冷遇された公爵子息に代わって自由に生きる

セイ

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19.身体の変化

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無事初めての発情期を終えた俺はテントの外へ出ると3人が焚火を囲んで食事をしてた…。

「あ、ナル君無事終わった?」

メンバーに知られていると思うと恥ずかしさが勝つけどそんな事言ってられないのはわかってる。

「あ…うん…あの…迷惑かけてごめんなさい…」

旅路をストップさせてしまった申し訳なさから謝ったけど皆の反応は全く違ったものだった。

「ナル君…発情期は人間以外にはあって当たり前なんだよ?
むしろ今までなかったのが不思議なくらいだ。だから謝らなくていいんだよ?」
「う…あ…うん…。ありがと…」
「ん、ちゃんとファイにマーキングしっかりされてる様で良かった良かった」
「…それってすぐわかるもん?」
「噛み跡あるし、ナル君からファイの匂いがっつりするからねぇ…」
「俺のもんだから手ぇ出すなよってことだね」

いつも一緒にいるから良くわからなかったけど他の人にはそう感じるんだ…。

「変な奴もいっぱいいるから王都入る前にマーキング出来てファイはホッとしてんじゃない?マーキングしてるだけで近づく奴は減るだろうし」
「俺はいいけどファイはどうなの?近づく人いるんじゃない?」
「そこは雄の心持ち次第じゃない?自分の雌の為に頑張るでしょうよ」
「俺がファイに近づく奴を蹴散らせばいい話か…」
「お互い独占欲の塊だねぇ~…」
「それよりお腹空いた!!」
「そう思って朝ご飯は用意してあるよ。ファイと食べな」
「うん。ありがとー」

俺は朝食を持ってファイと一緒に食べ始めた。

発情期があった事で種族のアレコレを教えて貰ったけど…俺自体の事は良くわからないんだよね…。
ファイに聞いてみてもやっぱり竜人は少し特殊っぽい。竜人自体が少数しか生きてないのもあって分からないことは多い。

聞くならやっぱり父上が一番なんだろうけど…。
竜人は家族しか知らないし、他の竜人は知らない。
家で勉強してる時も家系図的なものはなかったし、竜人についての本もなかった。態と置いてなかったのかもしれない。
母は…多分人間だったと思う。身体が弱かったし。
家に居たら知る機会はなかったかもしれないけど、家に居ないと分からないことはあったなぁと思う。今更だけど。

「ねぇ…ファイ」
「ん?どした?腹いっぱいか?」
「…王都に慣れて落ち着いたら…父上に会いに行こうと思う」
「……それは必要なことか?」
「うん。俺の事をちゃんと教えて貰おうと…思う。俺自身の事もそうだけど、竜人なんて稀少種の事父上にしか聞けないよなって…」
「家に帰ってこちらに帰って来れなくなるかもしれないとしてもか?」
「それはファイも一緒だったら大丈夫でしょ?」
「…勿論いつも一緒に居るけど力ではどうにもならない事もあるかもしれないんだぞ?」
「…それは覚悟の上。そうなったら父上を殺す覚悟もある。俺が一番大切なのはファイだから。でも出来れば穏便に済ませられるのが一番だけどね」
「ははっ…やっぱりお前も脳筋だな……了解!それもちゃんと考えておこう」

ファイは笑いながら1つキスを落とす。
これだけで俺は安心するんだ。
ファイと一緒なら何でも出来そうだって思わせてくれるんだ。

「良し!片付けたら王都に向けて出発するか!!お前らも待たせて悪かったな!!」
「いいよぉ~王都入る前にゆっくり出来たし」

荷物を全部仕舞い、出発した。

俺はまだまだ知らない事が有るし、やりたい事も沢山ある。
この先ももっともっと楽しい事があると思うとワクワクが止まらなくて自然と足取りが軽くなっていく。

そんな姿を皆が微笑ましく見てた。









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