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五章 十六歳の性教育
24.初めて聞く花街
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高等学校の教室で、僕は耳を澄ましている。
アルマスとヘンリッキは別の科目を履修しているので、今日は僕一人なのだ。
男子生徒が集まって話をしている。
「やっぱり、胸は大きいに限るでしょう」
「いやいや、小さいのも趣があります」
「大きい胸に埋もれる。これぞ、男のロマンです」
「小さい胸を愛でてこそ、男たるもの」
こういう話題はアルマスもヘンリッキもしない。
父上に性教育をされた時点で、僕は女性のことについて知りはしたのだが、分かっていない部分もある。
実際にこの男子生徒の中で、女性とそういう仲になったものはいるのだろうか。
「今度父上に花街に連れて行ってもらうことになりました」
「それは羨ましい! 遂に卒業ですか?」
「そうなるかもしれません。私の気に入る女性がいたら」
花街とはなんなのだろう。
僕は我慢ができなくなってくる。
黙って聞いているだけでなく、疑問をぶつけたくなってきた。
「私も結婚前には一度経験しておきたいものですね」
「結婚してから相手に下手と言われたら立ち直れませんからね」
「どんなことも経験です」
椅子から僕が立ち上がった瞬間、教室の中がしんと静まり返った。椅子が動く音だけが教室に響く。
大股で僕が男子生徒たちに近付いて行くと、びくりと全員肩を震わせる。
「お、王子殿下!?」
「なんでもございません。私たちは何も喋っていません」
「王子殿下の前でなんてことを!?」
真っ青になっている男子生徒たちに僕は問いかける。
「花街って何かな?」
「いや、それは……」
「なんでもないのです。王子殿下は知らないままでいてください」
「話していたよね?」
「追求しないでください!」
「私たちがハーヤネン公爵の御子息とバックリーン伯爵の御子息にお仕置きされてしまうー!」
震え上がっている男子生徒の中に僕は見覚えのある顔を見付けた。
僕が悩んでいたときに、僕のマジックポーチに女性の裸の描かれた雑誌のようなものを突っ込んで、サムズアップした男子生徒がいるではないか。
「あなたは、前に僕に雑誌のようなものを貸してくれたよね?」
「あの件に関してはお忘れください! ハーヤネン公爵の御子息とバックリーン伯爵の御子息にきつく言い含められました」
もう二度としませんと土下座する男子生徒に、僕はそれ以上聞くことができなかった。
花街とは何なのだろう。
「エドヴァルド殿下、そんな単語をどこで聞いたのですか!?」
ミエト家に帰って着替えをしていた僕は、自然と口から単語が漏れていたようだ。爺やが血相を変えて僕に詰め寄ってくる。
シャツを着替えてボタンを留めながら、僕は爺やに答えた。
「専門科目の教室で男子生徒が話していたよ。今度花街に連れて行ってもらうんだって。そこで気に入った女性がいたら卒業するかもしれない。卒業ってどういうことなんだろうね」
素直に僕が爺やに疑問をぶつけると、爺やが沈痛な面持ちで額を押さえている。僕は何か爺やを困らせるようなことを言ってしまったのだろうか。
「どうか、ロヴィーサ様にはその話はなさらないようにしてください」
「それなら、爺やが説明してくれる?」
「私が……私が適任とは思いませんが、仕方がない」
苦い表情で爺やは説明してくれた。
「花街とは、春を鬻ぐ女性のいる場所です」
「春を鬻ぐってどういう意味?」
「えーっと……体を売ることです」
「体を売る?」
「つまり、男性に身体を差し出して、対価を得る行為です」
そこまで言われれば僕でも分かった。
それは赤ちゃんを作る行為ではないのか。
「それは、結婚した男女が赤ちゃんを作るためにすることじゃないの?」
「快楽を得るために、また貴族の中では結婚相手が初めての場合には上手くいかないことがあるので練習のために、そういう女性と関係を持つことがあるのです」
「父上もそういうことを言っていた気がする!」
思い出してみれば、父上もそういう場所に行って実際に経験して習うことがあるのだと言っていた気がする。父上はそれを拒んだし、僕も当然そんなことはしたくない。
「そ、そういうことが許されていいの!? 婚約者に対する背徳じゃない?」
「貴族の中には側室を持つものもいますし、政略結婚で愛のないものもいます。そうでなくても、春を鬻ぐ女性との関係は、金銭が絡んでいて本気ではないので、大目に見られているところがあります」
爺やに説明してもらって僕はものすごくショックだった。
この国にそんな場所があるということも初めて知ったし、そこに通うものがいるということも驚きだった。
「赤ちゃんを作る行為は神聖で、結婚する相手としかしてはいけないのだと思っていた」
「エドヴァルド殿下の認識で間違いないと思います。私もそう思います」
「そう思わない貴族もいるってことだよね」
「残念ながら」
望まない政略結婚の末に側室を持つことになったとか、正妻が子どもを産めないので側室を持って子どもを産ませるとかいう話は、貴族の中ではよくあることである。それは僕も賛成しているわけではないが、存在しているものとして認知していた。
そうでなく、快楽のためや練習のために女性と肉体関係を持つなんて僕には考えられない。
「僕は……そういうことはできない」
気に入った女性がいれば経験するかもしれないと言っていた男子生徒の嬉しそうな顔が、僕にはとても信じられなかった。
着替えて居間に行くとロヴィーサ嬢とクラース殿がいる。
ロヴィーサ嬢はクラース殿にレシピの解説をしてもらっていた。
「それでは、トマトとキュウリとピーマンと玉ねぎとパプリカとニンニクを摩り下ろして、レモン汁と塩とオリーブオイルとブイヨンで味を調えるのですね」
「ニンニクは匂いが強いので省いてもいいかもしれないね」
「夏場に美味しそうなスープですね」
話が弾んでいるロヴィーサ嬢とクラース殿の前のソファに座った僕が元気がないのを見て、ロヴィーサ嬢が首を傾げている。
「エド殿下、おやつの用意をしましょうか? お腹が空いているのでは?」
「お願いします」
僕が頼むとロヴィーサ嬢は厨房に駆けて行く。残ったクラース殿が声を潜めて聞いてきた。
「何かありましたか?」
「僕は無知なのです。今日、花街というものを始めて知りました。そんな場所があるだなんて、ショックで」
「エドヴァルド殿下は誠実で真面目なのですね。エドヴァルド殿下のよいところだと思います。そのままでいてください」
「僕はこのままでいいのですか? 僕は大人になりたいのです」
「大人になることと汚れることは違います。エドヴァルド殿下はそのままでも大人になれます」
クラース殿に言われると、僕は気分が浮上してくる。クラース殿の深い青い瞳はロヴィーサ嬢のものとよく似ていて、見ていると落ち着いてくるのだ。
「エド殿下! 元気が出るようにおやつはサクランボのパフェにしました」
ロヴィーサ嬢が大量にサクランボの飾られたパフェを持ってきてくれる。目の前に置かれたサクランボとアイスクリームのパフェに、僕は目を輝かせた。
アイスクリームが溶けるのを黙って見ていられる人間なんてほとんどいない。
溶ける前に一生懸命食べて、サクランボも茎と種だけにしてしまうと、僕はすっかりと気分がよくなっていた。
「ロヴィーサ嬢の策にはまりました」
「アイスクリームを溶けさせるエド殿下ではないと思っていましたよ。悩みは解決しそうですか?」
「はい、クラース殿にも話を聞いてもらいました。ありがとうございます」
アイスクリームで冷たくなった口とお腹を、温かな紅茶で中和する。
お腹もいっぱいになって、僕は満足してロヴィーサ嬢とクラース殿に感謝していた。
アルマスとヘンリッキは別の科目を履修しているので、今日は僕一人なのだ。
男子生徒が集まって話をしている。
「やっぱり、胸は大きいに限るでしょう」
「いやいや、小さいのも趣があります」
「大きい胸に埋もれる。これぞ、男のロマンです」
「小さい胸を愛でてこそ、男たるもの」
こういう話題はアルマスもヘンリッキもしない。
父上に性教育をされた時点で、僕は女性のことについて知りはしたのだが、分かっていない部分もある。
実際にこの男子生徒の中で、女性とそういう仲になったものはいるのだろうか。
「今度父上に花街に連れて行ってもらうことになりました」
「それは羨ましい! 遂に卒業ですか?」
「そうなるかもしれません。私の気に入る女性がいたら」
花街とはなんなのだろう。
僕は我慢ができなくなってくる。
黙って聞いているだけでなく、疑問をぶつけたくなってきた。
「私も結婚前には一度経験しておきたいものですね」
「結婚してから相手に下手と言われたら立ち直れませんからね」
「どんなことも経験です」
椅子から僕が立ち上がった瞬間、教室の中がしんと静まり返った。椅子が動く音だけが教室に響く。
大股で僕が男子生徒たちに近付いて行くと、びくりと全員肩を震わせる。
「お、王子殿下!?」
「なんでもございません。私たちは何も喋っていません」
「王子殿下の前でなんてことを!?」
真っ青になっている男子生徒たちに僕は問いかける。
「花街って何かな?」
「いや、それは……」
「なんでもないのです。王子殿下は知らないままでいてください」
「話していたよね?」
「追求しないでください!」
「私たちがハーヤネン公爵の御子息とバックリーン伯爵の御子息にお仕置きされてしまうー!」
震え上がっている男子生徒の中に僕は見覚えのある顔を見付けた。
僕が悩んでいたときに、僕のマジックポーチに女性の裸の描かれた雑誌のようなものを突っ込んで、サムズアップした男子生徒がいるではないか。
「あなたは、前に僕に雑誌のようなものを貸してくれたよね?」
「あの件に関してはお忘れください! ハーヤネン公爵の御子息とバックリーン伯爵の御子息にきつく言い含められました」
もう二度としませんと土下座する男子生徒に、僕はそれ以上聞くことができなかった。
花街とは何なのだろう。
「エドヴァルド殿下、そんな単語をどこで聞いたのですか!?」
ミエト家に帰って着替えをしていた僕は、自然と口から単語が漏れていたようだ。爺やが血相を変えて僕に詰め寄ってくる。
シャツを着替えてボタンを留めながら、僕は爺やに答えた。
「専門科目の教室で男子生徒が話していたよ。今度花街に連れて行ってもらうんだって。そこで気に入った女性がいたら卒業するかもしれない。卒業ってどういうことなんだろうね」
素直に僕が爺やに疑問をぶつけると、爺やが沈痛な面持ちで額を押さえている。僕は何か爺やを困らせるようなことを言ってしまったのだろうか。
「どうか、ロヴィーサ様にはその話はなさらないようにしてください」
「それなら、爺やが説明してくれる?」
「私が……私が適任とは思いませんが、仕方がない」
苦い表情で爺やは説明してくれた。
「花街とは、春を鬻ぐ女性のいる場所です」
「春を鬻ぐってどういう意味?」
「えーっと……体を売ることです」
「体を売る?」
「つまり、男性に身体を差し出して、対価を得る行為です」
そこまで言われれば僕でも分かった。
それは赤ちゃんを作る行為ではないのか。
「それは、結婚した男女が赤ちゃんを作るためにすることじゃないの?」
「快楽を得るために、また貴族の中では結婚相手が初めての場合には上手くいかないことがあるので練習のために、そういう女性と関係を持つことがあるのです」
「父上もそういうことを言っていた気がする!」
思い出してみれば、父上もそういう場所に行って実際に経験して習うことがあるのだと言っていた気がする。父上はそれを拒んだし、僕も当然そんなことはしたくない。
「そ、そういうことが許されていいの!? 婚約者に対する背徳じゃない?」
「貴族の中には側室を持つものもいますし、政略結婚で愛のないものもいます。そうでなくても、春を鬻ぐ女性との関係は、金銭が絡んでいて本気ではないので、大目に見られているところがあります」
爺やに説明してもらって僕はものすごくショックだった。
この国にそんな場所があるということも初めて知ったし、そこに通うものがいるということも驚きだった。
「赤ちゃんを作る行為は神聖で、結婚する相手としかしてはいけないのだと思っていた」
「エドヴァルド殿下の認識で間違いないと思います。私もそう思います」
「そう思わない貴族もいるってことだよね」
「残念ながら」
望まない政略結婚の末に側室を持つことになったとか、正妻が子どもを産めないので側室を持って子どもを産ませるとかいう話は、貴族の中ではよくあることである。それは僕も賛成しているわけではないが、存在しているものとして認知していた。
そうでなく、快楽のためや練習のために女性と肉体関係を持つなんて僕には考えられない。
「僕は……そういうことはできない」
気に入った女性がいれば経験するかもしれないと言っていた男子生徒の嬉しそうな顔が、僕にはとても信じられなかった。
着替えて居間に行くとロヴィーサ嬢とクラース殿がいる。
ロヴィーサ嬢はクラース殿にレシピの解説をしてもらっていた。
「それでは、トマトとキュウリとピーマンと玉ねぎとパプリカとニンニクを摩り下ろして、レモン汁と塩とオリーブオイルとブイヨンで味を調えるのですね」
「ニンニクは匂いが強いので省いてもいいかもしれないね」
「夏場に美味しそうなスープですね」
話が弾んでいるロヴィーサ嬢とクラース殿の前のソファに座った僕が元気がないのを見て、ロヴィーサ嬢が首を傾げている。
「エド殿下、おやつの用意をしましょうか? お腹が空いているのでは?」
「お願いします」
僕が頼むとロヴィーサ嬢は厨房に駆けて行く。残ったクラース殿が声を潜めて聞いてきた。
「何かありましたか?」
「僕は無知なのです。今日、花街というものを始めて知りました。そんな場所があるだなんて、ショックで」
「エドヴァルド殿下は誠実で真面目なのですね。エドヴァルド殿下のよいところだと思います。そのままでいてください」
「僕はこのままでいいのですか? 僕は大人になりたいのです」
「大人になることと汚れることは違います。エドヴァルド殿下はそのままでも大人になれます」
クラース殿に言われると、僕は気分が浮上してくる。クラース殿の深い青い瞳はロヴィーサ嬢のものとよく似ていて、見ていると落ち着いてくるのだ。
「エド殿下! 元気が出るようにおやつはサクランボのパフェにしました」
ロヴィーサ嬢が大量にサクランボの飾られたパフェを持ってきてくれる。目の前に置かれたサクランボとアイスクリームのパフェに、僕は目を輝かせた。
アイスクリームが溶けるのを黙って見ていられる人間なんてほとんどいない。
溶ける前に一生懸命食べて、サクランボも茎と種だけにしてしまうと、僕はすっかりと気分がよくなっていた。
「ロヴィーサ嬢の策にはまりました」
「アイスクリームを溶けさせるエド殿下ではないと思っていましたよ。悩みは解決しそうですか?」
「はい、クラース殿にも話を聞いてもらいました。ありがとうございます」
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