貴方に贈る花束を

小鳥遊 華凜

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植物園

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目的地の植物園は一駅先の場所だった。
駅からは一本道だったため迷わずに着くことができた。

「綺麗な場所」

思わず硝子に覆われた植物園の中に入ると
無意識に自分の口から歓喜の声が出ていた。
様々な種類の花たちが喧嘩することなく各々の
咲き方をしているのだ。満開ではない花もあったがそこがまた愛らしさがありとても綺麗だ。
ゆっくりと花を観ているとわたしの瞳に《赤色》が映った。赤、白、紫、ピンク同じ花でも
こんなにも色彩豊かなのだとわたしは驚いた。
特に貴方の好きだと言った《赤色》は強くわたしを惹きつけていた。花の名前の書かれているプレートを見ると【アネモネ】と記載されていた。

「花言葉は…悲恋系のものが多いのか。」

端末片手に花言葉を検索していると色によって
悲恋だけではなく赤色は君を愛す。白、青、紫など色彩ごとに花言葉が悲恋だけではないのだ
わたしは嬉しくなった。
花束にできたらいいのに。と思いつつ他にも
何かないかと更なる散策をすることにした。
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