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第2作 アオハル・イン・チェインズ 桜の朽木に虫の這うこと(二)
第44話 青写真
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同時刻、音楽室
氷潟夕真が入室すると、ピアノの椅子にちょこんと座った刀子朱利が、拍子抜けをさせるように手を挙げた。
「は~い、夕真」
「朱利、こんな時間にこんなところに呼び出したりして、いったい何の用だ?」
彼女は手を組みながらニヤニヤした。
「あんたの考えてること、当ててあげようか? ウツロと戦いたくてうずうずする、そうでしょう?」
「……!」
心を見透かされる意趣返しに、彼はドキッとした。
「一見めそめそしてるくせに実は強いやつ、そんなやつをひねりつぶしてやりたい。はっ、あんた、昔からそういうとこあるじゃん?」
「やつらはいま、固まって動いている。俺たちや万城目日和を警戒してるんだろう。もう一度真田をさらうのは難しいな……」
氷潟夕真は少し間を置いてから答えた。
その内容は刀子朱利の考えを読んだものだった。
「あはっ、理解が早いよね、さすが」
彼女はケラケラと笑った。
「何が言いたいんだ、朱利?」
「難しくないってことだよ、つまりね。これ、見て。ほんの30分前まで、ここでおこなわれてたこと」
「……」
刀子朱利は携帯の端末を氷潟夕真にかざした。
そこには絡み合う二人の少女の映像が。
特徴は銀色のメタルフレームの眼鏡、そして黄色いカチューシャ。
「さ、真田さんにはまたつきあってもらいましょ? きゃはっ、きゃははっ!」
音楽室の中に甲高い笑い声が響きわたった――
氷潟夕真が入室すると、ピアノの椅子にちょこんと座った刀子朱利が、拍子抜けをさせるように手を挙げた。
「は~い、夕真」
「朱利、こんな時間にこんなところに呼び出したりして、いったい何の用だ?」
彼女は手を組みながらニヤニヤした。
「あんたの考えてること、当ててあげようか? ウツロと戦いたくてうずうずする、そうでしょう?」
「……!」
心を見透かされる意趣返しに、彼はドキッとした。
「一見めそめそしてるくせに実は強いやつ、そんなやつをひねりつぶしてやりたい。はっ、あんた、昔からそういうとこあるじゃん?」
「やつらはいま、固まって動いている。俺たちや万城目日和を警戒してるんだろう。もう一度真田をさらうのは難しいな……」
氷潟夕真は少し間を置いてから答えた。
その内容は刀子朱利の考えを読んだものだった。
「あはっ、理解が早いよね、さすが」
彼女はケラケラと笑った。
「何が言いたいんだ、朱利?」
「難しくないってことだよ、つまりね。これ、見て。ほんの30分前まで、ここでおこなわれてたこと」
「……」
刀子朱利は携帯の端末を氷潟夕真にかざした。
そこには絡み合う二人の少女の映像が。
特徴は銀色のメタルフレームの眼鏡、そして黄色いカチューシャ。
「さ、真田さんにはまたつきあってもらいましょ? きゃはっ、きゃははっ!」
音楽室の中に甲高い笑い声が響きわたった――
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