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火の都サラマン激突編
226話 必ず君を連れて行く
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闇と光――陰と陽。
漠然とした共存のイメージは脳内に浮かんでいる。あとは魔力の核を根本から創り変えるという奇跡を――自らの手で引き起こさなくてはならない。
最早、それは神の御業に等しいだろう。
「今だけでいい。踏み込め――その領域に」
ゴザルなら、きっとこう言う。
「僕ならできる――できる。不可能なんてイメージは、無理矢理にでも消し去るんだ。君と過ごした日々、過去のことだと思い出にするにはまだ早すぎる。大切な人の命、助けられないわけがないだろう」
ナコ、ナコ、ナコ。
辛いこと、楽しいこと――色々なことがたくさんあった。まだまだ、共に積み重ねていきたい。
僕の望みは――君と一つになることじゃない。
「一緒に並んで歩いて行こう」
《 スキルの精度超アップを発動! 効果――1分間スキルの精度を上昇させる 》
この瞬間に――全てを懸ける。
ヒオウから得たバフによるスキルの精度上昇、触診を通して見ていた視界が――細分化される。
魔力の核の構造、大量の情報が脳内に流れ込んできた。
魔力の核は8種の属性、火、土、水、風、氷、雷、闇、光のいずれかをベースにされており――個人個人、生まれ持った属性が異なる。
ゴザルが得意属性は感覚的にしっくりくると前に話していたが、魔力の核の存在を無意識にのうちに感じ取っていたのかもしれない。
ナコの属性は――無論、闇である。
魔力の核が数値化、突き刺さった光の魔石による侵蝕度合い、その比率は――闇と光、53%と47%になっていた。
別属性が、1%でも上回ると――死ぬ。
僕は触手の先端を針のように尖らせ――魔力の核の形を少しずつ、少しずつ変化させていく。
一ミリでも操作をミスれば比率は片方に傾くだろう。
だが、僕の心は――驚くくらいに落ち着いていた。ナコの生命の鼓動が触手を通して伝わってくる。
その優しい音色が僕を――包み込んでくれているようだった。
施術は完了、ナコの顔に生気が戻っていく。魔力の核が機能し始めたのだろう、ナコは意識を取り戻し――ゆっくりと目を開いた。
ポロポロと、大粒の涙を流しながら僕に微笑みかける。
「……クーラの、声が、私の中から、聞こえました」
「連れ戻しに行ったんだ」
「……ふふ。クーラは、ワガママさんですね」
「ああ。この世界の理不尽なんかに――君を奪わせたりはしない」
漠然とした共存のイメージは脳内に浮かんでいる。あとは魔力の核を根本から創り変えるという奇跡を――自らの手で引き起こさなくてはならない。
最早、それは神の御業に等しいだろう。
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ゴザルなら、きっとこう言う。
「僕ならできる――できる。不可能なんてイメージは、無理矢理にでも消し去るんだ。君と過ごした日々、過去のことだと思い出にするにはまだ早すぎる。大切な人の命、助けられないわけがないだろう」
ナコ、ナコ、ナコ。
辛いこと、楽しいこと――色々なことがたくさんあった。まだまだ、共に積み重ねていきたい。
僕の望みは――君と一つになることじゃない。
「一緒に並んで歩いて行こう」
《 スキルの精度超アップを発動! 効果――1分間スキルの精度を上昇させる 》
この瞬間に――全てを懸ける。
ヒオウから得たバフによるスキルの精度上昇、触診を通して見ていた視界が――細分化される。
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魔力の核は8種の属性、火、土、水、風、氷、雷、闇、光のいずれかをベースにされており――個人個人、生まれ持った属性が異なる。
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ナコの属性は――無論、闇である。
魔力の核が数値化、突き刺さった光の魔石による侵蝕度合い、その比率は――闇と光、53%と47%になっていた。
別属性が、1%でも上回ると――死ぬ。
僕は触手の先端を針のように尖らせ――魔力の核の形を少しずつ、少しずつ変化させていく。
一ミリでも操作をミスれば比率は片方に傾くだろう。
だが、僕の心は――驚くくらいに落ち着いていた。ナコの生命の鼓動が触手を通して伝わってくる。
その優しい音色が僕を――包み込んでくれているようだった。
施術は完了、ナコの顔に生気が戻っていく。魔力の核が機能し始めたのだろう、ナコは意識を取り戻し――ゆっくりと目を開いた。
ポロポロと、大粒の涙を流しながら僕に微笑みかける。
「……クーラの、声が、私の中から、聞こえました」
「連れ戻しに行ったんだ」
「……ふふ。クーラは、ワガママさんですね」
「ああ。この世界の理不尽なんかに――君を奪わせたりはしない」
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