、
初回遭遇(モンスターの10m範囲に接近する)経験値ボーナスが、『討伐時の3体分』も貰えるという事で、「楽勝すぎwwwヌルゲーwww」の様に感じられた方も居られるのでは無いだろうか。
しかし例えば「野生のトラやグリズリーの10m範囲に近付いて逃げて来い」とか言われても、同じ事が言えるだろうか? 「お前それサバンナでも…(AA略」である。(※とは言えTJOには『非アクティブモンスター』が居るので、実際に楽勝な相手も多いのであるが)
しかし…だ。『討伐時の3体分』、つまり『経験値にして300%』なのである。…お気づきだろうか? FA、FBボーナス〔※1〕の存在が≪考慮されていない≫のだ。
実際には、『ソロで1体討伐』すると……FA(最初の攻撃)ボーナス30%、本体100%、FB(トドメ)ボーナス20%の…『計150%分の経験値が得られる』。
よって初回遭遇ボーナス(300%)は、実は『ソロ討伐時(150%)の2倍』にしかなっていない、…というヤマコウトラップが。
まぁそれらを差し引いても、[スパデズ]2日目の俺の様に、「同じ事をしても『旨み』は無いのだから、初ボーナスも貰えるし、『見知らぬパーティ』に参加して、『初めての』ダンジョンにでも行ってみるか」…などと、プレイヤーの挑戦者魂や、開拓精神を促しているのは事実である。
後は、まぁイマサラどうでも良い事なのだが、俺達の『HPゲージ』について……、
『HPゲージ』は、≪こんな感じ≫である。
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0、50、100%は一目瞭然で、後は≪10%刻み≫で判別可能だ。半端なダメージだと、≪大体の目分量≫でしか分からなくなっている。
例の上図は『HP0で死亡』、下図の場合だと『約25%のダメージ』という感じだ。
困った事に食事効果などで≪100%以上に増えても≫、『増減分を含めて100%』として表示されるため、一時的にMAXHPが上昇している時などは、被ダメージ%や、回復量%が『変化』してしまい、よく混乱する。
MAXHP1000で100ダメージは、10%のダメージであるが、
MAXHP1000で食事効果などで50%UP、計MAXHP1500だと、100ダメージは、6~7%ダメージとなる。
またこの時、治癒スキルで≪300回復していた≫とすると、
通常は、30%回復で、食事効果中は、20%しか回復しない…という具合だ。
まぁそういった仕様であるため、ササミカツ丼の『MAXHP10%上昇効果』の時など、色々数値が上下して、わかりにくいかと思われるのだが、ご容赦願いたい。
最後に軽く、先ほど言った『印象操作・印象誘導』について……、
まぁ簡単に言うと『意図的に特徴を付けて』おいて、自分の都合によって特徴を変えて、『印象を操る』行為だ。
例えば、お昼の『wktkウォッチング』の司会をしていた、『グラサンのおじさん』みたいな感じである。意図的?に『特徴のある姿』をして周囲に印象付けておけば、目立ちたく無い時には、グラサンを外してマスクでもしていれば、おそらく『誰にも気付かれない』のでは無かろうか。(※個人の感想です。)
プロレスラーなどでも、『アントラーいのち』さんなどは、どこへ行っても気付かれてしまう事だろう。しかし覆面レスラー、例えば『虎覆面』さんが、
『虎覆面の姿』で、出歩いていれば多くの人に気付かれるだろうが、
『覆面を取り、素顔(すやまさとぅ姿)』で歩いていれば、『コアなファン』ぐらいにしか気付かれないだろう。(※個人の感想です。)
つまり通常時は『印象付ける』ため、出来るだけミケネコさんを連れて歩き、目立ちたく無い時には、『カードに収納してひっそり歩く』、…ただそれだけである。
†カムイ†に遭遇した時にミケネコさんを連れていれば、「ネコを連れたプレイヤー」と深く印象に残っただろうが、『収納していた』ので、彼が遭遇したのは…ただの逃げ腰の『みならい僧侶』であろう。
夜間でも、ネコを連れて歩いている人影があれば、シノブさん等はすぐ『俺』だと気付くかもしれないが、収納して歩いていれば、ただの『いち通行人』であろう。
『印象付けたい時』と、『目立ちたく無い時』で使いわけているわけだ。まぁ『目立ちたく無い時 = 危険』…な事が多いから、どちらにせよミケネコさんは収納するだろうが。一応は『そういう魂胆』があったりするんですよ? …という話だ。せこくない。
「目立ちたく無いと言いながら、目立つ事ばかりしてんじゃん」…という疑問がある方も居るかな? と思い解説してみた次第である。
納得出来ない方は、『ピエロ』をイメージしてみてもらいたい。「奇抜なメイク」、「派手な衣装」、「見事なジャグリング」、「優雅な玉乗り」…、『これでもか!』と目立つ特徴がある。
しかし いざ「本人の素顔、性格、年齢、名前は?」…と聞かれると、『何一つわからない』のだ。≪性別すらもあやふや≫である。『特徴だらけ』で『目立っている』様でいて、『誰よりも個人情報を秘匿している』…と言えるだろう。
視界の右下の方へ意識を向けると<04/05(金)AM 06:37>と表示されていた。う~ん、思ったほどは時間が経っていないな。探索募集にしろ、プレイヤーショップにしろ、やはり AM 09:00時頃から~というイメージがある。『24時間睡眠を取らなかったペナルティ』の延長にもなるし、一眠りしておくか…
「ミケネコ、少し仮眠を取る。AM 08:50ぐらいに起こしてくれ」
「ん~……、わかった~」
机の上で丸くなって ほぼ睡眠中だったミケネコに、とりあえずそう頼んでから、椅子からベッドに移動して横になる。するとミケネコさんも すぐ机を飛び降りて、ベッドに飛び乗り横になった俺の胸の上でまた丸くなった。
「――夏になると寝苦しくなりそうだな」、などと思いつつ眠りについた。
-------------------------------------------------------------------------
LV:10(非公開)
職業:みならい僧侶(偽装公開)(僧侶)
サポートペット:ミケネコ/三毛猫型(雌)
所持金:7,275G
武器:なし
防具:布の服
所持品:10/50 初心者用道具セット(小)、干し肉×24、バリ好きー(お得用)90%、樽(中)100%、コップ(木)、サクランボ×1、鋼のナイフ、鉄の斧、青銅のブーツ、賞金首の首輪[†カムイ†]懸賞金:94,000G
〔※1〕TJOにおいて、
『最初の攻撃』を、『ファーストアタック』(略されてFAと呼ばれている)という。そして『トドメの一撃』を、『フィニッシングブロウ』(略されてFBと呼ばれている)という。これらはどちらも討伐時に『経験値ボーナス』が加算され獲得できる。
戦国時代などにおいての『一番槍』や、『首級をあげる、首を取る、討ち取る』といった行為に相当する…と考えていただくとイメージしやすいかと思われる。
「特に話す事が無いので、全く関係の無い話なんだが」
「な~に~?」
「何も書かれていないが、『サクランボ』は取り出して観察したりしている」
「みてるやつ~?」
「あぁ、「サクランボを取り出す」、「変化が無い」、「放り込む」…と、それだけの作業なので、特に描写していないらしい。まぁ気にしている人が居るかも知れないから一応な」
「ふ~ん?」
「ところで…『サクランボ』をじっと見ていると、ゲシュタルト崩壊というか、『何か』が間違っている様な気がしてくる。桜、ンボ? 「ンボ」って何やねん。桜、んぼう? 「んぼう」とは一体? 咲く乱暴、錯乱…は何かが危ないっちゃね」
「さくらんぼ で、あってるよ~?」
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