オタクだったはずなのに

桜花

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転校生と仲良くなりたい

第9話

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「杏ちゃんどーゆーことなん!?」
授業が終わり、放課後になった誰もいない教室で叫ぶ。
必死に質問を投げかける私と、えへへ…と苦笑いな杏ちゃん。
杏ちゃん可愛い…。
いや可愛いけど!今はそれちゃうねん!

「苦笑いするんちゃうねん。説明してーや。」
ムムっと眉を寄せて、怒ってる顔をすると、杏ちゃんは少し慌てて申し訳なさそうな顔になる。

「ご、ごめん…あの…昨日係決めをしたんやけど…委員長誰もしたないって言うて、ほな、くじ引きやなって話になって…私が自分の引いたあとに花ちゃんの引いたんよ。そしたら、当たっちゃった。」
途中からてへって顔になって話す杏ちゃん。
いや、「てへっ☆」ちゃうねん!
可愛いけどな!可愛いのは認めるねんけど!
というかくじできめたってことは…
「聖くんもくじであたったってことやな?」
杏ちゃんは、大きく頷いて、
「せやせや。めっちゃ運命的やな。青春~!」
と、また少女漫画思考になっている。

いやちゃう…恋愛的で好きちゃうし!
そやけど…私もいつまでたってもくよくよしてたらあかんな。
腹くくらな。
なってしまったもんはしゃーないし。
元はと言えば気ぃ失った私が悪いよな…。
推しが近くで拝められるって思えば、聖くんと同じなのもラッキーやし!
「しゃーない。私、学級委員頑張るわ!」
拳を握りしめて気合を入れる。
杏ちゃんはそんな私を見て、
「さすが花ちゃんや!」
と、目をきらきらさせて、応援してくれた。
やっぱり杏ちゃんは可愛い。
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