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王都突入編
135話 仮面女子Homura
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「さあ、遠慮せずに上がってにゃあ」
王都エレメントの観光は後回しに、僕とナコは"Nightmares"のホームにお邪魔する。
ゲーム時、ずっと過ごしていた勝手知ったるホームのため、僕の場合はお邪魔するというよりなんというか――不思議な感覚である。
この廊下を奥に行くと、リビングがある。
作戦会議をする場所とでもいおうか、よくここで――休みの前日などは皆で寝落ちするまで語り合ったものだ。
「ホムにゃん、帰ってきたよ」
「ニャンちゃん、おかえり。あれ、一緒に誰かいるの?」
Homura――ホムラがいた。
燃え盛る炎を彷彿とさせる紅色のポニーテール、モデルのようにスラリとした細長の体型、ゲーム時からリアルとなった今も変わらず、ホムラもゴザルが鎧好きだったのと同様見た目に独特なセンスを持っており、目の部分にだけ仮面を好んで着用している。
長耳が特徴的なエルフィ族、魔法に長けた種族であり、人族と違って千年以上生きるといわれていた。
「いらっしゃいませ。私はホムラと言いま」
僕とナコを見るなり、ホムラの言葉が止まる。
そして、両手を口に当てながら全身を震わせて――まるで、信じられないものを見たという有り様だった。
ポロポロと、ホムラの頬をとめどなく涙が伝い出す。
「ほ、ホムにゃん? どうしたの?! 梅干しでも食べた?」
「……違う、違うの」
状況が掴めず、僕とナコは互いに顔を見合わせる。
「ニャンちゃん、お願い――この人と二人にしてもらってもいい?」
何故か、ホムラが僕を指名する。
「にゃっ? ホムにゃん、急にどうしたの?」
「お願い、ニャンちゃん」
「ふむん。じゃあ、ナコにゃんはにゃっちとホームの見学でもするかにゃあ。ここね、鍛錬場とか温泉とか設備がいっぱい揃ってるんだよ? 色々と案内するね」
「は、はい。ありがとうございます」
ニャニャンがナコと一緒に部屋を出て行く。
「ホムラ、どうして僕と二人っきりなんて」
「ホムラ? 初対面の癖に気安く私の名前を呼ばないで」
なんだか、激しい敵意を感じる。
僕、知らない間になにかやっちゃいました? 現状、初対面というホムラの言葉は正しい。
順序立てて経緯を説明するべきだろう。
「ああ、違うんだ。気安く呼んだわけじゃなくて」
「あれ、奴隷輪だよね」
「奴隷、輪?」
急な話の転換に、僕は思わず首を傾げてしまう。
「とぼけないで、隣にいた子に奴隷輪が付いていたよね。ううん、あなたが付けていると言った方が正しいの?」
「ナコのことだよね。僕が付けたことは認めるよ」
「……ナコって言うんだね。やっぱり、私の見間違いなんかじゃなかった。本当に奇跡としか思えない」
ホムラの背後に魔法陣が展開されていく。
「奴隷輪を付けたりして、一体あの子になにをしたというの? 死ぬほどこき使ったり人には言えないようなことをしたり――許せない、許せない、許せない許せない許さないっ!」
「いやいや、ホムラさん、ちょっと待ってっ?! なんで攻撃しようとしてるのっ!?」
なんかこの勢いある部分、誰かに似ているような。
「うるさいっ! 私が守る、守って見せるっ! 私の大事な――妹をっ!!」
「妹っ?!」
ホムラの口から衝撃の一言が飛び出すのであった。
王都エレメントの観光は後回しに、僕とナコは"Nightmares"のホームにお邪魔する。
ゲーム時、ずっと過ごしていた勝手知ったるホームのため、僕の場合はお邪魔するというよりなんというか――不思議な感覚である。
この廊下を奥に行くと、リビングがある。
作戦会議をする場所とでもいおうか、よくここで――休みの前日などは皆で寝落ちするまで語り合ったものだ。
「ホムにゃん、帰ってきたよ」
「ニャンちゃん、おかえり。あれ、一緒に誰かいるの?」
Homura――ホムラがいた。
燃え盛る炎を彷彿とさせる紅色のポニーテール、モデルのようにスラリとした細長の体型、ゲーム時からリアルとなった今も変わらず、ホムラもゴザルが鎧好きだったのと同様見た目に独特なセンスを持っており、目の部分にだけ仮面を好んで着用している。
長耳が特徴的なエルフィ族、魔法に長けた種族であり、人族と違って千年以上生きるといわれていた。
「いらっしゃいませ。私はホムラと言いま」
僕とナコを見るなり、ホムラの言葉が止まる。
そして、両手を口に当てながら全身を震わせて――まるで、信じられないものを見たという有り様だった。
ポロポロと、ホムラの頬をとめどなく涙が伝い出す。
「ほ、ホムにゃん? どうしたの?! 梅干しでも食べた?」
「……違う、違うの」
状況が掴めず、僕とナコは互いに顔を見合わせる。
「ニャンちゃん、お願い――この人と二人にしてもらってもいい?」
何故か、ホムラが僕を指名する。
「にゃっ? ホムにゃん、急にどうしたの?」
「お願い、ニャンちゃん」
「ふむん。じゃあ、ナコにゃんはにゃっちとホームの見学でもするかにゃあ。ここね、鍛錬場とか温泉とか設備がいっぱい揃ってるんだよ? 色々と案内するね」
「は、はい。ありがとうございます」
ニャニャンがナコと一緒に部屋を出て行く。
「ホムラ、どうして僕と二人っきりなんて」
「ホムラ? 初対面の癖に気安く私の名前を呼ばないで」
なんだか、激しい敵意を感じる。
僕、知らない間になにかやっちゃいました? 現状、初対面というホムラの言葉は正しい。
順序立てて経緯を説明するべきだろう。
「ああ、違うんだ。気安く呼んだわけじゃなくて」
「あれ、奴隷輪だよね」
「奴隷、輪?」
急な話の転換に、僕は思わず首を傾げてしまう。
「とぼけないで、隣にいた子に奴隷輪が付いていたよね。ううん、あなたが付けていると言った方が正しいの?」
「ナコのことだよね。僕が付けたことは認めるよ」
「……ナコって言うんだね。やっぱり、私の見間違いなんかじゃなかった。本当に奇跡としか思えない」
ホムラの背後に魔法陣が展開されていく。
「奴隷輪を付けたりして、一体あの子になにをしたというの? 死ぬほどこき使ったり人には言えないようなことをしたり――許せない、許せない、許せない許せない許さないっ!」
「いやいや、ホムラさん、ちょっと待ってっ?! なんで攻撃しようとしてるのっ!?」
なんかこの勢いある部分、誰かに似ているような。
「うるさいっ! 私が守る、守って見せるっ! 私の大事な――妹をっ!!」
「妹っ?!」
ホムラの口から衝撃の一言が飛び出すのであった。
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