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四章 キスがしたい十五歳
12.父上のお誕生日とポプリ
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国王の座を退いてから父上はかなり自由に暮らしているようだった。
庭の薔薇園の手入れをしたり、魔法石を作らせてヒルダ姉上のところにミルカとラウラの顔を見に行ったりして、楽しく過ごしている。
国王陛下という地位が父上をどれだけ縛っていたのかがよく分かる。
母上が亡くなった時点で、父上は国王の座を退きたかったのだろう。母上の喪に服して、母上の思い出の中に生きたかった。
それができなかったのは、僕は生まれたばかりだし、エリアス兄上もエルランド兄上も幼く、ヒルダ姉上は隣国に嫁ぐと決まっていたからだ。
エリアス兄上が研究課程を卒業したのをきっかけに、父上は国王陛下の座から退いて、先帝陛下になった。
先帝陛下である父上のお誕生日も国で祝われるものだが、父上は元々家族だけで祝っていたので、国民への行事もなくなって、本当に限られた身内だけでのお誕生日パーティーになった。
ヒルダ姉上はカスパル義兄上とミルカとラウラとこの国に帰って来ていて、父上の親友のダミアーン伯父上も、エルランド兄上の婚約者のセシーリア嬢も同席している。
今回のお誕生日パーティーでもロヴィーサ嬢は父上から頼まれていた。
パーティーの料理をロヴィーサ嬢が作るのだ。
当然僕も手伝うつもりだったが、それにセシーリア嬢が加わった。
「わたくしも料理は少しできます。お手伝いさせてください」
「ありがたいです。よろしくお願いします」
魔族の国のひとたちはみんな肌がものすごく白い。セシーリア嬢もダミアーン伯父上も肌がものすごく白くて、眼の色も髪の色も薄い。
僕も魔族だからかダミアーン伯父上とそっくりな色彩と顔立ちをしている。
セシーリア嬢が料理のときにドレスを汚してしまわないか僕は心配だったが、セシーリア嬢はきちんと着替えてエプロンをつけて厨房にやってきた。僕もロヴィーサ嬢も着替えてエプロンをつけている。
「何を作るおつもりですか?」
「エドヴァルド殿下が天ぷらがお好きなので、天丼を作りたいと思います」
天丼!
セシーリア嬢の問いかけに答えたロヴィーサ嬢に僕はその魅惑の言葉に心が躍る。
天丼と言えばからりと揚がった天ぷらに甘辛いたれをかけてご飯の上に置いて、ご飯と一緒に食べる夢の料理ではないか。
「天丼……あまり聞いたことがありませんね。ロヴィーサ様はどうやって料理のレシピを手に入れているのですか?」
「曾祖父が魔族で、召喚魔法が使えたのです。料理のレシピをどの世界、どんな国からも召喚できる魔法です」
「それは素晴らしい魔法ですね」
話しながらもロヴィーサ嬢とセシーリア嬢は手際よく天ぷらを揚げて、甘辛いたれを作っていく。ロヴィーサ嬢から説明されればすぐに作れるのだから、セシーリア嬢の料理の腕前は、「少し」どころではなかった。
僕はおかずの卵焼きを巻いて、お漬物を切って、キャベツを塩昆布で和える。
天ぷら以外のものが食べたくなったときに食べてもらえばいいだろう。
料理が出来上がると、僕とロヴィーサ嬢とセシーリア嬢は着替えに行って、料理は王家のものが使う私室に運ばれた。
着替えた僕とロヴィーサ嬢が私室に戻ると、セシーリア嬢も私室にいて座って僕とロヴィーサ嬢を待っていてくれた。
「今日の料理もとても美味しそうだ。ロヴィーサ嬢、セシーリア嬢、エド、ありがとう」
「父上、お誕生日おめでとうございます」
「先帝陛下、おめでとうございます」
「先帝陛下のご健康をお祈りいたしております」
お礼を言う父上に、僕とロヴィーサ嬢とセシーリア嬢でお祝いを述べる。満足した顔で父上は丼を手に取った。
「いただこうではないか」
エリアス兄上もユリウス義兄上もエルランド兄上も、ロヴィーサ嬢とセシーリア嬢の料理を楽しみにしていたようだ。
ミルカはテーブルの上に身を乗り出してフォークを構えている。ラウラはヒルダ姉上に抱っこされて涎を垂らしていた。
「ラウラが食べられるものがありますか?」
「ラウラはまだ月齢が低いので、ミルクと離乳食だけですね」
「んまー!」
「食べたがっているようですね。ミルカも食いしん坊ですが、ラウラも食いしん坊になりそうです」
カスパル義兄上が欲しがるように手足をじたばたさせているラウラに笑っている。
ラウラはまだ食べられないので諦めなければいけないが、ミルカはフォークで上手に天ぷらを突き刺して、ご飯と一緒にもりもりと食べていた。ミルカ用の小さな丼があっという間に中身を減らす。
「まっま、おいちい! おいちいよ!」
「それはよかったですね、ミルカ。ロヴィーサ嬢とセシーリア嬢とエドが作ったのですよ」
「たがもやき、たべう」
「卵焼きも取ってあげましょうね」
僕が焼いた卵焼きはミルカの口に合うのだろうか。大きな口でぱくりと食べてミルカが表情を輝かせる。
「おいひい」
「ミルカ、飲み込んでから喋りましょうね」
「喉に詰まってしまうよ」
ラウラに離乳食を食べさせているヒルダ姉上もカスパル義兄上も、ミルカに十分気を付けている。
褐色の肌に黒い髪に黒い目のミルカは、僕とは全然違うが、僕の甥っ子であることは確かで、可愛い甥っ子が僕の作った卵焼きを美味しいと食べてくれることがこんなに嬉しいとは思わなかった。
ダミアーン伯父上も天丼を食べている。
魔族の王室では天ぷらを食べていたので、天丼も食べているのではないかと思ったが、そんなことはないようだ。
「天ぷらをこのようにすると美味しいとは知らなかった。ロヴィーサ嬢の発想かな?」
「いいえ、曾祖父のレシピです。曾祖父はどんな国、どんな世界からもレシピを召喚する魔法を使えたのです」
ロヴィーサ嬢の曾お祖父様の召喚魔法は、何度聞いても素晴らしいと思ってしまう。様々な国、世界のレシピを網羅できるなんて。
おかげで僕は毎日美味しいものが食べられている。
「今日、祝いに来てくれた皆に、お礼があるのだ。受け取ってくれるか?」
食べ終わってから父上が僕とロヴィーサ嬢と、エルランド兄上とユリウス義兄上と、エルランド兄上とセシーリア嬢と、ダミアーン伯父上に言う。
「何をくれるのだ、エンシオ殿」
興味を持ったダミアーン伯父上に、父上は薄く透ける布に入った何かを差し出した。それを手に取ると、花の香りがする。
「庭の薔薇でポプリを作った。庭仕事も楽しいものだよ、ダミアーン殿」
「これはいい香りだ。部屋に飾れば華やかな気分になるだろう。ありがとう、エンシオ殿」
「こういう趣味もしたかったのだが、国王のうちは難しかった」
「これからもたくさん作るといい。私の父上と母上も持って帰れば喜ぶだろう」
「そうかな? それでは、また作ってみよう」
ポプリ作りを馬鹿にしたりせずに、認めるダミアーン伯父上はやはり父上の一番の親友なのだろう。
僕もポプリをもらって父上にお礼を言った。
「とてもいい香りです。ありがとうございます。これは白薔薇ですか?」
「そうだ。母上の好きだった花の香りを皆に届けたくて」
「嬉しいです。大事にします」
手の中のポプリの袋を僕はそっと握った。
「ポプリとはどのように作るのですか、父上?」
「香りのいい花びらを乾燥させて作るのだ。自然の花びらをそのまま使うが、かなり量は必要だな」
「作るのは大変ではなかったですか?」
「楽しく作ったよ」
エリアス兄上とユリウス義兄上はポプリの作り方に興味を持っているようだ。
父上にこんな趣味があったなんて僕も全然知らなかった。
ミエト家に帰ってから、僕はポプリを部屋の机の上に飾った。
薄い綺麗な布にリボンがかかっていて、そこから花のいい香りがしてくる。
母上の好きだった花だと思うとますますいい香りに感じられて、僕はしばらく匂いを嗅いでいた。
庭の薔薇園の手入れをしたり、魔法石を作らせてヒルダ姉上のところにミルカとラウラの顔を見に行ったりして、楽しく過ごしている。
国王陛下という地位が父上をどれだけ縛っていたのかがよく分かる。
母上が亡くなった時点で、父上は国王の座を退きたかったのだろう。母上の喪に服して、母上の思い出の中に生きたかった。
それができなかったのは、僕は生まれたばかりだし、エリアス兄上もエルランド兄上も幼く、ヒルダ姉上は隣国に嫁ぐと決まっていたからだ。
エリアス兄上が研究課程を卒業したのをきっかけに、父上は国王陛下の座から退いて、先帝陛下になった。
先帝陛下である父上のお誕生日も国で祝われるものだが、父上は元々家族だけで祝っていたので、国民への行事もなくなって、本当に限られた身内だけでのお誕生日パーティーになった。
ヒルダ姉上はカスパル義兄上とミルカとラウラとこの国に帰って来ていて、父上の親友のダミアーン伯父上も、エルランド兄上の婚約者のセシーリア嬢も同席している。
今回のお誕生日パーティーでもロヴィーサ嬢は父上から頼まれていた。
パーティーの料理をロヴィーサ嬢が作るのだ。
当然僕も手伝うつもりだったが、それにセシーリア嬢が加わった。
「わたくしも料理は少しできます。お手伝いさせてください」
「ありがたいです。よろしくお願いします」
魔族の国のひとたちはみんな肌がものすごく白い。セシーリア嬢もダミアーン伯父上も肌がものすごく白くて、眼の色も髪の色も薄い。
僕も魔族だからかダミアーン伯父上とそっくりな色彩と顔立ちをしている。
セシーリア嬢が料理のときにドレスを汚してしまわないか僕は心配だったが、セシーリア嬢はきちんと着替えてエプロンをつけて厨房にやってきた。僕もロヴィーサ嬢も着替えてエプロンをつけている。
「何を作るおつもりですか?」
「エドヴァルド殿下が天ぷらがお好きなので、天丼を作りたいと思います」
天丼!
セシーリア嬢の問いかけに答えたロヴィーサ嬢に僕はその魅惑の言葉に心が躍る。
天丼と言えばからりと揚がった天ぷらに甘辛いたれをかけてご飯の上に置いて、ご飯と一緒に食べる夢の料理ではないか。
「天丼……あまり聞いたことがありませんね。ロヴィーサ様はどうやって料理のレシピを手に入れているのですか?」
「曾祖父が魔族で、召喚魔法が使えたのです。料理のレシピをどの世界、どんな国からも召喚できる魔法です」
「それは素晴らしい魔法ですね」
話しながらもロヴィーサ嬢とセシーリア嬢は手際よく天ぷらを揚げて、甘辛いたれを作っていく。ロヴィーサ嬢から説明されればすぐに作れるのだから、セシーリア嬢の料理の腕前は、「少し」どころではなかった。
僕はおかずの卵焼きを巻いて、お漬物を切って、キャベツを塩昆布で和える。
天ぷら以外のものが食べたくなったときに食べてもらえばいいだろう。
料理が出来上がると、僕とロヴィーサ嬢とセシーリア嬢は着替えに行って、料理は王家のものが使う私室に運ばれた。
着替えた僕とロヴィーサ嬢が私室に戻ると、セシーリア嬢も私室にいて座って僕とロヴィーサ嬢を待っていてくれた。
「今日の料理もとても美味しそうだ。ロヴィーサ嬢、セシーリア嬢、エド、ありがとう」
「父上、お誕生日おめでとうございます」
「先帝陛下、おめでとうございます」
「先帝陛下のご健康をお祈りいたしております」
お礼を言う父上に、僕とロヴィーサ嬢とセシーリア嬢でお祝いを述べる。満足した顔で父上は丼を手に取った。
「いただこうではないか」
エリアス兄上もユリウス義兄上もエルランド兄上も、ロヴィーサ嬢とセシーリア嬢の料理を楽しみにしていたようだ。
ミルカはテーブルの上に身を乗り出してフォークを構えている。ラウラはヒルダ姉上に抱っこされて涎を垂らしていた。
「ラウラが食べられるものがありますか?」
「ラウラはまだ月齢が低いので、ミルクと離乳食だけですね」
「んまー!」
「食べたがっているようですね。ミルカも食いしん坊ですが、ラウラも食いしん坊になりそうです」
カスパル義兄上が欲しがるように手足をじたばたさせているラウラに笑っている。
ラウラはまだ食べられないので諦めなければいけないが、ミルカはフォークで上手に天ぷらを突き刺して、ご飯と一緒にもりもりと食べていた。ミルカ用の小さな丼があっという間に中身を減らす。
「まっま、おいちい! おいちいよ!」
「それはよかったですね、ミルカ。ロヴィーサ嬢とセシーリア嬢とエドが作ったのですよ」
「たがもやき、たべう」
「卵焼きも取ってあげましょうね」
僕が焼いた卵焼きはミルカの口に合うのだろうか。大きな口でぱくりと食べてミルカが表情を輝かせる。
「おいひい」
「ミルカ、飲み込んでから喋りましょうね」
「喉に詰まってしまうよ」
ラウラに離乳食を食べさせているヒルダ姉上もカスパル義兄上も、ミルカに十分気を付けている。
褐色の肌に黒い髪に黒い目のミルカは、僕とは全然違うが、僕の甥っ子であることは確かで、可愛い甥っ子が僕の作った卵焼きを美味しいと食べてくれることがこんなに嬉しいとは思わなかった。
ダミアーン伯父上も天丼を食べている。
魔族の王室では天ぷらを食べていたので、天丼も食べているのではないかと思ったが、そんなことはないようだ。
「天ぷらをこのようにすると美味しいとは知らなかった。ロヴィーサ嬢の発想かな?」
「いいえ、曾祖父のレシピです。曾祖父はどんな国、どんな世界からもレシピを召喚する魔法を使えたのです」
ロヴィーサ嬢の曾お祖父様の召喚魔法は、何度聞いても素晴らしいと思ってしまう。様々な国、世界のレシピを網羅できるなんて。
おかげで僕は毎日美味しいものが食べられている。
「今日、祝いに来てくれた皆に、お礼があるのだ。受け取ってくれるか?」
食べ終わってから父上が僕とロヴィーサ嬢と、エルランド兄上とユリウス義兄上と、エルランド兄上とセシーリア嬢と、ダミアーン伯父上に言う。
「何をくれるのだ、エンシオ殿」
興味を持ったダミアーン伯父上に、父上は薄く透ける布に入った何かを差し出した。それを手に取ると、花の香りがする。
「庭の薔薇でポプリを作った。庭仕事も楽しいものだよ、ダミアーン殿」
「これはいい香りだ。部屋に飾れば華やかな気分になるだろう。ありがとう、エンシオ殿」
「こういう趣味もしたかったのだが、国王のうちは難しかった」
「これからもたくさん作るといい。私の父上と母上も持って帰れば喜ぶだろう」
「そうかな? それでは、また作ってみよう」
ポプリ作りを馬鹿にしたりせずに、認めるダミアーン伯父上はやはり父上の一番の親友なのだろう。
僕もポプリをもらって父上にお礼を言った。
「とてもいい香りです。ありがとうございます。これは白薔薇ですか?」
「そうだ。母上の好きだった花の香りを皆に届けたくて」
「嬉しいです。大事にします」
手の中のポプリの袋を僕はそっと握った。
「ポプリとはどのように作るのですか、父上?」
「香りのいい花びらを乾燥させて作るのだ。自然の花びらをそのまま使うが、かなり量は必要だな」
「作るのは大変ではなかったですか?」
「楽しく作ったよ」
エリアス兄上とユリウス義兄上はポプリの作り方に興味を持っているようだ。
父上にこんな趣味があったなんて僕も全然知らなかった。
ミエト家に帰ってから、僕はポプリを部屋の机の上に飾った。
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