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第1部 天然女子高生のためのそーかつ
第30話 集団的自衛権
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東京都千代田区にある私立マルクス高等学校は(後略)
「ちょっと君君、うちの雑誌の読者モデルになってくれないかな? お嬢様女子高生を特集する予定なんだけど、君ならピッタリだよ」
「そう仰いましても、わたくしは没落令嬢でしてよ?」
「実際の資産なんて関係ないさ! ネネ、いいだろ?」
ある日曜日の昼過ぎ。弟の正輝が出場しているアメフトの試合を見学した帰りに、私は堀江有紀先輩が路上でファッション誌のスカウトを受けているのを目にした。
「協力してあげたいですけど、わたくしは仕事で忙しいんです」
「そんなこと言わずにさあ、報酬は弾むから」
「ちょっと待ってくださいよ。さっきから迷惑がってるじゃないですか!」
うちの高校では間違いなく美人度ナンバー1のグラマーな女子生徒であるゆき先輩を助けるべく、一緒に帰っていた正輝はスカウトのおじさんを大声で注意した。
正輝の大声に通行人が集まってきて、厄介事を怖れたのかスカウトのおじさんは頭を下げてすみませんと言うとその場から逃げ去っていった。
「ありがとう、マナの弟君。男らしかったですわよ」
「そんな、姉ちゃんがお世話になってる先輩を助けただけですから」
かなりの美人のゆき先輩を目の前にして、いたいけな男子中学生である正輝は顔を赤らめていた。
「ピンチを助けて頂きましたから、わたくしもあなたにお礼がしたいですわ。……そうね、今日からわたくしとあなたは同盟関係よ。あなたがお困りの時は、わたくし自身が困っていなくても助けることを約束します」
「ど、同盟……?」
ゆき先輩は例によって突拍子もない提案をして、正輝は怪訝な表情をしていた。
それから1か月後……
「いいねえいいねえ、君の運動センスには目を見張るものがあるよ。一緒にサッカーをやらないかい?」
「えっ、でも俺アメフト部員なんです」
休日に私とショッピングに行ったついでに公園でランニングをしていた正輝は、ちょうど居合わせた地元のサッカーチームのおじさんにスカウトを受けていた。
「アメフト部員っていっても、君の体格ならサッカーも全然できるよ。うちのチームはプロになる人も多いから、その才能をもっと活かしてみないかい?」
「そう言われても、友達も一杯いますし……」
「友達はサッカーチームでも沢山作れるさ。ネネ、いいだろ?」
しつこい勧誘に困っていた正輝に、後方から誰かが歩み寄ってきた。
「マナの弟君、今こそ集団的自衛権を発動致します。そこのスカウトさん、サッカーチームにはわたくしが入りますわ!」
「ええっ!?」
「何です? このわたくしでは不服だとでも?」
「いや、そんなことはないですよ。ぜひよろしくお願いします」
「堀江さん、そんな無理しなくても」
「あの時の借りを返すだけですわ。試合は弟君も見に来てちょうだいね」
ゆき先輩はそのまま地元のサッカーチームに所属することになり、私はサッカーといっても流石にマネージャーか何かだろうと考えていた。
それからさらに1か月後。私はゆき先輩からサッカーチームの練習試合に誘われ、正輝と一緒に見学しに行っていた。
「ヘイ、パスパス! 行きますわよ、必殺の成金シュートですわ!!」
「こっ、これはっ!!」
「うわっ、敵チームの前衛が鼻血出して倒れたぞ!!」
ゆき先輩はまさかの選手としてサッカーの試合に出ており、激しい運動で揺れまくる先輩のバストを見ていたいけな男子中学生たちは大混乱に陥っていた。
「姉ちゃん、俺試合見に来て良かったよ……」
「はいはい、好きなだけ楽しんでね」
目をキラキラさせて興奮している正輝に、私は男の人って何歳でも変わらないなあと思った。
(最終話に続く)
「ちょっと君君、うちの雑誌の読者モデルになってくれないかな? お嬢様女子高生を特集する予定なんだけど、君ならピッタリだよ」
「そう仰いましても、わたくしは没落令嬢でしてよ?」
「実際の資産なんて関係ないさ! ネネ、いいだろ?」
ある日曜日の昼過ぎ。弟の正輝が出場しているアメフトの試合を見学した帰りに、私は堀江有紀先輩が路上でファッション誌のスカウトを受けているのを目にした。
「協力してあげたいですけど、わたくしは仕事で忙しいんです」
「そんなこと言わずにさあ、報酬は弾むから」
「ちょっと待ってくださいよ。さっきから迷惑がってるじゃないですか!」
うちの高校では間違いなく美人度ナンバー1のグラマーな女子生徒であるゆき先輩を助けるべく、一緒に帰っていた正輝はスカウトのおじさんを大声で注意した。
正輝の大声に通行人が集まってきて、厄介事を怖れたのかスカウトのおじさんは頭を下げてすみませんと言うとその場から逃げ去っていった。
「ありがとう、マナの弟君。男らしかったですわよ」
「そんな、姉ちゃんがお世話になってる先輩を助けただけですから」
かなりの美人のゆき先輩を目の前にして、いたいけな男子中学生である正輝は顔を赤らめていた。
「ピンチを助けて頂きましたから、わたくしもあなたにお礼がしたいですわ。……そうね、今日からわたくしとあなたは同盟関係よ。あなたがお困りの時は、わたくし自身が困っていなくても助けることを約束します」
「ど、同盟……?」
ゆき先輩は例によって突拍子もない提案をして、正輝は怪訝な表情をしていた。
それから1か月後……
「いいねえいいねえ、君の運動センスには目を見張るものがあるよ。一緒にサッカーをやらないかい?」
「えっ、でも俺アメフト部員なんです」
休日に私とショッピングに行ったついでに公園でランニングをしていた正輝は、ちょうど居合わせた地元のサッカーチームのおじさんにスカウトを受けていた。
「アメフト部員っていっても、君の体格ならサッカーも全然できるよ。うちのチームはプロになる人も多いから、その才能をもっと活かしてみないかい?」
「そう言われても、友達も一杯いますし……」
「友達はサッカーチームでも沢山作れるさ。ネネ、いいだろ?」
しつこい勧誘に困っていた正輝に、後方から誰かが歩み寄ってきた。
「マナの弟君、今こそ集団的自衛権を発動致します。そこのスカウトさん、サッカーチームにはわたくしが入りますわ!」
「ええっ!?」
「何です? このわたくしでは不服だとでも?」
「いや、そんなことはないですよ。ぜひよろしくお願いします」
「堀江さん、そんな無理しなくても」
「あの時の借りを返すだけですわ。試合は弟君も見に来てちょうだいね」
ゆき先輩はそのまま地元のサッカーチームに所属することになり、私はサッカーといっても流石にマネージャーか何かだろうと考えていた。
それからさらに1か月後。私はゆき先輩からサッカーチームの練習試合に誘われ、正輝と一緒に見学しに行っていた。
「ヘイ、パスパス! 行きますわよ、必殺の成金シュートですわ!!」
「こっ、これはっ!!」
「うわっ、敵チームの前衛が鼻血出して倒れたぞ!!」
ゆき先輩はまさかの選手としてサッカーの試合に出ており、激しい運動で揺れまくる先輩のバストを見ていたいけな男子中学生たちは大混乱に陥っていた。
「姉ちゃん、俺試合見に来て良かったよ……」
「はいはい、好きなだけ楽しんでね」
目をキラキラさせて興奮している正輝に、私は男の人って何歳でも変わらないなあと思った。
(最終話に続く)
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