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最強の武者Gozaru編
97話 追い付かないと!
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翌日。
僕たちは48階を突き進み、衝撃の事実を知ることになる。
「どうやら、私たちより先の方に転移されていたみたいね」
戦闘をしたと思わしき荒れたフロア。
破壊された床や壁、これは絶対にナコがハッピーを振り回した跡だ。
ボスがいたに違いない。その痕跡をゴザルが指でなぞりながら、
「間違いない、ナコちゃんの魔力の残滓が残っているわ」
「47階で僕を見つけた時も似たようなこと言ってたけど、魔力の気配や残滓とかで誰がどうとかわかるの?」
「武者のスキル"神眼"よ。ゲーム時は使いどころもない微妙なスキル、対象のステータスを一部覗くくらいだったけどね。今はこれがかなり使えるスキルになってる。魔力を事細かに識別することができるの」
ゴザルが言う。
以前、リーナも同じようなことを言っていた。ゲーム時には不遇だったスキルが、リアルとなった今開花するケースは意外に多いのかもしれない。
僕たちは49階に突入、モンスターを狩りながらさらに先に進む。
「ソラも神眼までとは言わないけど、基本的な魔力感知くらいはできないと駄目よ」
「魔力感知?」
「この世界に生きるもの、皆が魔力を持っていることは知っているわよね。モンスターであろうと人間であろうと共通だわ。敵が殺傷能力の高い攻撃を仕掛けて来る瞬間、絶対に魔力を宿す必要がある。それを素早く感知できるか否か、これによって状況はかなり変わるわ」
その瞬間、遠方から魔法が飛んでくる。
ゴザルは視界に入れることすらせず、それを一刀のもとに消し飛ばした。
そのまま攻撃して来たモンスターに飛び掛かり一網打尽にする。
超人の領域すぎてついていけない部分はあるが、なんとなく言っていることは理解できた。
肌に突き刺さる殺気、この感覚がいわゆる魔力感知みたいなものだろう。
この世界に来てから幾度となく感じていたもの、それがゴザルの説明により明確に形になった気がする。
「ソラ、疲れてない?」
「疲れてないって言ったら嘘になるけど、まだまだ全然大丈夫だよ。モンスターを倒す配分的にはゴザルの方が絶対大変でしょ」
9対1くらいの配分、その割にはゴザルが疲弊している様子はない。
「私は魔力操作で動くべき箇所、動作の大きい部分を補助しているから。これをすることによって体力が温存できるのよ」
「はえー、なんでも使えるんだね」
「うふふ。ウィンウィンに帰ったらビシバシ修行をつけてあげるわ」
「お手柔らかにお願いします」
「そんな生優しい概念は存在しないわ」
「えっ?!」
「命懸けなの。ソラがマスターするまで死ぬ気で行くわよ」
「す、スパルタぁっ!」
そして、50階目前――ここも似たような光景だった。
四方八方、天井や壁、床が破壊されている。激戦の跡が刻まれたフロア、先ほどよりも熾烈な戦いがあったのだとひと目で思わせる。
「ソラ、見て――ここに血痕がある。周囲に出現するモンスターの種類から考えて、ナコちゃんかキャロルさんのもので間違いなさそうね」
「二人共、無事だろうか」
「苦戦していたのかもしれない。でも、ここにいないということは――先に進んだということでしょう。少なくとも動く体力はあるはず、それでもあの二人が傷を負うレベルのモンスターがいるという事実は警戒しましょう」
ゴザルが颯爽と先陣を切りながら、
「目的地の50階、突入するわよ」
「ゴザル格好良い」
「今のあなたよりは私の方が遥かに強い。私が常に前を行くことは当たりまえよ。黙って付いてきなさい、なにがあっても必ず私が守ってみせる」
マジで格好良かった。
僕たちは48階を突き進み、衝撃の事実を知ることになる。
「どうやら、私たちより先の方に転移されていたみたいね」
戦闘をしたと思わしき荒れたフロア。
破壊された床や壁、これは絶対にナコがハッピーを振り回した跡だ。
ボスがいたに違いない。その痕跡をゴザルが指でなぞりながら、
「間違いない、ナコちゃんの魔力の残滓が残っているわ」
「47階で僕を見つけた時も似たようなこと言ってたけど、魔力の気配や残滓とかで誰がどうとかわかるの?」
「武者のスキル"神眼"よ。ゲーム時は使いどころもない微妙なスキル、対象のステータスを一部覗くくらいだったけどね。今はこれがかなり使えるスキルになってる。魔力を事細かに識別することができるの」
ゴザルが言う。
以前、リーナも同じようなことを言っていた。ゲーム時には不遇だったスキルが、リアルとなった今開花するケースは意外に多いのかもしれない。
僕たちは49階に突入、モンスターを狩りながらさらに先に進む。
「ソラも神眼までとは言わないけど、基本的な魔力感知くらいはできないと駄目よ」
「魔力感知?」
「この世界に生きるもの、皆が魔力を持っていることは知っているわよね。モンスターであろうと人間であろうと共通だわ。敵が殺傷能力の高い攻撃を仕掛けて来る瞬間、絶対に魔力を宿す必要がある。それを素早く感知できるか否か、これによって状況はかなり変わるわ」
その瞬間、遠方から魔法が飛んでくる。
ゴザルは視界に入れることすらせず、それを一刀のもとに消し飛ばした。
そのまま攻撃して来たモンスターに飛び掛かり一網打尽にする。
超人の領域すぎてついていけない部分はあるが、なんとなく言っていることは理解できた。
肌に突き刺さる殺気、この感覚がいわゆる魔力感知みたいなものだろう。
この世界に来てから幾度となく感じていたもの、それがゴザルの説明により明確に形になった気がする。
「ソラ、疲れてない?」
「疲れてないって言ったら嘘になるけど、まだまだ全然大丈夫だよ。モンスターを倒す配分的にはゴザルの方が絶対大変でしょ」
9対1くらいの配分、その割にはゴザルが疲弊している様子はない。
「私は魔力操作で動くべき箇所、動作の大きい部分を補助しているから。これをすることによって体力が温存できるのよ」
「はえー、なんでも使えるんだね」
「うふふ。ウィンウィンに帰ったらビシバシ修行をつけてあげるわ」
「お手柔らかにお願いします」
「そんな生優しい概念は存在しないわ」
「えっ?!」
「命懸けなの。ソラがマスターするまで死ぬ気で行くわよ」
「す、スパルタぁっ!」
そして、50階目前――ここも似たような光景だった。
四方八方、天井や壁、床が破壊されている。激戦の跡が刻まれたフロア、先ほどよりも熾烈な戦いがあったのだとひと目で思わせる。
「ソラ、見て――ここに血痕がある。周囲に出現するモンスターの種類から考えて、ナコちゃんかキャロルさんのもので間違いなさそうね」
「二人共、無事だろうか」
「苦戦していたのかもしれない。でも、ここにいないということは――先に進んだということでしょう。少なくとも動く体力はあるはず、それでもあの二人が傷を負うレベルのモンスターがいるという事実は警戒しましょう」
ゴザルが颯爽と先陣を切りながら、
「目的地の50階、突入するわよ」
「ゴザル格好良い」
「今のあなたよりは私の方が遥かに強い。私が常に前を行くことは当たりまえよ。黙って付いてきなさい、なにがあっても必ず私が守ってみせる」
マジで格好良かった。
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