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最強の武者Gozaru編
103話 人知を超えた存在
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「雷の刃――雷雨っ!」
ゴザルの突きの嵐。
鎧の耐久度に自信があるのか、ガラスティナは避けることもせず全て受け切った。
王の貫禄を見せつけるかのよう不敵に笑みを浮かべる。
「鎧の硬さが自慢かしら!」
「軽すぎて避けることすら面倒になっただけだ。もっと強い一撃で余を貫いてみてはどうだ?」
「私を挑発しているの?」
「しているとも」
数秒の沈黙、ゴザルが深く腰を落とし刀の切っ先を向ける。
「乗ってやるわよ」
「余の念願を叶えてくれるか」
「"絶刀命閃"」
ゴザルの刀身が銀色に光り輝く。
絶刀命閃とは武者のスキル、次に放つ一撃の威力を5倍に跳ね上げるものだ。
ゴザルの狙いはわかる、心臓を一突きにするつもりなのだろう。
「ほう、すさまじい魔力だな。銀の方、お前の髪色と相まって美しい。お前は本当に余を楽しませてくれる」
「その余裕、どこまで保てるかしら」
「くくっ、ははははっ! 」
ガラスティナが声高らかに笑う。
自殺願望? あの態度はとてもそうには思えない。なにか秘策でもあるのか? 必殺の一撃を無防備で受けてくれるのならば、こちらにとっては利でしかない。
ゴザルが床を蹴り飛ばす。
その強い踏み込みは床の一部を破壊、どれだけの力を込めて突っ込んだのかが一足で見て取れた。
「雷の刃――稲妻っ!」
轟音、落雷のような一突き。
絶刀命閃のスキルも加わっている状態、ゴザルの一撃は軽々とガラスティナの鎧を貫いた。
そして、貫いた箇所は――ガラスティナの中心部だった。
大量に吐き出される血、決着は着いたと思いきや――心臓を貫かれたにも関わらずガラスティナが動きをとめることはなかった。
「……さすがの一言に尽きる。この鎧は特殊な素材で作られているのだが、いとも容易く貫いてくるか」
ガラスティナがゴザルの腕を掴む。
「さて、銀の方――捕まえたぞ。この好機、逃しはせぬ」
「……どうして、生きてるのよ」
「その疑問は最も、答え合わせといこう。余の心臓、正確には余を動かす核は1つではない――3つある。1つ失うのは非常に手痛いが、お前には核1つ分以上の価値がある」
「まさか、人間捨ててたとは想像もできなかったわ」
ゴザルが微動だにしない。
よほどの力で腕を掴まれているのか。刀はガラスティナの身体に突き刺さったまま、今のゴザルは全てを封じられていた。
「くっくっく、はっはっは! お前の負けだ、銀の方――中々に楽しめたぞ、安らかにこの地で永眠しろ」
「……っ」
「死ね」
ガラスティナの剣がゴザルを貫いた。
お返しと言わんばかりに、ゴザルの中心部を貫き返していた。ゴザルの口から大量の血が吐き出される。
だが、ゴザルは手に持った刀を握り続けていた。
その眼はまだ光を失っていない。
「……ふふ。答え、合わせに、感謝するわ。核が3つ、だったかしら。せめてあと1つ、死んでも、持って行って! や、る、わ、よぉぉぉおおおおおおっ!!」
血飛沫が舞う。
ゴザルが突き刺したままの刀を――力尽くで真横に斬り裂いた。
「ぐぎゅ、がぁあ、あがぁあっ! お前、お前ぇええええええっ! この期に及んでまだ足掻くかぁああっ!!」
ガラスティナがゴザルを蹴り飛ばす。
ゴザルは力なく床を転がり、そのまま倒れ込んだ。
ガラスティナは膝を付き、自身の胸もとを抑え込む。
「……2つも、持っていったか。金の方、何故逃げなかった? 最後のチャンスだったのだぞ? 本当にお前は銀の方に比べて全てが劣っているな」
「優劣を勝手に決めるな。そういった慢心、油断が核を2つも失うことになったんじゃないか?」
「ほう、言うではないか」
「残りの1つは僕がもらう」
「くっくっく、面白い。確かに今の余は核を一気に2つも失い、すぐに万全とまではいかぬだろう。かかってこい、お前ごとき今の状態で十分だ」
「ああ。ゴザルの意思は僕が引き継ぐ」
ゴザルの突きの嵐。
鎧の耐久度に自信があるのか、ガラスティナは避けることもせず全て受け切った。
王の貫禄を見せつけるかのよう不敵に笑みを浮かべる。
「鎧の硬さが自慢かしら!」
「軽すぎて避けることすら面倒になっただけだ。もっと強い一撃で余を貫いてみてはどうだ?」
「私を挑発しているの?」
「しているとも」
数秒の沈黙、ゴザルが深く腰を落とし刀の切っ先を向ける。
「乗ってやるわよ」
「余の念願を叶えてくれるか」
「"絶刀命閃"」
ゴザルの刀身が銀色に光り輝く。
絶刀命閃とは武者のスキル、次に放つ一撃の威力を5倍に跳ね上げるものだ。
ゴザルの狙いはわかる、心臓を一突きにするつもりなのだろう。
「ほう、すさまじい魔力だな。銀の方、お前の髪色と相まって美しい。お前は本当に余を楽しませてくれる」
「その余裕、どこまで保てるかしら」
「くくっ、ははははっ! 」
ガラスティナが声高らかに笑う。
自殺願望? あの態度はとてもそうには思えない。なにか秘策でもあるのか? 必殺の一撃を無防備で受けてくれるのならば、こちらにとっては利でしかない。
ゴザルが床を蹴り飛ばす。
その強い踏み込みは床の一部を破壊、どれだけの力を込めて突っ込んだのかが一足で見て取れた。
「雷の刃――稲妻っ!」
轟音、落雷のような一突き。
絶刀命閃のスキルも加わっている状態、ゴザルの一撃は軽々とガラスティナの鎧を貫いた。
そして、貫いた箇所は――ガラスティナの中心部だった。
大量に吐き出される血、決着は着いたと思いきや――心臓を貫かれたにも関わらずガラスティナが動きをとめることはなかった。
「……さすがの一言に尽きる。この鎧は特殊な素材で作られているのだが、いとも容易く貫いてくるか」
ガラスティナがゴザルの腕を掴む。
「さて、銀の方――捕まえたぞ。この好機、逃しはせぬ」
「……どうして、生きてるのよ」
「その疑問は最も、答え合わせといこう。余の心臓、正確には余を動かす核は1つではない――3つある。1つ失うのは非常に手痛いが、お前には核1つ分以上の価値がある」
「まさか、人間捨ててたとは想像もできなかったわ」
ゴザルが微動だにしない。
よほどの力で腕を掴まれているのか。刀はガラスティナの身体に突き刺さったまま、今のゴザルは全てを封じられていた。
「くっくっく、はっはっは! お前の負けだ、銀の方――中々に楽しめたぞ、安らかにこの地で永眠しろ」
「……っ」
「死ね」
ガラスティナの剣がゴザルを貫いた。
お返しと言わんばかりに、ゴザルの中心部を貫き返していた。ゴザルの口から大量の血が吐き出される。
だが、ゴザルは手に持った刀を握り続けていた。
その眼はまだ光を失っていない。
「……ふふ。答え、合わせに、感謝するわ。核が3つ、だったかしら。せめてあと1つ、死んでも、持って行って! や、る、わ、よぉぉぉおおおおおおっ!!」
血飛沫が舞う。
ゴザルが突き刺したままの刀を――力尽くで真横に斬り裂いた。
「ぐぎゅ、がぁあ、あがぁあっ! お前、お前ぇええええええっ! この期に及んでまだ足掻くかぁああっ!!」
ガラスティナがゴザルを蹴り飛ばす。
ゴザルは力なく床を転がり、そのまま倒れ込んだ。
ガラスティナは膝を付き、自身の胸もとを抑え込む。
「……2つも、持っていったか。金の方、何故逃げなかった? 最後のチャンスだったのだぞ? 本当にお前は銀の方に比べて全てが劣っているな」
「優劣を勝手に決めるな。そういった慢心、油断が核を2つも失うことになったんじゃないか?」
「ほう、言うではないか」
「残りの1つは僕がもらう」
「くっくっく、面白い。確かに今の余は核を一気に2つも失い、すぐに万全とまではいかぬだろう。かかってこい、お前ごとき今の状態で十分だ」
「ああ。ゴザルの意思は僕が引き継ぐ」
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