十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います

塔原 槇

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第三章 同居開始で溺愛されてます

三十四話

 麗音の寝室に入ると、リネンの爽やかな匂いがした。


「しゅん兄ちゃん、こっち来て」


 先にベッドに入った麗音が掛け布団をめくって手招きする。

 用意してくれたそのスペースに入ると、麗音と体が触れた。


「ふふ、お昼寝するのも久しぶりだね」

「そうだな」


 麗音の面倒を見ていた時は、よく昼食の後に昼寝していたのを思い出した。


「あったかいね」


 そう言いながら麗音は俺にくっついてくる。

 重てえよ、と俺達は笑い合う。


「ねえ、しゅん兄ちゃん」


 麗音の長い腕が、俺の体に伸びる。


「このまま、お昼寝したいな」


 麗音の鼓動が、耳元で鳴り響く。

 すう、はあ、と吐息が聞こえる。


「……こっ、このまま!?」

「うん、ぎゅーってして、寝たい……」


 そのまま麗音は瞼を閉じてすうすうと寝息を立ててしまった。

 俺は寝るなんてできる訳が無い。

 ベッドで男に抱きかかえられるなんて、こんなの……


(愛してるよ、俊太郎)


 だめだ、だめだ。

 雄介のことを思い出すのはだめだ。

 今俺を抱きかかえて寝ているこいつは俺の幼馴染の麗音なんだ。

 そういう気持ちは、持っちゃだめだ……!


「ふふ、しゅん兄ちゃん……」


 麗音が寝言を言った。

 びくりと体が震える。


「しゅん兄ちゃん、大好き……愛してる」


 ……え?
 

 



感想 1

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