冷遇された公爵子息に代わって自由に生きる

セイ

文字の大きさ
18 / 23

18.発情期※

しおりを挟む
最近ファイからいい匂いがする。
そしてその匂いを嗅ぐと身体の奥がムズムズする感じ?
これって何なのかなぁ…。
ファイはいつも通りだし、俺も風邪って感じはしない…。

ファイには言ってない。
絶対盛大に心配するから。

「師匠~!!」
「ん?何ナル君」
「あのね、最近身体がムズムズする感じがするの。風邪ではないと思うんだけど…。ファイからいい匂いもするんだけど俺鼻変になっちゃったのかなぁ?師匠はファイから匂いしない?」
「………ちっ。ファイ!!こっち来い!!」
「え…ファイ呼んじゃうの!?内緒にしてたのに!」
「まず何でファイに言わない?番だろ?」
「…番が関係あるの?…ただ心配かけちゃうと思って……」
「何だサイール」
「この番のおバカちゃんは発情期入りそうだぞ」
「え!?そうなの?ナル?」
「え…わ…わかんない…」
「ファイから匂いするってよ。…その身体がムズムズするって。俺に相談してきたんだけど!?お前番について教えてねぇのかよ!!」
「あ…番のことよく知らなかったんだっけ…すまん…」
「ったく!バカどもが!!自分の事くらい調べたり教えたりしとけよ!」

俺発情期に入りそうなの?発情期って何?俺どうなるの?

「俺何かなっちゃうの?どうしたらいいの?」

ファイが側にいるからなのかだんだん身体が熱くなってきた。
俺の身体どうなっちゃったの?怖くなってきて涙が出てしまう。

「ふぇ…ファイ~…何か身体がおかしい…!助けてぇ…」
「さっさと連れてテントに籠もれ!!」
「…初めての発情期はこんなところでやるつもりはなかったのに…」
「そんな事言ってる場合かよ!」
「ナル?抱き上げるぞ?大丈夫だからな?」
「う…うん…はぁ」

ファイに触れられると身体がビクビクしちゃう…。
ファイに迷惑かけちゃった…ぐすん

「テントに入るよ?」
「っ…ん」
「っはぁ…ナルの匂いも凄いな…気づかなかった…ふぅ…急に来たのか…」
「ファイの…匂いも…凄い…よ…?」
「ふふっ…そっか。この匂いはお互いが番を求めてる証拠だ。だけど、今のままじゃ他の雄を呼び寄せちゃうから今からお前をホントに番にする」
「どーいう…こと?今までは…番じゃなかった…の?」
「正確には他の雄を近づかせないように俺がお前にマーキングするって事…かな?」
「マーキング…」
「発情期っていうのは雌が繁殖行為が可能な周期に入る事で性的興奮が高まるんだ。俺達の祖先の動物の本能の名残で獣人の俺達にもあるんだ」
「…俺ってばエッチしたいって盛ってるってこと!?恥ずかし…!!」
「発情期は恥ずかしい事じゃない。俺は嬉しい。お前が俺を求めてくれてるって事だろ?」
「うぅ~…とにかく助けて…」
「声が漏れないように遮音結界を張るからちょっと待って」
「ぅん…はぁ…あ…」

こんな所でやるの!?でも仕方ないよね…うん。

「ナル…ちゅっ…チュ…はぁ…お前の匂いで俺もヤバい…」
「ん…ん、あ…」

ファイは前の時のように耳と尻尾が出てるから興奮してるのがわかった。それがとても嬉しい。

「ぅん…ん…はっ…あ、あ、んんっ!!」

発情期だからなのかいつものキスも触れるだけで気持ちが良くてそれだけでイッてしまった。

「もっと気持ちよくなろうな…?」
「はっ…あ、ファイ…ファイ…」

ファイの俺の頬を撫でる手も俺の腰に当たるモノも気持ちよくて身体の奥がきゅんきゅんする。

「あ…ファイのも大きくなってる…?」
「ん、お前が可愛くてエロいから」
「これ…お腹に欲しい…」

ファイの大きくなったモノを見たら欲しくなっちゃって、ズボンと下着を脱ぎ捨て自分から足を開いてみた。

「くそ…お前何処でそんな煽り方覚えたんよ…」
「ん…早くっ!!奥がムズムズするの治して!!」
「はぁ…発情期に釣られて俺も歯止めきかなくなりそ…」

ファイは俺をうつ伏せにしてお尻だけ上げた格好にすると自分の猛ったモノを穴にコスコスと滑らせる。

「もう入っていい?ナル…これ欲しかったんでしょ?」
「ん…入れてぇ…早く…」

焦らされて自分からお尻を振ってしまう。
俺の番…俺の雄を求めて淫らになっちゃうのは許して…。

「ぐっ…可愛いな…」
「ひっ…あぁぁぁぁ…!!あっ…あ、あ、ぅあ…んん…」

ファイは俺の腰を強く掴むと一気に突き入れた。
解してないのに入ったのは発情期で雄を迎え入れやすくなってるらしい…。

「中気持ち…もっと奥入れるからな?」
「あ…奥…奥きてぇ…」
「はぁ…ぐっ…くそ…持ってかれそ…」

ぐぐぐ…と狭い中を進んで奥の行き止まりまで入ってくる。

「あ…あひ…あ…それ以上…はダメぇ…」
「まだ奥いけるぞ?奥来て欲しいんだろ?もうちょい頑張れ?煽った責任は自分で取れよ?」
「ひん…あ…や…あん…あ…あぁ…」

パンパンと強い挿入に腰が逃げてしまうがすかさずファイが引き戻してまた再開する。
こんなに激しいのは初めてで意識が飛びそう。

「ね…ナル…一番奥で出していい…?」

耳元で囁くファイの低い声が興奮してるのがわかる。
その声を聞くだけでビクビクしちゃった。
ファイの声好き…。

「ひっ…あ…あっ…あ…」
「俺の赤ちゃん孕む覚悟は出来てるかな…?」
「あ…赤ちゃん…ファイの赤ちゃん…欲しいぃ…孕ませて…ファイが孕ませて…!」
「…っ!!ぜってぇ…孕ます!!」

ファイは今まで以上に奥を突き出して、更に奥へと入ろうとしてる。奥をこつこつ突かれると気持ちよくてわけわかんなくなってるけど…奥に来て欲しくて開く準備してるのが自分でもわかる。

「…っは…あ、奥開いちゃう…そこ入ったら…おれダメになっちゃ…あ、あ、あっあっあっ…」
「ダメになったら俺がお世話してやるからかまわねぇよ…っ」
最後の一突きでぐぽっとしちゃいけないような音を出しながら奥まで入った瞬間俺は潮吹きしながら盛大にイッた。

「あ…あ…あ…ひっ…う…へぁ…あ」
「ナル…?ここからが本番だよ?何寝ようとしてんの?」

ファイは容赦なく奥を突き始めると、まだイキ続けてる俺は喋る事も出来ずに小さな喘ぎ声しか出せなくなってた。
ファイとは何度か身体を重ねているけどこんなに問答無用で抱かれる事はなかったから初めての連続絶頂が気持ちいいけど辛い…。

「ひぅ…あん…あ…あっあっ…ふぁぃ…ふぁい…かお…みたぃ…」
「ん、もーちょい待って…ふぅ…」

ファイはそう言って俺を押しつぶすように抱きしめながら強く腰を進め奥へと入ると、項を舐めたと思ったら強く噛まれた。
多分血が出てるんじゃないかと思う程。
噛まれた瞬間身体に力が入って中を強く締め付けてしまった。

「…っぐ…はぁ…あ…イクっ…ナル孕め孕め孕めっ…」

びゅるるるるっ…と一番奥でイッたファイは力が抜けたのか俺の上で脱力してる。俺も気づかなかったけど一緒にイッてた。

「ん…ぐ…はぁ…ファイ…?」

普通なら重いんだろうけど、今はこの重みが凄く嬉しかったりする。それにファイに包まれてるから凄い幸せ。

「ナル…ごめん…ちゅっ…ちゅっ…苦しくない?…発情期収まった…かな?」
「あ…ん…んぅ…はぁ…多分…?気持ちいいのが終わらなくて…困ってる…はぁ…あ…」
「はぁ~…可愛い過ぎて…離れたくない~!」
「…俺も…もうちょっとくっついてたい…な…?」

ぎゅっと抱きしめるとおでこにキスをしてくれる。
舌を絡ませるようなキスも気持ちよくて好きだけど、唇とかおでこに軽くする軽いキスの方が幸せになるのはファイの優しさを感じれるからかなぁ…?

こんな感じで俺の初めての発情期は軽い感じで済んだ。これ軽い方なんだって。酷い人は1週間くらい続くんだって。
俺にはファイがいるから心配しなくていいけど番がいない人はどうするんだろ…?
今度ちゃんと発情期とか番の事勉強しよう。

体調おかしい…と思ったらすぐファイに言うようにちょっとだけ怒られた。


俺…ファイの赤ちゃん産めるんだ…?
男なのに産めるの?
凄く幸せで嬉しいと同時に怖くなっちゃったのは内緒。
でもファイが俺にファイの子供を産んで欲しいと言ってくれたのは嬉しかったから怖くても大丈夫…。









しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

【第一部・完結】毒を飲んだマリス~冷徹なふりして溺愛したい皇帝陛下と毒親育ちの転生人質王子が恋をした~

蛮野晩
BL
マリスは前世で毒親育ちなうえに不遇の最期を迎えた。 転生したらヘデルマリア王国の第一王子だったが、祖国は帝国に侵略されてしまう。 戦火のなかで帝国の皇帝陛下ヴェルハルトに出会う。 マリスは人質として帝国に赴いたが、そこで皇帝の弟(エヴァン・八歳)の世話役をすることになった。 皇帝ヴェルハルトは噂どおりの冷徹な男でマリスは人質として不遇な扱いを受けたが、――――じつは皇帝ヴェルハルトは戦火で出会ったマリスにすでにひと目惚れしていた! しかもマリスが帝国に来てくれて内心大喜びだった! ほんとうは溺愛したいが、溺愛しすぎはかっこよくない……。苦悩する皇帝ヴェルハルト。 皇帝陛下のラブコメと人質王子のシリアスがぶつかりあう。ラブコメvsシリアスのハッピーエンドです。

平民男子と騎士団長の行く末

きわ
BL
 平民のエリオットは貴族で騎士団長でもあるジェラルドと体だけの関係を持っていた。  ある日ジェラルドの見合い話を聞き、彼のためにも離れたほうがいいと決意する。  好きだという気持ちを隠したまま。  過去の出来事から貴族などの権力者が実は嫌いなエリオットと、エリオットのことが好きすぎて表からでは分からないように手を回す隠れ執着ジェラルドのお話です。  第十一回BL大賞参加作品です。

婚約破棄されてヤケになって戦に乱入したら、英雄にされた上に美人で可愛い嫁ができました。

零壱
BL
自己肯定感ゼロ×圧倒的王太子───美形スパダリ同士の成長と恋のファンタジーBL。 鎖国国家クルシュの第三王子アースィムは、結婚式目前にして長年の婚約を一方的に破棄される。 ヤケになり、賑やかな幼馴染み達を引き連れ無関係の戦場に乗り込んだ結果───何故か英雄に祭り上げられ、なぜか嫁(男)まで手に入れてしまう。 「自分なんかがこんなどちゃくそ美人(男)を……」と悩むアースィム(攻)と、 「この私に不満があるのか」と詰め寄る王太子セオドア(受)。 互いを想い合う二人が紡ぐ、恋と成長の物語。 他にも幼馴染み達の一抹の寂寥を切り取った短篇や、 両想いなのに攻めの鈍感さで拗れる二人の恋を含む全四篇。 フッと笑えて、ギュッと胸が詰まる。 丁寧に読みたい、大人のためのファンタジーBL。 他サイトでも公開しております。

悪役令息(Ω)に転生した俺、破滅回避のためΩ隠してαを装ってたら、冷徹α第一王子に婚約者にされて溺愛されてます!?

水凪しおん
BL
前世の記憶を持つ俺、リオネルは、BL小説の悪役令息に転生していた。 断罪される運命を回避するため、本来希少なΩである性を隠し、出来損ないのαとして目立たず生きてきた。 しかし、突然、原作のヒーローである冷徹な第一王子アシュレイの婚約者にされてしまう。 これは破滅フラグに違いないと絶望する俺だが、アシュレイの態度は原作とどこか違っていて……?

無能の騎士~退職させられたいので典型的な無能で最低最悪な騎士を演じます~

紫鶴
BL
早く退職させられたい!! 俺は労働が嫌いだ。玉の輿で稼ぎの良い婚約者をゲットできたのに、家族に俺には勿体なさ過ぎる!というので騎士団に入団させられて働いている。くそう、ヴィがいるから楽できると思ったのになんでだよ!!でも家族の圧力が怖いから自主退職できない! はっ!そうだ!退職させた方が良いと思わせればいいんだ!! なので俺は無能で最悪最低な悪徳貴族(騎士)を演じることにした。 「ベルちゃん、大好き」 「まっ!準備してないから!!ちょっとヴィ!服脱がせないでよ!!」 でろでろに主人公を溺愛している婚約者と早く退職させられたい主人公のらぶあまな話。 ーーー ムーンライトノベルズでも連載中。

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

麗しの眠り姫は義兄の腕で惰眠を貪る

黒木  鳴
BL
妖精のように愛らしく、深窓の姫君のように美しいセレナードのあだ名は「眠り姫」。学園祭で主役を演じたことが由来だが……皮肉にもそのあだ名はぴったりだった。公爵家の出と学年一位の学力、そしてなによりその美貌に周囲はいいように勘違いしているが、セレナードの中身はアホの子……もとい睡眠欲求高めの不思議ちゃん系(自由人なお子さま)。惰眠とおかしを貪りたいセレナードと、そんなセレナードが可愛くて仕方がない義兄のギルバート、なんやかんやで振り回される従兄のエリオットたちのお話し。完結しました!

処理中です...