十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います

塔原 槇

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第六章 突然の別れ

百十三話

「おはようございます!」

 9:30。

 俺は会社に到着した。

 フロアがどよめく。


「どうしたんだ兎山、確か退職って……」

「すみません部長、引き継ぎしてなくて!今から引き継ぎ資料作ってもいいですか!?」


 俺はデスクに向かいながら部長に宣言する。

 俺の気迫に押された部長は、


「あ、ああ……分かった」


 と了承してくれた。

-
 PCの電源を入れ、営業データの入っているサーバーへログインする。

 そこには、過去何万件もの取引データが入っていた。


(流石に多いな……)


 鷲見さんに手伝ってもらっているとはいえ、ここから調べていくのは骨が折れる作業だ。

 ……今までの俺ならな。

 俺はラインで鷲見さんに連絡する。

『鷲見さん、この十年で取引があった「結婚式場」は何件ですか?』

 すぐに既読が付く。

『145件です、関東だけでも70件、東京に絞ると35件』

『ありがとうございます!』

 次いで、各式場のリストが送られてきた。

『直近だと〇〇区のホースシューチャペルが取り引きありますが、まさか今から一件ずつ周るおつもりですか?』

『そのまさかですよ』

 俺はPCの電源を落とすと出入口へ向かった。


「皆さん、突然辞めてすみません!お世話になりました!」

 そう叫んだ後、到着したエレベーターに俺は飛び乗った。

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