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続.雪豹くんと魔王さま
2-47.雪豹の里③
「……あぁ、迎えが来たようね」
母が遠くを見つめる。どこか寂しそうな表情だった。
里のみんなの姿が消える。母が一人残り、スノウに手を伸ばした。触れられないけれど、抱きしめるように包みこんでくる。
「愛しいスノウ。あなたのこれからが幸せでありますように。みんなで見守っているわ」
(母様……!)
別れの気配を感じて、スノウは唇を噛み締めた。「一緒にいて!」という言葉が出かけたのだ。でも、それは言ってはならない言葉。
命なき者と共にいたいと望めば、引きずり込まれてしまう。
でも、母はそんなこと望んでいない。だって、スノウの幸せな未来を祈って、こんなに優しい顔をしているんだから。
「――スノウ!」
アークの呼び声が聞こえた。
その必死な響きに、思わず振り返る。
アークが背に翼を出して、滑空するように勢いよく近づいてきていた。
「……アーク!」
声が出る。
気づいた時には、スノウは一人、里の中で佇んでいた。眠っていた時の格好のままで、靴さえ履いていない。ちょっとつま先がかじかんできた。
母の気配はない。
どういうことなのだろう。
「スノウ、無事だったか……!」
「うん、大丈夫だけど、えっと……僕、どうしてここに……?」
夢だったはずだ。そうでなければ、母や里のみんなに会えるわけがない。
でも、アークに包まれて寝ていたスノウが、どうやって一人でここまで来られたのだろうか。
アークにぎゅっと抱きしめられて、その温かさに頬を寄せながらパチパチと目を瞬かせた。
「……突然、消えたんだ」
「消えたって……どうやって?」
「魔法の気配がした。それで、もしかしたら報告があった不審なものは、スノウをおびき寄せて攫うためのものだったのかと――」
「不審なものって、そんな報告があったんだ?」
アークの腕の中から顔を見上げた。しまった、と言いたげな表情に苦笑してしまう。
それがアークの隠し事か。スノウを傷つけないためのアークの優しさでもあったのだろう。
でも、雪豹の里に何か問題があったなら、すぐに言ってほしかった。このへんは、信頼を積み重ねるしかなさそうだけれど。
(あー……でも、こうして攫われて? アークからの信頼は減っちゃったかも……)
スノウに攫われた自覚はない。母や里のみんなと会っただけだ。
だから、いまいちアークの恐れが理解できなくて、「う~ん?」と首を傾げる。
「陛下、気配が消失しました」
「……追えなかったのか」
いつの間にか吸血鬼族が集っていた。みんな険しい表情だ。
アークの苦々しい声を受けて、ザッと頭を下げて「申し訳ありません」と謝罪する。
「――いや、俺でさえ、スノウが消えるまで、なんの危険も感じ取れなかったのだから仕方ない」
「消えた後は危険だと思ったの?」
思わず問いかける。スノウは全然危機感なんてなかったのだ。
アークは目を丸くした後、暫く考え込んだ。
「……いや、危険という感じはなかったな。ただ、急に傍から消えられたから、肝が冷えた」
自分自身の言葉を疑うような声だった。「なぜ、俺は危険だと思わなかった……?」と呟きながら、答えを求めてスノウを見つめてくる。
「……僕、母様や里のみんなと会っていたんだよ」
息を呑む音が聞こえた。吸血鬼族が動揺した様子でスノウに視線を向けている。
アークはじっとスノウを見下ろした。
その静かな眼差しを見つめ返しながら、スノウは口元に笑みを浮かべる。とても嬉しくて、温かくて、恋しくて――寂しい夢だった。
「僕のお話、聞いてくれる?」
「もちろん。だが、話すのは家に帰ってからだな。――お前たちは警戒に戻れ」
「……承知いたしました」
吸血鬼族が去っていく。真相を知りたい気持ちを抑え込んで職務に戻ったのだ。
彼らの背を見送ったスノウは、突然アークに抱き上げられて「みゃ!?」と驚いた。
「足が冷たくなっている。身体も冷えて……まったく、連れ出すにしても、もっとやりようがあっただろうに」
ふわりと身体が温もりで包まれた。
アークの体温だけではなくて、魔法で周囲の風が防がれて、お日様の下にいるような感じがする。ホッと安堵して、眠りたくなった。
「アークは……僕が夢を見ていただけだとは思わないの……?」
うつらうつらとしながら、ポツリと呟いた。
不審そうな吸血鬼族たちと違って、アークは一瞬でスノウの言葉を受け入れた。スノウ自身が夢だったのではないかと疑っているのに。
「俺は番の言葉を疑わない。……それに、夢だったとしても、スノウが幸せだったなら、それでいい。俺が文句を言うとしたら、一つだけだな」
「文句……? 母様たちに?」
予想外な言葉だった。
思わず目をパチリと開けて、アークを見つめる。アークは不満そうな表情で歩き始めた。
「そうだ。……連れて行くにしても、なぜ俺を残していった。共に連れて行けばいいだろうに」
「……僕だけしか連れていけなかったのかも?」
「それなら、『連れていきます。自力で迎えに来てください』程度の言葉はかけてほしい」
「ふふっ……すごく親切な誘拐だね」
「スノウの母君なら、それくらいの配慮はできるはず」
会ったこともないのに、母様への信頼が強い。
スノウはアークのめちゃくちゃな言い分に、クスクスと笑ってしまった。
アークは拗ねてこんなことを言っているんだろう。あと、肝を冷やされた不満も籠もっているのかもしれない。
(僕の寂しさを紛らわすための言葉遊び、っていうのが一番の理由なんだろうけど)
相変わらず、アークは優しい。スノウの少しだけ沈んだ心も一瞬ですくいあげてくれる。
(――母様。僕の番は、こんなに優しい人なんだよ。僕、幸せになる未来しかないね)
空を見上げてそっと語りかけたら、どこかから「そうね、素敵な番ができて、嬉しいわ」という言葉が聞こえてきた気がした。
母が遠くを見つめる。どこか寂しそうな表情だった。
里のみんなの姿が消える。母が一人残り、スノウに手を伸ばした。触れられないけれど、抱きしめるように包みこんでくる。
「愛しいスノウ。あなたのこれからが幸せでありますように。みんなで見守っているわ」
(母様……!)
別れの気配を感じて、スノウは唇を噛み締めた。「一緒にいて!」という言葉が出かけたのだ。でも、それは言ってはならない言葉。
命なき者と共にいたいと望めば、引きずり込まれてしまう。
でも、母はそんなこと望んでいない。だって、スノウの幸せな未来を祈って、こんなに優しい顔をしているんだから。
「――スノウ!」
アークの呼び声が聞こえた。
その必死な響きに、思わず振り返る。
アークが背に翼を出して、滑空するように勢いよく近づいてきていた。
「……アーク!」
声が出る。
気づいた時には、スノウは一人、里の中で佇んでいた。眠っていた時の格好のままで、靴さえ履いていない。ちょっとつま先がかじかんできた。
母の気配はない。
どういうことなのだろう。
「スノウ、無事だったか……!」
「うん、大丈夫だけど、えっと……僕、どうしてここに……?」
夢だったはずだ。そうでなければ、母や里のみんなに会えるわけがない。
でも、アークに包まれて寝ていたスノウが、どうやって一人でここまで来られたのだろうか。
アークにぎゅっと抱きしめられて、その温かさに頬を寄せながらパチパチと目を瞬かせた。
「……突然、消えたんだ」
「消えたって……どうやって?」
「魔法の気配がした。それで、もしかしたら報告があった不審なものは、スノウをおびき寄せて攫うためのものだったのかと――」
「不審なものって、そんな報告があったんだ?」
アークの腕の中から顔を見上げた。しまった、と言いたげな表情に苦笑してしまう。
それがアークの隠し事か。スノウを傷つけないためのアークの優しさでもあったのだろう。
でも、雪豹の里に何か問題があったなら、すぐに言ってほしかった。このへんは、信頼を積み重ねるしかなさそうだけれど。
(あー……でも、こうして攫われて? アークからの信頼は減っちゃったかも……)
スノウに攫われた自覚はない。母や里のみんなと会っただけだ。
だから、いまいちアークの恐れが理解できなくて、「う~ん?」と首を傾げる。
「陛下、気配が消失しました」
「……追えなかったのか」
いつの間にか吸血鬼族が集っていた。みんな険しい表情だ。
アークの苦々しい声を受けて、ザッと頭を下げて「申し訳ありません」と謝罪する。
「――いや、俺でさえ、スノウが消えるまで、なんの危険も感じ取れなかったのだから仕方ない」
「消えた後は危険だと思ったの?」
思わず問いかける。スノウは全然危機感なんてなかったのだ。
アークは目を丸くした後、暫く考え込んだ。
「……いや、危険という感じはなかったな。ただ、急に傍から消えられたから、肝が冷えた」
自分自身の言葉を疑うような声だった。「なぜ、俺は危険だと思わなかった……?」と呟きながら、答えを求めてスノウを見つめてくる。
「……僕、母様や里のみんなと会っていたんだよ」
息を呑む音が聞こえた。吸血鬼族が動揺した様子でスノウに視線を向けている。
アークはじっとスノウを見下ろした。
その静かな眼差しを見つめ返しながら、スノウは口元に笑みを浮かべる。とても嬉しくて、温かくて、恋しくて――寂しい夢だった。
「僕のお話、聞いてくれる?」
「もちろん。だが、話すのは家に帰ってからだな。――お前たちは警戒に戻れ」
「……承知いたしました」
吸血鬼族が去っていく。真相を知りたい気持ちを抑え込んで職務に戻ったのだ。
彼らの背を見送ったスノウは、突然アークに抱き上げられて「みゃ!?」と驚いた。
「足が冷たくなっている。身体も冷えて……まったく、連れ出すにしても、もっとやりようがあっただろうに」
ふわりと身体が温もりで包まれた。
アークの体温だけではなくて、魔法で周囲の風が防がれて、お日様の下にいるような感じがする。ホッと安堵して、眠りたくなった。
「アークは……僕が夢を見ていただけだとは思わないの……?」
うつらうつらとしながら、ポツリと呟いた。
不審そうな吸血鬼族たちと違って、アークは一瞬でスノウの言葉を受け入れた。スノウ自身が夢だったのではないかと疑っているのに。
「俺は番の言葉を疑わない。……それに、夢だったとしても、スノウが幸せだったなら、それでいい。俺が文句を言うとしたら、一つだけだな」
「文句……? 母様たちに?」
予想外な言葉だった。
思わず目をパチリと開けて、アークを見つめる。アークは不満そうな表情で歩き始めた。
「そうだ。……連れて行くにしても、なぜ俺を残していった。共に連れて行けばいいだろうに」
「……僕だけしか連れていけなかったのかも?」
「それなら、『連れていきます。自力で迎えに来てください』程度の言葉はかけてほしい」
「ふふっ……すごく親切な誘拐だね」
「スノウの母君なら、それくらいの配慮はできるはず」
会ったこともないのに、母様への信頼が強い。
スノウはアークのめちゃくちゃな言い分に、クスクスと笑ってしまった。
アークは拗ねてこんなことを言っているんだろう。あと、肝を冷やされた不満も籠もっているのかもしれない。
(僕の寂しさを紛らわすための言葉遊び、っていうのが一番の理由なんだろうけど)
相変わらず、アークは優しい。スノウの少しだけ沈んだ心も一瞬ですくいあげてくれる。
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