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264.祝いを贈る者
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すぐさま会うと決めたサミュエルに従い、ノアは面会の支度を整えながら話を聞く。
「サージュ様とは、どのようなお知り合いのですか?」
「ノアも名前は知っているはずだよ。私が幼い頃預けられていた、偏屈な研究者だ」
「……あ、もしかして、あの研究書の?」
「そう。そして、幼い私に、ノアとの出会いを示唆した人」
驚きのあまり、ノアは動きを止める。まさか、会うことができるなんて思わなかったのだ。
「……未だに交流していらっしゃったのですね?」
「いや。あの人の書物の類はうちで管理しているけど、どこに滞在しているかは長く掴めなくて、もう死んだものかと思っていたよ」
「それはそれで、ちょっと……」
なんともドライな感想に、ノアは苦笑してしまう。
でも、こうしてすぐに会うことを決めたくらいには、サミュエルはサージュに情を抱いているのだろう。基本的にサミュエルは、ノア以外に対して感情を動かすことがないから。
「……まったく。来るなら来るで、事前連絡くらいすればいいものを。そもそも、消息を絶つのもどうなんだ」
呆れた顔でサミュエルが呟く。ノアはその頬に手を伸ばして、軽くつまんだ。きょとんとした顔でサミュエルがノアを見下ろす。
「事情は存じ上げませんが、久々の再会なのでしたら、もう少し穏やかな表情で迎え入れるべきだと思いますよ」
「……そんなことを気にするような人ではないと思うけどね」
サミュエルが肩をすくめながら苦笑する。でも、眉間の皺がなくなっているので、少しは鬱憤もおさまったらしい。
ノアはそれで良しとして、微笑む。同時に扉がノックされる音がした。
「お連れしました」
「どうぞ」
応えた途端、扉がバンッと開かれる。予想外の激しさに、ノアは目を丸くした。ロウが咄嗟にノアたちを庇うように前に立つ。
「クソガキよ。祝いに来たぞ」
「……あなたは、落ち着きというものを、覚えてはいかがか?」
サミュエルがノアの横で額を押さえて顔を俯ける。少し疲れた雰囲気が声に滲んでいた。
ノアはロウの背中に隠されて見えない相手に感心する。サミュエルにこんな態度を取らせるなんて、ある意味すごい。
「ん? 嫁御は何処に」
「ここに。……嫁では、ないですけど」
ロウに下がってもらって、ようやく相手の姿が見えた。初老ほどの見目の男性だ。想像していたより若くて驚く。
「おお。クソガキが世話になっている。私はサージュ。しがない旅人だ」
「僕はノアです。サミュエル様には、僕の方がお世話になっていて――旅人……?」
とりあえず挨拶を交わすも、サージュの言葉が気になって首を傾げてしまった。サージュは僅かに目を細め、口元を歪める。
「しかり。儂は旅するのが本来の在り方。万物を見極めるのが務めである」
「はぁ……研究者では、ないのですか?」
よく分からない返事に、ノアが質問を重ねると、サージュは頷いて鞄をソファに投げ置いた。
「務めの一部ではある」
「そうなのですね……?」
戸惑ってサミュエルに視線を向けると、肩をすくめられた。どうやらサージュのこの言動は昔から変わらないようだ。
「それで、何を持ってこられたので?」
サミュエルが視線を荷物に向けながら尋ねた。
「祝いの品に決まっておろう。良き未来を勝ち取った弟子への餞だ。すでに判別しうる未来の道は消えた。お前は定かではない未来を歩き続けることになる」
「……ふ~ん。では、ありがたく、いただいておきます」
「ああ。遠慮はいらん」
目を細めて怪訝そうにしながらもサミュエルが頷くと、サージュが鞄を開いて何かを取り出す。
「……羅針盤?」
サミュエルに投げ渡されたのは、手のひら大の羅針盤だった。精緻な細工が施されていて、一級品だろう。でも、結婚の祝いに渡されるものではない気がする。
(あ、でも、餞といったら、旅に出る人に贈られるものだから、間違ってはない……? サミュエル様は遠方に赴かれる予定はないけど)
首を傾げるノアに、サージュが声をかける。
「嫁御にはこれだ」
「嫁ではないですけど……これは?」
定着しそうな雰囲気の呼び名に苦笑しながら、サージュから渡された物を見下ろす。
それは、美しい翠と紫の宝石が使われたブレスレットだった。一目で高価な品だと分かる。贈り物としては羅針盤より適しているけれど、価値を考えるとやはり相応しくない感じがした。
「縁繋ぎの腕輪だ。捻れた運命は、時に反動をもたらす。二人が恙無くあるためには必要だろう」
「……ありがとうございます」
よく理解できないまま、とりあえず礼を告げて受け取る。
ふと、サージュが未来を知っているかのような言葉で、サミュエルをノアとの出会いへと導いたという話を思い出した。そして、アシェルたちが知る、この世界のシナリオについても。
「――もしかして、あなたも、前世の記憶があるのですか?」
ノアが思わず問い掛けると、サージュは片眉を上げて口元を歪めた。サミュエルは羅針盤を両手で転がしながら、静かにノアたちの会話を見守っている。
「いや。だが、そのような存在がいることは知っている。埒外が生まれるのもまた、いずこかで生じた反動であろうな」
「すみません、おっしゃっていることが、よく分からなくて……」
「知る必要がないことに、むやみに首を突っ込まないことだ。幸福を守りたければ、己の意志のみを信じて未来へ歩むべきだろう」
返答を拒否するような態度に、ノアは返す言葉を失う。気になることは山ほどある。でも、それを知ることと引き換えに、今ある幸福を失うのは嫌だ。
「この羅針盤についての解説はないのですか」
僅かな沈黙を破り、サミュエルが問い掛ける。そちらへ視線を移したサージュは、頬を釣り上げるようにして笑った。
「ハッハッハッ。甘えるな。知るべきことは全て教えた。そこから何を得るかは、お前次第だ」
「相変わらず、厳しいですね。そんな感じだから、偏屈だと言われるのですよ」
「頭が固い者の愚かな言葉だな」
「……まぁ、あなたなら、そうおっしゃると思っていましたが」
サミュエルが諦めた様子で肩をすくめる。その後、サージュを見据えて、作り物の笑みを浮かべた。
「――おまけで、一つだけ教えてください。……あなた、今、おいくつですか?」
「……え?」
わざわざ聞くようなことなのだろうかと、ノアは目を丸くした。でも、サミュエルが真剣な眼差しであることに気づいて、口を噤み、サージュに視線を移す。
「さて……あまりに長く生きすぎて、忘れてしまったよ」
ノアたちの視線を受けたサージュが、愉快そうにニヤリと笑った。
「サージュ様とは、どのようなお知り合いのですか?」
「ノアも名前は知っているはずだよ。私が幼い頃預けられていた、偏屈な研究者だ」
「……あ、もしかして、あの研究書の?」
「そう。そして、幼い私に、ノアとの出会いを示唆した人」
驚きのあまり、ノアは動きを止める。まさか、会うことができるなんて思わなかったのだ。
「……未だに交流していらっしゃったのですね?」
「いや。あの人の書物の類はうちで管理しているけど、どこに滞在しているかは長く掴めなくて、もう死んだものかと思っていたよ」
「それはそれで、ちょっと……」
なんともドライな感想に、ノアは苦笑してしまう。
でも、こうしてすぐに会うことを決めたくらいには、サミュエルはサージュに情を抱いているのだろう。基本的にサミュエルは、ノア以外に対して感情を動かすことがないから。
「……まったく。来るなら来るで、事前連絡くらいすればいいものを。そもそも、消息を絶つのもどうなんだ」
呆れた顔でサミュエルが呟く。ノアはその頬に手を伸ばして、軽くつまんだ。きょとんとした顔でサミュエルがノアを見下ろす。
「事情は存じ上げませんが、久々の再会なのでしたら、もう少し穏やかな表情で迎え入れるべきだと思いますよ」
「……そんなことを気にするような人ではないと思うけどね」
サミュエルが肩をすくめながら苦笑する。でも、眉間の皺がなくなっているので、少しは鬱憤もおさまったらしい。
ノアはそれで良しとして、微笑む。同時に扉がノックされる音がした。
「お連れしました」
「どうぞ」
応えた途端、扉がバンッと開かれる。予想外の激しさに、ノアは目を丸くした。ロウが咄嗟にノアたちを庇うように前に立つ。
「クソガキよ。祝いに来たぞ」
「……あなたは、落ち着きというものを、覚えてはいかがか?」
サミュエルがノアの横で額を押さえて顔を俯ける。少し疲れた雰囲気が声に滲んでいた。
ノアはロウの背中に隠されて見えない相手に感心する。サミュエルにこんな態度を取らせるなんて、ある意味すごい。
「ん? 嫁御は何処に」
「ここに。……嫁では、ないですけど」
ロウに下がってもらって、ようやく相手の姿が見えた。初老ほどの見目の男性だ。想像していたより若くて驚く。
「おお。クソガキが世話になっている。私はサージュ。しがない旅人だ」
「僕はノアです。サミュエル様には、僕の方がお世話になっていて――旅人……?」
とりあえず挨拶を交わすも、サージュの言葉が気になって首を傾げてしまった。サージュは僅かに目を細め、口元を歪める。
「しかり。儂は旅するのが本来の在り方。万物を見極めるのが務めである」
「はぁ……研究者では、ないのですか?」
よく分からない返事に、ノアが質問を重ねると、サージュは頷いて鞄をソファに投げ置いた。
「務めの一部ではある」
「そうなのですね……?」
戸惑ってサミュエルに視線を向けると、肩をすくめられた。どうやらサージュのこの言動は昔から変わらないようだ。
「それで、何を持ってこられたので?」
サミュエルが視線を荷物に向けながら尋ねた。
「祝いの品に決まっておろう。良き未来を勝ち取った弟子への餞だ。すでに判別しうる未来の道は消えた。お前は定かではない未来を歩き続けることになる」
「……ふ~ん。では、ありがたく、いただいておきます」
「ああ。遠慮はいらん」
目を細めて怪訝そうにしながらもサミュエルが頷くと、サージュが鞄を開いて何かを取り出す。
「……羅針盤?」
サミュエルに投げ渡されたのは、手のひら大の羅針盤だった。精緻な細工が施されていて、一級品だろう。でも、結婚の祝いに渡されるものではない気がする。
(あ、でも、餞といったら、旅に出る人に贈られるものだから、間違ってはない……? サミュエル様は遠方に赴かれる予定はないけど)
首を傾げるノアに、サージュが声をかける。
「嫁御にはこれだ」
「嫁ではないですけど……これは?」
定着しそうな雰囲気の呼び名に苦笑しながら、サージュから渡された物を見下ろす。
それは、美しい翠と紫の宝石が使われたブレスレットだった。一目で高価な品だと分かる。贈り物としては羅針盤より適しているけれど、価値を考えるとやはり相応しくない感じがした。
「縁繋ぎの腕輪だ。捻れた運命は、時に反動をもたらす。二人が恙無くあるためには必要だろう」
「……ありがとうございます」
よく理解できないまま、とりあえず礼を告げて受け取る。
ふと、サージュが未来を知っているかのような言葉で、サミュエルをノアとの出会いへと導いたという話を思い出した。そして、アシェルたちが知る、この世界のシナリオについても。
「――もしかして、あなたも、前世の記憶があるのですか?」
ノアが思わず問い掛けると、サージュは片眉を上げて口元を歪めた。サミュエルは羅針盤を両手で転がしながら、静かにノアたちの会話を見守っている。
「いや。だが、そのような存在がいることは知っている。埒外が生まれるのもまた、いずこかで生じた反動であろうな」
「すみません、おっしゃっていることが、よく分からなくて……」
「知る必要がないことに、むやみに首を突っ込まないことだ。幸福を守りたければ、己の意志のみを信じて未来へ歩むべきだろう」
返答を拒否するような態度に、ノアは返す言葉を失う。気になることは山ほどある。でも、それを知ることと引き換えに、今ある幸福を失うのは嫌だ。
「この羅針盤についての解説はないのですか」
僅かな沈黙を破り、サミュエルが問い掛ける。そちらへ視線を移したサージュは、頬を釣り上げるようにして笑った。
「ハッハッハッ。甘えるな。知るべきことは全て教えた。そこから何を得るかは、お前次第だ」
「相変わらず、厳しいですね。そんな感じだから、偏屈だと言われるのですよ」
「頭が固い者の愚かな言葉だな」
「……まぁ、あなたなら、そうおっしゃると思っていましたが」
サミュエルが諦めた様子で肩をすくめる。その後、サージュを見据えて、作り物の笑みを浮かべた。
「――おまけで、一つだけ教えてください。……あなた、今、おいくつですか?」
「……え?」
わざわざ聞くようなことなのだろうかと、ノアは目を丸くした。でも、サミュエルが真剣な眼差しであることに気づいて、口を噤み、サージュに視線を移す。
「さて……あまりに長く生きすぎて、忘れてしまったよ」
ノアたちの視線を受けたサージュが、愉快そうにニヤリと笑った。
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