十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います

塔原 槇

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第二章 俺の幼馴染は御曹司でポンコツで

二十一話

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「おはようしゅん兄ちゃん!もう少しでご飯できるよ!」


 見ると、二人分の目玉焼きとトーストが用意されていた。


「簡単なのしか作れないけど……」

「……いや、ありがとう、麗音、いつも作ってんのか?」

「たまにね。今日は早く目が覚めちゃったから」


 そう返しつつ、麗音はベーコンを皿に乗せた。


「あっ、自分の分は持ってってね!」

「わーったよ」


 俺は少しだけ形の崩れたほうを手に取ろうとした。

すると、麗音がその手を遮った。


「違う!しゅん兄ちゃんのはこっち!」


 はい!と渡されたのは、もう一つの綺麗に焼き上がったほう。


「これはしゅん兄ちゃんの為に焼いたんだから、こっち食べて!」

「え、いや、俺は」


 いいから、と強引に皿を交換させられた。

 そのままテーブルに着く。


「はい、いただきます!」

「い、いただきます」


 目玉焼きを箸で切り分け、一口食べる。


「……麗音、お前味付けしたか?」

「えっ?」


 目玉焼きは素材そのままの味だった。


「ごめん!塩こしょう持ってくるね」


 ドタドタとキッチンに戻る麗音。

 私生活でも抜けてんだなあ、と思いつつ淹れてくれたコーヒーを飲むと。


「……にっが!!お前これ、コーヒーの苦さじゃねえぞ!」

「えっ、俺はそれくらいが一番好きなんだけど」


 麗音が俺の目玉焼きに塩こしょうを振りながら答えた。

 どうやら、二十年の空白を埋めるのは予想以上に時間がかかりそうだ。


「はいお待たせ、これで大丈夫なはず」

「ああ、ありがとう、色々いって悪かった」

「ううん、大丈夫だよ」


 そうして俺達は朝食を再開した。



 食事が終わり、麗音が薄めてくれたコーヒーを飲む。


 まだ出勤時間まで余裕がある。

 こんな朝は初めてだ。

 俺の向かいでコーヒーを飲んでいた麗音がカップを置いた。


「しゅん兄ちゃん、お話があります」


 思わず俺も姿勢を正す。


「……俺と、一緒に暮らしてください!」

「……はああ!?」
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