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泣かないで愛しいひと 1
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和さん、こと、瀬戸和成については、戸井千夏は大概のことは驚かない自信があった。
年が二桁になる前から子役として舞台に立っていたという和成と、大学を出て劇団に入った千夏は少しばかり立場が違うが、大学の頃からの先輩後輩で、二つ年上の彼が、同性の千夏に告白してきたときも、大して驚きはしなかった。
そもそもそういう噂の付きまとうひとであったし、色素の薄いきれいな顔立ちは中性的で、男女どちらでも確かにいけそうだった。
「彼女がいるから無理です」と答えたら、「俺が男だから無理ですじゃないなんて、戸井くんは良い子だね」と微笑まれたのを覚えている。
それ以降千夏は和成に付いて、気にするようになったのだが、付き合う男付き合う男、いわゆる駄目男で、このひとにはなにかセンサーでも付いているのかと疑ってしまう。
付き合ったと思ったら相手に恋人がいてしかも妊娠していたとか、今度はまともに思えたのに借金持ちで和成に金の無心を始めたとか、顔と演技しか取り柄がないのに殴ろうとするとか、挙句の果てには和成に売りをやらせて金を稼ごうとした不埒ものまでいた。
「和さん、だめ男を吸い付ける掃除機かコロコロなんじゃないですか?」
「やめてよね、俺だって、好きで駄目男引っ掛けてるわけじゃないよ」
うんざりという表情で、伊達メガネをかけて薄い色の瞳を隠す和成は、髪も目も琥珀色に近いくらいに色素が薄く、肌も白かった。長身でそこそこ鍛えてはいるはずなのに、ひょろりとした印象で、女物の衣装もよく似合う。中世的なユニセックスな役者として、和成はそこそこに名も売れていた。
「前の男とは別れたんでしょ……次はどうなんです?」
別れたというか、千夏が脅しをかけて別れさせたのだが、それは和成には内緒にしておく。大学から十年、千夏はいつの間にか和成の保護者代わりのようなことをさせられていた。
それだって、この男が千夏の書く台本を忠実に再現してくれる表現者であるから、単純に傷付けられたら舞台に立てなくて困るから、というのが最初だった。
「次は……かっこいいよ?」
くふっと笑った和成に、千夏は眉根を寄せる。そういう抽象的な表現をするとき、大抵……いや、今まで和成が付き合った男でまともなのは一人もいなかったから、絶対に危ないのだ。
「呼んでくださいよ」
まともな男ならば呼べるだろうと、酒のグラスを干すと、目の据わった千夏に、和成はカバンから金色の懐中時計を取り出した。
「呼ぶにはちょっと時間が遅いかも……」
「……待って。すごく嫌な予感がするんですけど」
「多分、彼、寝てるし、平日は学校だから、休日の早い時間でもいいかな?」
長い付き合いで分かっているのか、和成が千夏に恋人を隠したことはなかった。だから、今回も当然紹介の流れとなるのだろうが、話の中に出てくる単語が不穏でしかない。
「まさか、高校生……いや、せめて、大学生、ですよね?」
「あー……ちゃんと何年生か聞いてないけど、十歳って言ってたわ」
あっさりと答えた先輩に、後輩はテーブルに崩れ落ちたのだった。
もう会わないでほしい。
マンションの玄関先でインターフォンから聞こえた声に、和成はしばらくその場に立ち尽くしていた。白いワンピースにレース柄の日傘。一緒に歩くときには、男と歩いているなんて思われたくないと言われて、特に抵抗なく女性物の服を選んだ。
そのうちに一緒に歩くことも少なくなって、会えばホテルに直行か、彼の家でベッドに直行で、することが終われば身支度を整えて帰るだけ。そろそろ終わるのかもしれないと和成も思っていた。
蝉しぐれの中、焼けたアスファルトをサイズの合わないミュールがかつんかつんと踵を鳴らす。足が痛くなって、公園で一休みしようとベンチに座ったら、妙に自分が情けなくて、涙が出た。
声もなく泣いていると、小さな黒い双眸が覗き込んでくる。小さな両手に買ったばかりで汗をかいた冷えたペットボトルを差し出して。
「こげん暑いとに、泣きよったら、からっからになるよ?」
「これ、俺に?」
差し出されたペットボトルを受け取ると、それはまだ蓋が開けられていなかった。わざわざ自分のために買いに行ったのかと問いかける間もなく、足元にしゃがみ込んだその子が、ひょいと和成のミュールを脱がせてしまう。
「豆ができとるやん。絆創膏はっとき?」
差し出された絆創膏も受け取って茫然としていると、その子は首を傾げた。
「開けきらんと?」
役者は体力仕事だから腕力にも体力にも自信はあるが、ペットボトルを取り上げて蓋を開けてくれる姿が眩しくて、受け取って飲むと、和成はどれだけ自分が乾いていたのかを知った。ほろほろと零れる涙に、ポケットからハンドタオルを出して、その子は押し付けて、次はしゃがみ込んで和成の足に絆創膏を貼ってくれる。
「きれいな顔しとっちゃけん、泣いとったらいかんよ? 変な人に声かけられるけね」
「ありがとう……」
「俺やったら泣かせんっちゃけどね」
「本当?」
女装して、汗と涙で化粧もぼろぼろで、年も三十路、その子が和成を抱き締めて愛してくれるまでには、これから何年もかかるし、きっとそれまでには好きな子を見つけて去って行くのだと分かっているのに、問いかけてしまって、自分の迂闊さに和成は苦笑した。
驚いたのかその子は駆けて逃げて行ってしまったし、ペットボトルの代金とハンドタオルだけでも返そうとベンチに置いたら、走って戻ってきたその子は少ししおれかけたタンポポを数本持っていた。
「俺、坂上陽太、十歳! あなたは?」
「瀬戸和成、三十歳……」
そのしおれかけたタンポポを和成は大事に持って帰った。
どちらかといえば、千夏は和成の味方をしてくれる。和成が惚れたのであれば、それなりに相手に敬意を払ってくれるし、和成が危なくなれば話も付けてくれる。しかし、相手が十歳というのには言葉を失ったようだった。
公園で泣いていただけなのに、陽太は和成にペットボトルのお茶をくれた。きっと走って買ってきたのだ。それから、足に絆創膏を貼ってくれた。最後には「俺やったら泣かせん」と言って、タンポポをくれた。
お金を持っているからとか、抱かせてくれるからとかではなく、何も求めずにこういうことをされた経験が和成にはなかった。だから、あの子が大きくなって、ちょっと好きになる相手を間違えたと気付くまで、一緒にいてもいいかもしれないと思ったのだが、千夏はそれほど甘くなかった。
「和さん、十歳の子は抱いてもくれないし、和さんが我慢できるはずないですよ」
「そうだよね、俺、下半身緩いから」
そのせいで碌でもない男に付け込まれるのだと笑うと、笑い事ではないと千夏はため息を吐く。戸井千夏を劇団に引き入れたのは、大学を出る頃には劇団の看板役者になっていた和成で、千夏は演出をやりたがっていたが、その整った顔と長身、存在感に、役者をやらせたら人気が出てしまって、演出をやりながら役者をやらされるという状況に陥っている。それが本人は不本意らしいが、和成は一緒に舞台に立てるので喜ばしく思っていた。
「まだ、俺に未練があるとか言わないでくださいよ」
「ないよ。婚約者がいる男となんて、正にドロドロで最悪じゃないか」
冗談じゃないと笑い飛ばすと、一瞬懐疑的な眼差しを向けられたが、すぐに千夏は次のグラスを頼んで、ツマミのピスタチオの殻を剥く。
「和さん、ちゃんと食べてます?」
「ぼちぼちね」
「男には作るくせに、別れると途端にずさんになるんだから」
駄目男吸引機の和成を千夏は心配してくれていると分かっているのだが、千夏は和成を抱き締めてくれることはないし、一緒の部屋に帰って和成の作った料理を食べることもない。それだから、関係が壊れずに続いているのだが、時折、和成は無性に寂しくなることがあった。
舞台の上で演じている役者としての和成を、千夏もファンも必要としてくれる。でも、それ以外の和成に価値があるのか、和成にも分からない。
抱かれたり、お金を求められたりするのは、すごく簡単で分かりやすい。和成もいい年だから、抱かれる方としてはとうが立っていて、お金を出さないとそちらをしてもらえないことがある。そういう関係は、明瞭でちゃんと支払えばそれだけの労力を払ってくれる。
陽太との間には、お金もセックスも存在しない。
むしろ、和成の方がペットボトル一本と絆創膏二枚分、陽太に借りがある。
「大人になる過程で、同性を間違って好きになっちゃうとか、あるわけじゃないですか」
千夏の言う通りなのだろうけれど、下半身が我慢できる限りは、和成は陽太と付き合ってみようと決めたのだった。
年が二桁になる前から子役として舞台に立っていたという和成と、大学を出て劇団に入った千夏は少しばかり立場が違うが、大学の頃からの先輩後輩で、二つ年上の彼が、同性の千夏に告白してきたときも、大して驚きはしなかった。
そもそもそういう噂の付きまとうひとであったし、色素の薄いきれいな顔立ちは中性的で、男女どちらでも確かにいけそうだった。
「彼女がいるから無理です」と答えたら、「俺が男だから無理ですじゃないなんて、戸井くんは良い子だね」と微笑まれたのを覚えている。
それ以降千夏は和成に付いて、気にするようになったのだが、付き合う男付き合う男、いわゆる駄目男で、このひとにはなにかセンサーでも付いているのかと疑ってしまう。
付き合ったと思ったら相手に恋人がいてしかも妊娠していたとか、今度はまともに思えたのに借金持ちで和成に金の無心を始めたとか、顔と演技しか取り柄がないのに殴ろうとするとか、挙句の果てには和成に売りをやらせて金を稼ごうとした不埒ものまでいた。
「和さん、だめ男を吸い付ける掃除機かコロコロなんじゃないですか?」
「やめてよね、俺だって、好きで駄目男引っ掛けてるわけじゃないよ」
うんざりという表情で、伊達メガネをかけて薄い色の瞳を隠す和成は、髪も目も琥珀色に近いくらいに色素が薄く、肌も白かった。長身でそこそこ鍛えてはいるはずなのに、ひょろりとした印象で、女物の衣装もよく似合う。中世的なユニセックスな役者として、和成はそこそこに名も売れていた。
「前の男とは別れたんでしょ……次はどうなんです?」
別れたというか、千夏が脅しをかけて別れさせたのだが、それは和成には内緒にしておく。大学から十年、千夏はいつの間にか和成の保護者代わりのようなことをさせられていた。
それだって、この男が千夏の書く台本を忠実に再現してくれる表現者であるから、単純に傷付けられたら舞台に立てなくて困るから、というのが最初だった。
「次は……かっこいいよ?」
くふっと笑った和成に、千夏は眉根を寄せる。そういう抽象的な表現をするとき、大抵……いや、今まで和成が付き合った男でまともなのは一人もいなかったから、絶対に危ないのだ。
「呼んでくださいよ」
まともな男ならば呼べるだろうと、酒のグラスを干すと、目の据わった千夏に、和成はカバンから金色の懐中時計を取り出した。
「呼ぶにはちょっと時間が遅いかも……」
「……待って。すごく嫌な予感がするんですけど」
「多分、彼、寝てるし、平日は学校だから、休日の早い時間でもいいかな?」
長い付き合いで分かっているのか、和成が千夏に恋人を隠したことはなかった。だから、今回も当然紹介の流れとなるのだろうが、話の中に出てくる単語が不穏でしかない。
「まさか、高校生……いや、せめて、大学生、ですよね?」
「あー……ちゃんと何年生か聞いてないけど、十歳って言ってたわ」
あっさりと答えた先輩に、後輩はテーブルに崩れ落ちたのだった。
もう会わないでほしい。
マンションの玄関先でインターフォンから聞こえた声に、和成はしばらくその場に立ち尽くしていた。白いワンピースにレース柄の日傘。一緒に歩くときには、男と歩いているなんて思われたくないと言われて、特に抵抗なく女性物の服を選んだ。
そのうちに一緒に歩くことも少なくなって、会えばホテルに直行か、彼の家でベッドに直行で、することが終われば身支度を整えて帰るだけ。そろそろ終わるのかもしれないと和成も思っていた。
蝉しぐれの中、焼けたアスファルトをサイズの合わないミュールがかつんかつんと踵を鳴らす。足が痛くなって、公園で一休みしようとベンチに座ったら、妙に自分が情けなくて、涙が出た。
声もなく泣いていると、小さな黒い双眸が覗き込んでくる。小さな両手に買ったばかりで汗をかいた冷えたペットボトルを差し出して。
「こげん暑いとに、泣きよったら、からっからになるよ?」
「これ、俺に?」
差し出されたペットボトルを受け取ると、それはまだ蓋が開けられていなかった。わざわざ自分のために買いに行ったのかと問いかける間もなく、足元にしゃがみ込んだその子が、ひょいと和成のミュールを脱がせてしまう。
「豆ができとるやん。絆創膏はっとき?」
差し出された絆創膏も受け取って茫然としていると、その子は首を傾げた。
「開けきらんと?」
役者は体力仕事だから腕力にも体力にも自信はあるが、ペットボトルを取り上げて蓋を開けてくれる姿が眩しくて、受け取って飲むと、和成はどれだけ自分が乾いていたのかを知った。ほろほろと零れる涙に、ポケットからハンドタオルを出して、その子は押し付けて、次はしゃがみ込んで和成の足に絆創膏を貼ってくれる。
「きれいな顔しとっちゃけん、泣いとったらいかんよ? 変な人に声かけられるけね」
「ありがとう……」
「俺やったら泣かせんっちゃけどね」
「本当?」
女装して、汗と涙で化粧もぼろぼろで、年も三十路、その子が和成を抱き締めて愛してくれるまでには、これから何年もかかるし、きっとそれまでには好きな子を見つけて去って行くのだと分かっているのに、問いかけてしまって、自分の迂闊さに和成は苦笑した。
驚いたのかその子は駆けて逃げて行ってしまったし、ペットボトルの代金とハンドタオルだけでも返そうとベンチに置いたら、走って戻ってきたその子は少ししおれかけたタンポポを数本持っていた。
「俺、坂上陽太、十歳! あなたは?」
「瀬戸和成、三十歳……」
そのしおれかけたタンポポを和成は大事に持って帰った。
どちらかといえば、千夏は和成の味方をしてくれる。和成が惚れたのであれば、それなりに相手に敬意を払ってくれるし、和成が危なくなれば話も付けてくれる。しかし、相手が十歳というのには言葉を失ったようだった。
公園で泣いていただけなのに、陽太は和成にペットボトルのお茶をくれた。きっと走って買ってきたのだ。それから、足に絆創膏を貼ってくれた。最後には「俺やったら泣かせん」と言って、タンポポをくれた。
お金を持っているからとか、抱かせてくれるからとかではなく、何も求めずにこういうことをされた経験が和成にはなかった。だから、あの子が大きくなって、ちょっと好きになる相手を間違えたと気付くまで、一緒にいてもいいかもしれないと思ったのだが、千夏はそれほど甘くなかった。
「和さん、十歳の子は抱いてもくれないし、和さんが我慢できるはずないですよ」
「そうだよね、俺、下半身緩いから」
そのせいで碌でもない男に付け込まれるのだと笑うと、笑い事ではないと千夏はため息を吐く。戸井千夏を劇団に引き入れたのは、大学を出る頃には劇団の看板役者になっていた和成で、千夏は演出をやりたがっていたが、その整った顔と長身、存在感に、役者をやらせたら人気が出てしまって、演出をやりながら役者をやらされるという状況に陥っている。それが本人は不本意らしいが、和成は一緒に舞台に立てるので喜ばしく思っていた。
「まだ、俺に未練があるとか言わないでくださいよ」
「ないよ。婚約者がいる男となんて、正にドロドロで最悪じゃないか」
冗談じゃないと笑い飛ばすと、一瞬懐疑的な眼差しを向けられたが、すぐに千夏は次のグラスを頼んで、ツマミのピスタチオの殻を剥く。
「和さん、ちゃんと食べてます?」
「ぼちぼちね」
「男には作るくせに、別れると途端にずさんになるんだから」
駄目男吸引機の和成を千夏は心配してくれていると分かっているのだが、千夏は和成を抱き締めてくれることはないし、一緒の部屋に帰って和成の作った料理を食べることもない。それだから、関係が壊れずに続いているのだが、時折、和成は無性に寂しくなることがあった。
舞台の上で演じている役者としての和成を、千夏もファンも必要としてくれる。でも、それ以外の和成に価値があるのか、和成にも分からない。
抱かれたり、お金を求められたりするのは、すごく簡単で分かりやすい。和成もいい年だから、抱かれる方としてはとうが立っていて、お金を出さないとそちらをしてもらえないことがある。そういう関係は、明瞭でちゃんと支払えばそれだけの労力を払ってくれる。
陽太との間には、お金もセックスも存在しない。
むしろ、和成の方がペットボトル一本と絆創膏二枚分、陽太に借りがある。
「大人になる過程で、同性を間違って好きになっちゃうとか、あるわけじゃないですか」
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