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運命を決めるのは自分
恋人は王子様 6
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幼すぎて海直がその意味を分からないときから、クラレンスは一貫して海直が男性でも女性でも構わないし、旦那様でもお嫁さんでも構わないと言ってくれていた。海直が海直であれば良い。それは小さな海直にとっても、とても特別なことだと分かっていた。
「にいさまはミチカにしょーしんなのよ」
「傷心だと振られていることになるね。海直が私を振るわけがないじゃないか」
「そうじゃなくて、えっと……」
「執心と言いたいのかな。もちろん、執心しているとも」
お膝の上に乗った海直の頬をもちもちと揉みながら、クラレンスはにこにことアンジェラと話している。朝の出かける前の時間に、クラレンスは長くなった海直の髪と、アンジェラの髪を順番に編んでくれていた。
テイラーで誂えた上品な三つ揃いのスーツをクラレンスは着ているが、海直が小学校に入学したときに、同じ生地で海直のショートパンツのスーツも作ってくれていた。
「おおきくなってすぐにきられなくなるから、もったいないです」
「小さくなったのは、記念に取っておくよ。海直の成長の記録にもなるだろう」
遠慮する海直に笑顔で告げたクラレンスに、この件はアンジェラも賛成していた。
「えんりょすることないのよ、どうせごせんぞさまのおかねがありあまっているのだもの」
父親は運命の相手と駆け落ち、母親は亡くなっていて、アスター家にはクラレンスとアンジェラしか残っていない。親戚もいることはいるのだが、血が遠いのと、若い当主のクラレンスに口出ししてきたり、これを機にアスター家を乗っ取ろうとしたりする者がいたため、すっかりとクラレンスは遠ざけてしまった。
結果として、クラレンスが海直を引き取ったときには、誰も口出しするものはなく、遠縁で唯一信用ができるハワード家の当主夫妻、ヘイミッシュとスコットが協力してくれたという話は、以前から何度も聞いていた。
入学のときに誂えてもらったスーツを筆頭に、海直の服装はクラシックなものが多い。アンジェラもクラシカルなワンピースを着ていたりするので、クラレンスとアンジェラの兄妹はクラシックな格好が好みなのだろう。
学校まで車で送ってもらって、ハグとキスをして「いってきます」をするが、クラレンスと別れるのにはどうしても慣れない。涙目になる海直の手を、アンジェラが引いて、連れて行ってくれていた。
体つきは華奢な方だが、海直は勉強もできたし、ダンスをしているおかげで運動もできた。特に成績が良かったのは、音楽の授業だった。
「ミチカのうたを、みんな、ぜっさんしてたわ」
迎えに来てくれた車の中で、アンジェラがクラレンスに報告するのを、海直は照れながらも嬉しく聞く。
「今日は何の歌を歌ったんだい? 私にも聞かせて欲しいな」
車の中での歌の披露も、海直には楽しくてたまらなかった。
ダンスも好きだが、歌うのが大好きな海直。
稽古場でクラレンスのマネージャーから持ちかけられたミュージカル公演のオファーは、とても驚いたが、受けて良いものかクラレンスと相談しなければいけない案件だった。その場に同席していたクラレンスの顔を見ると、微妙な表情をしているのが分かる。その理由は海直には分かっていた。
ダンス界の王子様(プリンス)、クラレンス・アスターにも、苦手な分野がある。ものすごく下手というわけではないのだが、クラレンスは歌については、プロには絶対に敵わないという自己認識があるようだった。中性的な顔に似合わず、クラレンスの声は低めで、ハスキーだ。その若干掠れた声が、ものすごく色気があると海直は思うのだが、歌うのには向いていないらしい。
「私が出ない舞台に海直だけというのは……」
「クラレンスくんも、この機会にミュージカルに出てみない?」
ダンスの舞台には頻繁に出ているが、クラレンスはミュージカルではほとんど歌わない役か、ダンスだけの役でしか出たことがない。それも、あまり好まずに、出演は極力拒否しているという。
「海直は、どうしたい?」
例え海直が6歳の子どもであっても、こういうときにクラレンスはきちんと意見を聞いてくれる。初めての歌って踊る舞台に、海直が魅力を感じていないわけがなかった。
「でたい……っていったら、クレアはこまりますか?」
「分かったよ。いい機会だから、私もボイストレーニングを頑張ってみる」
海直が小学校に行ってクラレンスと離れるのに必死に慣れて、ダンスも歌も一生懸命練習しているのだから、自分がそれを止めることはできない。そう言ってくれたクラレンスの愛の深さに、海直は涙が出そうだった。
その日から海直とクラレンスはボイストレーニングに通って、オファーのあった劇団のミュージカルの稽古にも参加した。
本番は海直の誕生日に近い二月で、その期間はゆっくりできないので、誕生日は後で祝おうとクラレンスと約束をして、公演に集中した。最終日が終わった後で、楽屋で帰り支度をしていた海直は、クラレンスと共に練習室に呼ばれた。二人で行ってみると、アンジェラも来ていて、洋梨のケーキが準備されていた。
「ミチカ、おつかれさま!」
「ミチカ、小さいのによく頑張ったわね」
「おめでとう、ミチカ」
劇団員とアンジェラにサプライズで祝われて、海直は驚いてクラレンスを見上げると、クラレンスもこのことは知らなかったようで驚いた表情をしていた。
「にいさまにいうと、すぐにミチカにバレてしまうもの」
「やられたな。でも、海直の誕生日をみんなに祝ってもらえて良かったね」
そう言いながらも、クラレンスは誕生日ケーキをみんなで食べて、家に帰る車の中で、少しばかり拗ねていた。
「海直の誕生日は私が一番に祝いたかったのに」
「にいさまのどくせんよくって、かぎりがないのね」
呆れ顔のアンジェラに苦笑しながらも、車から降りて駐車場から家まで歩く間に、海直はクラレンスの袖を引っ張った。
「もう、クレアはぼくのたんじょうびをいわってくれないんですか?」
小首を傾げて問いかけると、脇に手を入れられて軽々と抱き上げられる。至近距離から見るクラレンスの瞳は澄んで美しく、甘く微笑む表情に海直は胸がドキドキと高鳴った。
「盛大に祝わせてもらおうかな。明日は稽古も全部休んで、ケーキを買いに行こう」
それからプレゼントを買いに行って、ディナーは海直の好きなものを作って。
踊るようにくるくると回りながら海直を抱き締めて玄関まで連れて行くクラレンスに、嬉しくて、幸せで、海直は笑み崩れてしまった。
約束通りに翌日はクラレンスは稽古を休んで、海直も公演が終わったすぐだったので休みをもらって、アンジェラと三人でケーキ屋に行ってケーキを選び、デパートで誕生日お祝いを買ってもらった。
アンジェラからはクラレンスとお揃いの生地のショートパンツのスーツを着るときにつける、花のラペルピン。
クラレンスがくれたのは、二匹のリスが口付けをしているような指輪だった。
「そろそろ婚約指輪をあげてもいいかと思ってね」
「すみれいろのおめめのリスさん、かわいいです」
まだ海直の指には大きいし、付けておくことはできないので、首から下げるチェーンも買ってもらったが、そのチェーンも指輪もプラチナで、リスの目にはまっている石がパープルのサファイアだということに、海直が気付くはずもなかった。
ちなみに、アンジェラはしっかりと気付いていて「にいさま、ほんきがすぎるわ」とドン引きしていたのは、後々、語られて知ること。
7歳の誕生日を家族に祝われて、海直は世界で一番幸せだと思っていた。
「にいさまはミチカにしょーしんなのよ」
「傷心だと振られていることになるね。海直が私を振るわけがないじゃないか」
「そうじゃなくて、えっと……」
「執心と言いたいのかな。もちろん、執心しているとも」
お膝の上に乗った海直の頬をもちもちと揉みながら、クラレンスはにこにことアンジェラと話している。朝の出かける前の時間に、クラレンスは長くなった海直の髪と、アンジェラの髪を順番に編んでくれていた。
テイラーで誂えた上品な三つ揃いのスーツをクラレンスは着ているが、海直が小学校に入学したときに、同じ生地で海直のショートパンツのスーツも作ってくれていた。
「おおきくなってすぐにきられなくなるから、もったいないです」
「小さくなったのは、記念に取っておくよ。海直の成長の記録にもなるだろう」
遠慮する海直に笑顔で告げたクラレンスに、この件はアンジェラも賛成していた。
「えんりょすることないのよ、どうせごせんぞさまのおかねがありあまっているのだもの」
父親は運命の相手と駆け落ち、母親は亡くなっていて、アスター家にはクラレンスとアンジェラしか残っていない。親戚もいることはいるのだが、血が遠いのと、若い当主のクラレンスに口出ししてきたり、これを機にアスター家を乗っ取ろうとしたりする者がいたため、すっかりとクラレンスは遠ざけてしまった。
結果として、クラレンスが海直を引き取ったときには、誰も口出しするものはなく、遠縁で唯一信用ができるハワード家の当主夫妻、ヘイミッシュとスコットが協力してくれたという話は、以前から何度も聞いていた。
入学のときに誂えてもらったスーツを筆頭に、海直の服装はクラシックなものが多い。アンジェラもクラシカルなワンピースを着ていたりするので、クラレンスとアンジェラの兄妹はクラシックな格好が好みなのだろう。
学校まで車で送ってもらって、ハグとキスをして「いってきます」をするが、クラレンスと別れるのにはどうしても慣れない。涙目になる海直の手を、アンジェラが引いて、連れて行ってくれていた。
体つきは華奢な方だが、海直は勉強もできたし、ダンスをしているおかげで運動もできた。特に成績が良かったのは、音楽の授業だった。
「ミチカのうたを、みんな、ぜっさんしてたわ」
迎えに来てくれた車の中で、アンジェラがクラレンスに報告するのを、海直は照れながらも嬉しく聞く。
「今日は何の歌を歌ったんだい? 私にも聞かせて欲しいな」
車の中での歌の披露も、海直には楽しくてたまらなかった。
ダンスも好きだが、歌うのが大好きな海直。
稽古場でクラレンスのマネージャーから持ちかけられたミュージカル公演のオファーは、とても驚いたが、受けて良いものかクラレンスと相談しなければいけない案件だった。その場に同席していたクラレンスの顔を見ると、微妙な表情をしているのが分かる。その理由は海直には分かっていた。
ダンス界の王子様(プリンス)、クラレンス・アスターにも、苦手な分野がある。ものすごく下手というわけではないのだが、クラレンスは歌については、プロには絶対に敵わないという自己認識があるようだった。中性的な顔に似合わず、クラレンスの声は低めで、ハスキーだ。その若干掠れた声が、ものすごく色気があると海直は思うのだが、歌うのには向いていないらしい。
「私が出ない舞台に海直だけというのは……」
「クラレンスくんも、この機会にミュージカルに出てみない?」
ダンスの舞台には頻繁に出ているが、クラレンスはミュージカルではほとんど歌わない役か、ダンスだけの役でしか出たことがない。それも、あまり好まずに、出演は極力拒否しているという。
「海直は、どうしたい?」
例え海直が6歳の子どもであっても、こういうときにクラレンスはきちんと意見を聞いてくれる。初めての歌って踊る舞台に、海直が魅力を感じていないわけがなかった。
「でたい……っていったら、クレアはこまりますか?」
「分かったよ。いい機会だから、私もボイストレーニングを頑張ってみる」
海直が小学校に行ってクラレンスと離れるのに必死に慣れて、ダンスも歌も一生懸命練習しているのだから、自分がそれを止めることはできない。そう言ってくれたクラレンスの愛の深さに、海直は涙が出そうだった。
その日から海直とクラレンスはボイストレーニングに通って、オファーのあった劇団のミュージカルの稽古にも参加した。
本番は海直の誕生日に近い二月で、その期間はゆっくりできないので、誕生日は後で祝おうとクラレンスと約束をして、公演に集中した。最終日が終わった後で、楽屋で帰り支度をしていた海直は、クラレンスと共に練習室に呼ばれた。二人で行ってみると、アンジェラも来ていて、洋梨のケーキが準備されていた。
「ミチカ、おつかれさま!」
「ミチカ、小さいのによく頑張ったわね」
「おめでとう、ミチカ」
劇団員とアンジェラにサプライズで祝われて、海直は驚いてクラレンスを見上げると、クラレンスもこのことは知らなかったようで驚いた表情をしていた。
「にいさまにいうと、すぐにミチカにバレてしまうもの」
「やられたな。でも、海直の誕生日をみんなに祝ってもらえて良かったね」
そう言いながらも、クラレンスは誕生日ケーキをみんなで食べて、家に帰る車の中で、少しばかり拗ねていた。
「海直の誕生日は私が一番に祝いたかったのに」
「にいさまのどくせんよくって、かぎりがないのね」
呆れ顔のアンジェラに苦笑しながらも、車から降りて駐車場から家まで歩く間に、海直はクラレンスの袖を引っ張った。
「もう、クレアはぼくのたんじょうびをいわってくれないんですか?」
小首を傾げて問いかけると、脇に手を入れられて軽々と抱き上げられる。至近距離から見るクラレンスの瞳は澄んで美しく、甘く微笑む表情に海直は胸がドキドキと高鳴った。
「盛大に祝わせてもらおうかな。明日は稽古も全部休んで、ケーキを買いに行こう」
それからプレゼントを買いに行って、ディナーは海直の好きなものを作って。
踊るようにくるくると回りながら海直を抱き締めて玄関まで連れて行くクラレンスに、嬉しくて、幸せで、海直は笑み崩れてしまった。
約束通りに翌日はクラレンスは稽古を休んで、海直も公演が終わったすぐだったので休みをもらって、アンジェラと三人でケーキ屋に行ってケーキを選び、デパートで誕生日お祝いを買ってもらった。
アンジェラからはクラレンスとお揃いの生地のショートパンツのスーツを着るときにつける、花のラペルピン。
クラレンスがくれたのは、二匹のリスが口付けをしているような指輪だった。
「そろそろ婚約指輪をあげてもいいかと思ってね」
「すみれいろのおめめのリスさん、かわいいです」
まだ海直の指には大きいし、付けておくことはできないので、首から下げるチェーンも買ってもらったが、そのチェーンも指輪もプラチナで、リスの目にはまっている石がパープルのサファイアだということに、海直が気付くはずもなかった。
ちなみに、アンジェラはしっかりと気付いていて「にいさま、ほんきがすぎるわ」とドン引きしていたのは、後々、語られて知ること。
7歳の誕生日を家族に祝われて、海直は世界で一番幸せだと思っていた。
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