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23.怒りの鉄鎚
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俺が捕縛した女に静かに近寄るファイに声をかけた。
「ファイ…?」
「ん?何だナル」
「えっと…大丈夫…?」
「俺は何ともないよ?ただどうやってこの女にお仕置きしようか考えてただけだよ?」
これ大丈夫じゃないやつー!!
これじゃ死人出ちゃう!!
師匠たちも止めてよ~っ!!
焦りながら師匠たちの方を向くと既に避難しているようで、首を横に振ってファイを指指す動きをしてる。
何それ…俺にどうにかしろって…?
無理じゃない?俺は止められないんじゃない?俺の為に怒ってるのにさぁ!!
ギルマスまで避難してるし!!
頼りない大人だなもうっ!!
「あ…あの…ファイ?お仕置きは必要だけど…殺しちゃダメ…だよ?」
「ん?あぁ…殺しはしないよ。死にたくなる程度に留めるから大丈夫」
「あ、これ止めても無駄なやつ…」
こんなに怒ってるファイを見たことないからどうしたらいいかわからない…。
一応殺さないって言ってるから大丈夫…なのかなぁ?
「あの…お姉さん!!早く謝って!!」
何か凄い事になりそうだからお姉さんに謝罪を促してあげたのに更に怒声をあげる始末。
「そこのクソガキ!!ファイ様から離れなさいよ!!いつまで横に居る気!?それとこの拘束もさっさと解きなさいよ!!」
俺の優しさを無碍にしやがってぇ~!!
「…女…その汚い口を閉じろ?ぶっ殺すぞ…」
ファイの聞いたことのない低く冷めた声に、お姉さんだけでなく俺も身体を震わせてしまった。
「ひっ…あ……」
お姉さんはいつもの優しいファイではない事に今更気付いたのかファイの殺気をモロに浴びて震えて動けなくなっていた。
「…優しいナルのお願いだから殺しはしないが…俺の大切な番を殺そうとした罪は償って貰うよ?」
そうニッコリ微笑んでお姉さんを蹴りで吹っ飛ばした。
「ぎゃあああっ!!」
「番の報復を知らないわけでもねぇだろ?こうなるって分かっててやってんだろ?あ"?」
蹴りの衝撃で内臓が損傷したのだろう、血を吐きながら謝るお姉さん。
「ひっ…あ"…あ"…ごめ…なさ…」
「謝るくらいなら最初からやるんじゃねえよ!!」
バキッ!!
更に蹴りを入れて吹っ飛ばしていく。
こんな一方的にやるのはダメだ。
いつものファイらしくない!!
興奮しすぎて変化も解けて元の姿に耳と尻尾まで出てしまっている。
「ファイ!!ステイ!!やりすぎ!!その姿俺以外に見せるつもり!?」
俺の声でピタリと止まったファイ。
「あ…な…る?」
「ん!」
俺はファイに向けて両手を広げた。
その俺の腕の中へ身体を預けるファイ。
…耳と尻尾も隠れてやっと興奮が収まったようだった。
「ファイ。怒ってくれるのは嬉しいけど興奮しすぎて耳と尻尾を出すのはよくないなぁ。これを見れるのは俺だけの特権でしょ?」
「…すまん。頭に血ぃ上り過ぎた…」
心を落ち着かせる為か俺をぎゅうっと抱きしめるファイの頭をなでなでしてあげた。
黒狼族って戦闘狂って言ってたけど興奮するとこう時の怒りゲージも激しくなっちゃうのかなぁ…?番のせい?
ファイのこういう所はあまり見たくないから俺も気をつけなきゃ…。
「ファイ。師匠達のとこ行ってて」
「…しかし…」
「大丈夫だからっ!!ほらっ!!」
俺とお姉さんを置いて行くことに不満顔だったけど大人しく従ってくれた。
俺はお姉さんに近づいていく。
「ひっ…ご…ごめんなさいっ…」
う~ん…お姉さんカタカタと震えてちょっと可哀想かな…。
「ん~…ここまでするとは俺も思ってなかったんだよねぇ~。ファイの新しい一面知った感じ?俺はお姉さんたちに自分の実力を示すだけのつもりだったんだけど…思ってたよりもお姉さんたちの殺意が凄かったからさぁ…ヒール…」
お姉さんの傷を治しながら話をする。
「な…何で治してくれるの。アンタを攻撃したのに…」
「…卑怯な事してきたのはまだムカついてるけどさ、こんな一方的なのは…無しでしょ。言っちゃ悪いけどアンタたち格下相手にやっちゃいけないことだ。力でねじ伏せるにしろやり方を間違えちゃいけない。これはファイがやった事だけど…ごめんね?」
「……。流石番ね。ファイ様の手綱を握れるのはアンタだけみたい…アタシこそごめんなさい。ファイ様にも言っておいて。アタシが顔見せるとダメな気がするから」
「ん…わかった」
「アタシこの街出ていくわ。もうファイ様と顔合わせられないし。合わせたらまた攻撃食らいそう…」
「…そんなことしないと思うけど…」
「許されない事をしたから。分かってたハズなんだけどね…番持ちに手を出す事がどういうことか…でもホントに好きだったの…。ファイ様追いかけ続けたのに…」
「……」
ファイの番である俺には答えることは出来なかった。
「こんな事アンタに言っても仕方ないわね…ごめんなさい」
「…お姉さん…いつかいい人見つかるよ…今度は間違えないようにね?」
「…アンタってお人好しね…」
お姉さんは一度ファイたちの方を向くとお辞儀をして去っていった。
俺は壊れた舞台土魔法で直してファイたちの元へ戻った。
ファイは自分のやらかしにまだ凹んでるみたい。
「…ナル…すまなかった…」
「ふふっ…ファイの新しい一面見れて良かったよ」
「あれは忘れてくれ…マジで…」
「ファイのあのマジ切れはSランクになった時以来だなぁ。あの時はファイのSランク昇格に文句言った奴伸した時だったか?」
「…あの時のファイもヤバかったけど今回はそれ以上だったな…仲間で良かったって再確認したぜ…」
「コーガもサイールも余計なこと言わなくていい」
「何それ僕知らない!!」
「俺も気になる~!!教えて師匠~!」
「お前らね…」
師匠たちとの会話でだいぶ落ち着いたみたい。
やっぱり仲間の力は偉大だよね!!
「ナル。訓練場を直して貰って悪いな…」
「ギルマスが腰抜けというのがわかったのでいいです」
「いや…その…悪かった!!お前のCランク取得に必要な模擬戦も免除だ。アレを見て模擬戦やってもな…」
「わーい!!やったー!!ファイ!無事Cランクだよぉ~!!」
「ふっ…おめでとうナル」
「へへ…」
微笑みながら頭をなでなでしてくれるいつものファイだ。
やっぱりこのファイがいいよね!!
「ギルマス~パーティー登録も宜しくね!!」
「了解。上の受付で待っててくれ」
冒険者登録とパーティー登録が出来てルンルンな俺はその場にいた冒険者たちが怯えた顔をしていたのを見ていなかった。
ギルドに来る度に避けられる事になるとは思ってもみなかった俺なのでした。
「…ファイさんの番さん強ぇんだな…」
「ファイさんもあれ程溺愛してんのもわかるわぁ~」
「ちっこくて可愛いしな…羨ましい…」
「番さんを変な目で見たらダメだぞ!!死ぬぞ!!」
「これは皆に広めておかないとまた犠牲者が…!!」
「その調子で広めといてねぇ~何かしでかしても命の保証はしないからね?」
「!!サイールさん!!」
「ファイ…?」
「ん?何だナル」
「えっと…大丈夫…?」
「俺は何ともないよ?ただどうやってこの女にお仕置きしようか考えてただけだよ?」
これ大丈夫じゃないやつー!!
これじゃ死人出ちゃう!!
師匠たちも止めてよ~っ!!
焦りながら師匠たちの方を向くと既に避難しているようで、首を横に振ってファイを指指す動きをしてる。
何それ…俺にどうにかしろって…?
無理じゃない?俺は止められないんじゃない?俺の為に怒ってるのにさぁ!!
ギルマスまで避難してるし!!
頼りない大人だなもうっ!!
「あ…あの…ファイ?お仕置きは必要だけど…殺しちゃダメ…だよ?」
「ん?あぁ…殺しはしないよ。死にたくなる程度に留めるから大丈夫」
「あ、これ止めても無駄なやつ…」
こんなに怒ってるファイを見たことないからどうしたらいいかわからない…。
一応殺さないって言ってるから大丈夫…なのかなぁ?
「あの…お姉さん!!早く謝って!!」
何か凄い事になりそうだからお姉さんに謝罪を促してあげたのに更に怒声をあげる始末。
「そこのクソガキ!!ファイ様から離れなさいよ!!いつまで横に居る気!?それとこの拘束もさっさと解きなさいよ!!」
俺の優しさを無碍にしやがってぇ~!!
「…女…その汚い口を閉じろ?ぶっ殺すぞ…」
ファイの聞いたことのない低く冷めた声に、お姉さんだけでなく俺も身体を震わせてしまった。
「ひっ…あ……」
お姉さんはいつもの優しいファイではない事に今更気付いたのかファイの殺気をモロに浴びて震えて動けなくなっていた。
「…優しいナルのお願いだから殺しはしないが…俺の大切な番を殺そうとした罪は償って貰うよ?」
そうニッコリ微笑んでお姉さんを蹴りで吹っ飛ばした。
「ぎゃあああっ!!」
「番の報復を知らないわけでもねぇだろ?こうなるって分かっててやってんだろ?あ"?」
蹴りの衝撃で内臓が損傷したのだろう、血を吐きながら謝るお姉さん。
「ひっ…あ"…あ"…ごめ…なさ…」
「謝るくらいなら最初からやるんじゃねえよ!!」
バキッ!!
更に蹴りを入れて吹っ飛ばしていく。
こんな一方的にやるのはダメだ。
いつものファイらしくない!!
興奮しすぎて変化も解けて元の姿に耳と尻尾まで出てしまっている。
「ファイ!!ステイ!!やりすぎ!!その姿俺以外に見せるつもり!?」
俺の声でピタリと止まったファイ。
「あ…な…る?」
「ん!」
俺はファイに向けて両手を広げた。
その俺の腕の中へ身体を預けるファイ。
…耳と尻尾も隠れてやっと興奮が収まったようだった。
「ファイ。怒ってくれるのは嬉しいけど興奮しすぎて耳と尻尾を出すのはよくないなぁ。これを見れるのは俺だけの特権でしょ?」
「…すまん。頭に血ぃ上り過ぎた…」
心を落ち着かせる為か俺をぎゅうっと抱きしめるファイの頭をなでなでしてあげた。
黒狼族って戦闘狂って言ってたけど興奮するとこう時の怒りゲージも激しくなっちゃうのかなぁ…?番のせい?
ファイのこういう所はあまり見たくないから俺も気をつけなきゃ…。
「ファイ。師匠達のとこ行ってて」
「…しかし…」
「大丈夫だからっ!!ほらっ!!」
俺とお姉さんを置いて行くことに不満顔だったけど大人しく従ってくれた。
俺はお姉さんに近づいていく。
「ひっ…ご…ごめんなさいっ…」
う~ん…お姉さんカタカタと震えてちょっと可哀想かな…。
「ん~…ここまでするとは俺も思ってなかったんだよねぇ~。ファイの新しい一面知った感じ?俺はお姉さんたちに自分の実力を示すだけのつもりだったんだけど…思ってたよりもお姉さんたちの殺意が凄かったからさぁ…ヒール…」
お姉さんの傷を治しながら話をする。
「な…何で治してくれるの。アンタを攻撃したのに…」
「…卑怯な事してきたのはまだムカついてるけどさ、こんな一方的なのは…無しでしょ。言っちゃ悪いけどアンタたち格下相手にやっちゃいけないことだ。力でねじ伏せるにしろやり方を間違えちゃいけない。これはファイがやった事だけど…ごめんね?」
「……。流石番ね。ファイ様の手綱を握れるのはアンタだけみたい…アタシこそごめんなさい。ファイ様にも言っておいて。アタシが顔見せるとダメな気がするから」
「ん…わかった」
「アタシこの街出ていくわ。もうファイ様と顔合わせられないし。合わせたらまた攻撃食らいそう…」
「…そんなことしないと思うけど…」
「許されない事をしたから。分かってたハズなんだけどね…番持ちに手を出す事がどういうことか…でもホントに好きだったの…。ファイ様追いかけ続けたのに…」
「……」
ファイの番である俺には答えることは出来なかった。
「こんな事アンタに言っても仕方ないわね…ごめんなさい」
「…お姉さん…いつかいい人見つかるよ…今度は間違えないようにね?」
「…アンタってお人好しね…」
お姉さんは一度ファイたちの方を向くとお辞儀をして去っていった。
俺は壊れた舞台土魔法で直してファイたちの元へ戻った。
ファイは自分のやらかしにまだ凹んでるみたい。
「…ナル…すまなかった…」
「ふふっ…ファイの新しい一面見れて良かったよ」
「あれは忘れてくれ…マジで…」
「ファイのあのマジ切れはSランクになった時以来だなぁ。あの時はファイのSランク昇格に文句言った奴伸した時だったか?」
「…あの時のファイもヤバかったけど今回はそれ以上だったな…仲間で良かったって再確認したぜ…」
「コーガもサイールも余計なこと言わなくていい」
「何それ僕知らない!!」
「俺も気になる~!!教えて師匠~!」
「お前らね…」
師匠たちとの会話でだいぶ落ち着いたみたい。
やっぱり仲間の力は偉大だよね!!
「ナル。訓練場を直して貰って悪いな…」
「ギルマスが腰抜けというのがわかったのでいいです」
「いや…その…悪かった!!お前のCランク取得に必要な模擬戦も免除だ。アレを見て模擬戦やってもな…」
「わーい!!やったー!!ファイ!無事Cランクだよぉ~!!」
「ふっ…おめでとうナル」
「へへ…」
微笑みながら頭をなでなでしてくれるいつものファイだ。
やっぱりこのファイがいいよね!!
「ギルマス~パーティー登録も宜しくね!!」
「了解。上の受付で待っててくれ」
冒険者登録とパーティー登録が出来てルンルンな俺はその場にいた冒険者たちが怯えた顔をしていたのを見ていなかった。
ギルドに来る度に避けられる事になるとは思ってもみなかった俺なのでした。
「…ファイさんの番さん強ぇんだな…」
「ファイさんもあれ程溺愛してんのもわかるわぁ~」
「ちっこくて可愛いしな…羨ましい…」
「番さんを変な目で見たらダメだぞ!!死ぬぞ!!」
「これは皆に広めておかないとまた犠牲者が…!!」
「その調子で広めといてねぇ~何かしでかしても命の保証はしないからね?」
「!!サイールさん!!」
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ファイさんフルボッコ……というよりギッタギタにしてましたね😅
さすがにナルくんも可哀想になり……
ファイさんはガチギレで誰も止められず……というか皆、避難してる😅
仕方なくナルくんが「ステイ」即止まるあたり、さすがわんこ🤣
逆にやり過ぎと窘めます。この瞬間に暴走ファイさんにブレーキが……。さすが猛獣使い(違うw)
トテトテと歩み寄り、諭しながらヒール。
犯人さんは情けをかけられて深く反省……
ナルくんは、無事周囲から認められたのでした。
というか、やり過ぎて怯えられてますが🤣
そしてさりげなく「さん」付けで呼ばれる事にw
脳筋さんは力の強い者に従いますwww
で、さりげなくナルくんが、最初のバトルから、追跡、捕縛から、最後の回復、壊れた現場の修復まで、ずーっと魔力使いっぱなしなの、何人が気づいたのかしら?(笑)
全然消耗してないし、ノーダメージで、むしろCランクになれて元気いっぱいなナルくんでした❣️
お仕置きはマジ切れなファイでした☺️
ナルに手懐けられるワンコな旦那です。
獰猛なワンコを手懐けるナルが最強ですね。
ノーダメで全てを終わらせるナル最強。
見た目が弱々しい分強さを隠してぶっ潰せる手札を持つナルマジ最強です🤣
ナルくんのとても楽しい勝ち方講座開講www
こういう輩はわかりやすいように、攻撃を跳ね返すくらい強固な結界と、本来ならこの体格で持てないであろう武器(しかもあまり使用しない)を思いっきり振り回す事によって筋力を見せつけ、まず相手の武器を力で叩き壊し、超ギリギリの寸止めで止める🤣
これで周囲は真っ青に……と思いきや、講座で理解出来なかった頭の1人が反則攻撃
けれどナルくんは魔力残滓も追えるので、追跡&捕縛魔法で身柄確保✨
さぁて、お馬鹿さんのお仕置きは誰がするのかしら?やっぱりファイさん?意表ついてナルくんご本人?
いずれにしろギルマスは頭痛か胃痛に悩みそう😅
もしかして両方?ちょっとワクワクしてる不謹慎な私です(笑)
チミっ子が強い魔法とデカい武器を使う筋力を持ってると皆恐ろしく思うよなぁ…とナルくんに無双して頂きました🤣
誰のお仕置きになるかお楽しみに!
ギルマスが倒れる前に片付けちゃいます👍
わぁ、お約束の『ギルドでケンカ売られる』w
ムカつきつつもナルくん、ワクワクしてますね😅
これ、まとめてボコボコにするフラグ立ったのでは(笑)
今後はナルくん恐れられそうですね
1ヶ月経たないうちにここまでレベル上げてる段階で気づかない脳筋達www
そして、一番ワクワクしてヤる気満々なナルくん(そしてケンカ売られた側のナルくんがたぶん確実に脳筋🤣)
無事仲間達に脳筋に育てられたナルは最強です☺️
最強夫夫の誕生でございます。
この先この夫夫の後始末をするのは仲間と思いきやたぶんギルマスが一番大変だと思ってます。
仲間も脳筋だから…。