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2.平穏な学園生活を遅れる気がしません!!

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 「結局、考え事をしてたら寝れなかった...」
二兎家の一人息子、二兎湊は無事四季園へ入学しこれからゆっくり婚約者をさがそうと思っていた矢先、まさかの肉食獣人に求婚されるという騒ぎがあった。
 「いや、求婚してくれるのはありがたいけど相手が肉食獣人じゃ....」
しかも超がつくほどのセレブな人がどうして僕なんかに....。
 「と、とにかく僕は怖くない婚約者が良いんだ。肉食獣人なんて怖すぎる」
そもそもの話兎族とライオン族が結婚なんて前代未聞だろう。僕達兎族はライオン族と話すだけでも怖いというのに....。
「欲しかった婚約者はああいうのじゃない」
婚約者探しをしていたのは事実だ。でも同じ草食獣人同士で手を取り合って生活するつもりだったのに!
 「こうなったら、諦めてもらおう」
善は急げと言う。
 「早めに婚約者を選んで婚姻しよう」
これしかあのライオン獣人から逃げれる術がなかった。湊は震えそうになる足を前に進めながら自室を後にした。

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四季園には婚約者を探すものも多い。そのため婚約者候補集い掲示板というものがある。ここに自身の名前と種族、バース性を書いて提出すれば掲示板に貼ってもらえるというシステムだ。
 「えぇっとまず、名前を....」
 「何してるの?湊」
 「!?!?」
か、神楽雷!?全くもって気配を感じ取れなかった。その事にも衝撃だがまずは、
 「あ、あの...耳元で喋らないでもらっても...」
 「あ、ごめんね?それはそうとここまで来ても全然気づかなかったね。上手く気配を隠せたってことかな?」
 「いやいやいや..だとしても来なくて結構です!」
横から足止めするみたいに来ておいて後ろめたさもないとは...
 「そ、そもそもなんでここに!?」
 「それはだって....」
 「!?」
い、今何が起きているんだ...?僕がハグされてるの...?
 「~~~!!!」
 湊は捕獲されている状況に体が硬直してしまっていた。
 「もしかしたら湊はここに来るんじゃないかなって思って」
し、思考を完全に読まれている。
 「あ、でも安心して?湊の邪魔をしたくてここに来た訳じゃないからさ」
 「え?」
何この人...突然部屋に来て求婚してきたくせにこういう時は邪魔しないなんて変な人だ。
 「でもまぁ、最終的には俺がこの問題を解決するから大丈夫だけどね」
 「何が『大丈夫』ですか!!」
昨日のベッド・イン発言からやっぱりこの人はおかしい。とにかく今はこの状況を打破しないと昼夜問わずこの人に食われる!

しかし、兎族がライオン族に勝てる訳がなかった。体格差があり過ぎるのだ。逃げようと思っても腕の中から抜け出せないのだ。
 「ど、どうして、僕に付きまとうのですか~~!!!」
僕が目指していた平穏な生活は一体どこに行ってしまったんだろうか....。
僕は項垂れるしかなかった。
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