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王都突入編
150話 嫌い×嫌い
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天凪璃々。
売れっ子声優だったことは本人も特に隠しているわけでもないし、ニャニャンに言ってもなんら差し障りはないだろう。
僕の好きなヒロイン役の声、それを間近で聞いた今は断言できる。
「間違いなく本人だったよ」
「ふにゃー、テレビで見た時と全然印象違うのね。そこも含めて、からかう日が楽しみだにゃあ」
「お手柔らかにね? まあ、ゴザルも王都に向かって来ているはずだから――その時、本人に色々話でも聞いてみるといいよ」
「簡単カメラ認識でキャラ作成して、リアルにあの美少女レベルってシンプルにやばすぎるよね? ゴザルにゃん以外も皆整い過ぎだし――にゃはぁ、周囲が輝いているようで眼福なのにゃあ。ちなみに、にゃっちは普通にキャラ作成だからね」
ニャニャンは可愛らしく頬に指を当てながら、
「夢にまでみたリアル猫耳よ! これで堂々とにゃんにゃん言えるから、にゃっちは意外に幸せなのにゃあ。作成は細部までこだわって、猫耳の色合いから尻尾の長さ、めちゃくちゃ時間かけたからねっ!!」
「……それはなによりだよ」
僕は言いながら、ニャニャンから視線を逸らす。
「あららー? もしかして、恥ずかしくなってきたの?」
「近い、距離が近いよ。バスタオル一枚、見えたら駄目な部分が見えるから――少しだけ離れてくれると嬉しいかな」
「ここまで来たからには、潔く覚悟を決めるにゃあっ!」
「?!」
と、ニャニャンが僕の腕を引きながら、
「ほーら、しっかりと見てみるのね。ここには美少女しかいないのよ? もとの世界では味わうことのできないファンタジーの種族、甘美なこの光景を脳内に刻まないでどうするにゃあ」
「ちょ、ニャニャンは恥ずかしくないのっ?!」
「んー、全然? ソラにゃん今は女の子だしね」
「今はっていうその倫理観がよくわからないっ!」
「固く考えちゃ駄目よ。せっかくなんだから、もとの世界では味わえない非日常も味わっておかないとにゃあ」
暴論ながらも的を得た内容に言葉が詰まる。
ニャニャンに導かれ、僕の視界に入った光景は――まさにパラダイス、猫耳美少女とエルフィ族が素肌にタオル一枚という絶景であった。
あまりの神々しさに――僕は一歩退く。
「ぐおぅっ!」
「ソラにゃんの言葉を借りるなら――切り替え切り替え、楽しめる時に楽しんでおかないと損するのね」
視線が外せない。
やはり、性別は変われど僕の中の♂は健在だ。今の僕にはないものが、静かに立ち上がっているような――そんな錯覚さえ感じる。
ホムラ、意外と――大きいな。
着痩せするタイプなのだろうか? 僕の見定めるような下心を感じ取ったのか、ホムラが手で胸を覆う。
「……ソラちゃんの目がいやらしい気がする」
「ホムラ、気のせいじゃないよ」
「そっか。私の気のせい――じゃないのっ?!」
「ああ。僕は今完全にエロい目で見ていた」
「素直すぎないかなっ?! 怒る気が失せちゃったよっ!」
「……クーラ、一緒とは言いましたが、見過ぎるのはよくないです」
中々に無理難題を言ってくる。
僕はそう注意する人物、ホムラの横にいるナコに歩み寄る。
「ナコ、僕の言った通りだ。未来は――ある」
隣に可能性の塊が存在するじゃないか。
美人姉妹、成長過程も同じになる確率は高い。僕の言葉の意味を理解したのか、ナコがホムラと自身の胸を見比べる。
数秒の沈黙、ナコが急に肩を震わせながら、
「嫌い」
「えっ?」
「嫌いっ!」
ナコが涙目で湯船の中に走り去った。
売れっ子声優だったことは本人も特に隠しているわけでもないし、ニャニャンに言ってもなんら差し障りはないだろう。
僕の好きなヒロイン役の声、それを間近で聞いた今は断言できる。
「間違いなく本人だったよ」
「ふにゃー、テレビで見た時と全然印象違うのね。そこも含めて、からかう日が楽しみだにゃあ」
「お手柔らかにね? まあ、ゴザルも王都に向かって来ているはずだから――その時、本人に色々話でも聞いてみるといいよ」
「簡単カメラ認識でキャラ作成して、リアルにあの美少女レベルってシンプルにやばすぎるよね? ゴザルにゃん以外も皆整い過ぎだし――にゃはぁ、周囲が輝いているようで眼福なのにゃあ。ちなみに、にゃっちは普通にキャラ作成だからね」
ニャニャンは可愛らしく頬に指を当てながら、
「夢にまでみたリアル猫耳よ! これで堂々とにゃんにゃん言えるから、にゃっちは意外に幸せなのにゃあ。作成は細部までこだわって、猫耳の色合いから尻尾の長さ、めちゃくちゃ時間かけたからねっ!!」
「……それはなによりだよ」
僕は言いながら、ニャニャンから視線を逸らす。
「あららー? もしかして、恥ずかしくなってきたの?」
「近い、距離が近いよ。バスタオル一枚、見えたら駄目な部分が見えるから――少しだけ離れてくれると嬉しいかな」
「ここまで来たからには、潔く覚悟を決めるにゃあっ!」
「?!」
と、ニャニャンが僕の腕を引きながら、
「ほーら、しっかりと見てみるのね。ここには美少女しかいないのよ? もとの世界では味わうことのできないファンタジーの種族、甘美なこの光景を脳内に刻まないでどうするにゃあ」
「ちょ、ニャニャンは恥ずかしくないのっ?!」
「んー、全然? ソラにゃん今は女の子だしね」
「今はっていうその倫理観がよくわからないっ!」
「固く考えちゃ駄目よ。せっかくなんだから、もとの世界では味わえない非日常も味わっておかないとにゃあ」
暴論ながらも的を得た内容に言葉が詰まる。
ニャニャンに導かれ、僕の視界に入った光景は――まさにパラダイス、猫耳美少女とエルフィ族が素肌にタオル一枚という絶景であった。
あまりの神々しさに――僕は一歩退く。
「ぐおぅっ!」
「ソラにゃんの言葉を借りるなら――切り替え切り替え、楽しめる時に楽しんでおかないと損するのね」
視線が外せない。
やはり、性別は変われど僕の中の♂は健在だ。今の僕にはないものが、静かに立ち上がっているような――そんな錯覚さえ感じる。
ホムラ、意外と――大きいな。
着痩せするタイプなのだろうか? 僕の見定めるような下心を感じ取ったのか、ホムラが手で胸を覆う。
「……ソラちゃんの目がいやらしい気がする」
「ホムラ、気のせいじゃないよ」
「そっか。私の気のせい――じゃないのっ?!」
「ああ。僕は今完全にエロい目で見ていた」
「素直すぎないかなっ?! 怒る気が失せちゃったよっ!」
「……クーラ、一緒とは言いましたが、見過ぎるのはよくないです」
中々に無理難題を言ってくる。
僕はそう注意する人物、ホムラの横にいるナコに歩み寄る。
「ナコ、僕の言った通りだ。未来は――ある」
隣に可能性の塊が存在するじゃないか。
美人姉妹、成長過程も同じになる確率は高い。僕の言葉の意味を理解したのか、ナコがホムラと自身の胸を見比べる。
数秒の沈黙、ナコが急に肩を震わせながら、
「嫌い」
「えっ?」
「嫌いっ!」
ナコが涙目で湯船の中に走り去った。
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