魔王城の面子、僕以外全員ステータスがカンストしている件について

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第24話 魔王様の新たな仲間候補

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 碧土穂波あおとほなみ
 僕と同じくさみだれ大学二年生、サークル名『緑を愛する会』に所属しており、構内でその存在を知らないものはいないほどに有名な女子である。
 有名な理由は多々あるのだが、僕の『ラブリー卍』とは部室が隣同士ということもあってか顔を合わせることが多かった。
 コットンは碧土さんをまじまじと見ながら、

「ふわぁ、す、すごく、美人な方ですね」
「そうだね。僕もそこには同意かな――あ、目を覚ましそうだよ」

 碧土さんはゆっくりと目を開き、僕を見るや否や大きなため息を一つ、

「……目を覚ますと変態がいるなんてついてないわ」
「助けてもらっておいて開口早々ひどすぎるぅっ!」
「ごめんなさい、先に素直な感想がでてしまったわ。その顔と身体でバランスの取れていないスタイルはなにがあったの? 天音くん本気で少し気持ち悪いわよ」
「本気で少しってもう普通にただのマジだよね」
「それで、天音くんとこちらの可愛らしい女の子が助けてくれたのかしら?」
「ふぇっ? あ、わぅ、わわ、私は、氷の呪いを解除をしただけで、だ、大それたことはしてません」
「ありがとう。呪い、だったのね。急にヘビみたいな生き物に襲われて――それからの記憶が曖昧だったの」
「あ、アイスポールだと思います。え、エサと認識したものを、氷漬けにして保管する性質があります」

 ゴンザレスさん以外にも色々な魔物がいるんだなぁ。

「は、晴人様がここに来た理由は聞いていましたが、ゆ、友人の方もご一緒だったとは、嬉しい偶然ですね」
「あなた、名前はなんていうの?」
「わぅ、わ、私ですか? こ、コットンと言いますが――」

 ガシりっと、碧土さんはコットンの両肩を掴みながら、

「コットンちゃん、私と天音くんは友人ではないわ。ただ同じ大学に通うだけという間柄なだけよ」
「――ぴょえん!」
「碧土さん、コットンが怖がるからやめてよ」
「あ、そんなつもりはなかったの。コットンちゃん、ごめんなさい。簡単にまとめると私と天音くんはただ同じ敷地内で勉強しているだけ」
「まとめ方がハイセンスすぎる」

 有名な理由の一つは、この殺伐とした性格である。
 碧土穂波、彼女は圧倒的なまでに異性に対して壁を作るのだ。だが、そんな彼女に対して男性は彼女を放っておかない。
 何故かというと、ものすごく美人だからである。
 さらりと腰くらいまで伸びた艷やかな髪。端正に整った顔立ち、少しつり目がかった眼差しからは強気な印象が見受けられる。
 加えて、外見以外にも目立つ要素はエトセトラ、スポーツをやらせても万能にこなし、成績に至っては入学時に首席挨拶をこなしているあたり言うまでもないだろう。
 言わば文武両道、端的に言うならば天才美少女である。
 さらに学業とは別に芸能活動までやっており、世間的には知らない人はいないほどの大人気読者モデルでもある。
 最早、一部の隙もないステータスなのだ。
 ここまで華やかな意味で目立つ存在であれば当然か、数多の男が彼女に告白をしその数だけ玉砕したものがいる。彼女は異常なまでに異性に対して厳しいのだ。そして、男共のハートをぶち壊していくことにより――付いたあだ名は『破壊姫』。

「ところで、破壊姫さんはこれからどうするの?」
「……そのあだ名やめてくれる? そうね、天音くんを見たところかなり馴染んでいるように感じるのだけれど、その筋肉も含めて現状を教えてもらえるかしら」
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