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火の都サラマン激突編
244話 さよなら
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「……クーラ、俺になにをした?」
リボルが静かに言う。
横たわったままのフレイムドルフが――生き返る様子はない。
今、僕はリボルを倒しうる鍵を入手した。
――《 因果の掌握×1 》を獲得。
僕は即座にリボルに触手を放つ。
「怯め――"呪縫縛"っ!」
僕の身体が――硬直する。
呪法による強制的な意識の上書き、寸前のところで回避される。
リボルも自身の危機を敏感に察知し、戦艦から――躊躇うことなく身を投げた。
ニャニャンが落下した穴、的確な判断だった。
「……逃がす、ものかっ!」
硬直が緩んだと同時――僕も飛んだ。
触手を足もとに展開、離された距離を一気に詰める。僕はリボルの身体に触手を巻き付けて拘束する。
呪法はまだ完全に解けたわけじゃない。
リボルに接近して――触手で絡め取るのが精一杯だった。まさに、自爆に等しい行為だろう。
リボルはそんな僕に唖然とした顔付きにて、
「正気か、クーラ?」
「正気だよ」
「触手を解け、このままだと――俺と共に死ぬぞ」
「君と相打ちなら、世界にとっては――最高の恩恵になる」
「狂っているな」
「ああ。僕もある意味で――立ち位置が違うだけで、君と同じように一直線な考えなんだろうね」
「同意する。世界をどう生きるかの――違いだろうな」
「残念ながら、因果の掌握は僕がもらった」
「俺は死ぬということか。まさか、超越者のスキルすら奪うことができるとは――想像もしていなかったよ」
リボルは悲観することもなく――笑い始める。
「まあ、美女と死ぬのも悪くはないか」
「僕、中身は男だけどね」
「おいおい、間際にそんなカミングアウトはするなよ。黙って満たされたまま死なせてくれ」
地上が近付いて来る。
王都上空、この方角はセイントラール王宮に――生身のまま、共々着地することになるだろう。
無論、高度から察するに――即死は免れない。
「この世界に転生してから、中々に楽しい人生だった。クーラ、最後に君と出会えてよかったよ。すまないが、ライカに一言だけ伝えてくれ――君も俺のように、自分らしく好きに生きろとな」
リボルは爽やかに言う。
「さよなら」
ぐちゃりと、凄惨な音が響き渡った。
リボルが静かに言う。
横たわったままのフレイムドルフが――生き返る様子はない。
今、僕はリボルを倒しうる鍵を入手した。
――《 因果の掌握×1 》を獲得。
僕は即座にリボルに触手を放つ。
「怯め――"呪縫縛"っ!」
僕の身体が――硬直する。
呪法による強制的な意識の上書き、寸前のところで回避される。
リボルも自身の危機を敏感に察知し、戦艦から――躊躇うことなく身を投げた。
ニャニャンが落下した穴、的確な判断だった。
「……逃がす、ものかっ!」
硬直が緩んだと同時――僕も飛んだ。
触手を足もとに展開、離された距離を一気に詰める。僕はリボルの身体に触手を巻き付けて拘束する。
呪法はまだ完全に解けたわけじゃない。
リボルに接近して――触手で絡め取るのが精一杯だった。まさに、自爆に等しい行為だろう。
リボルはそんな僕に唖然とした顔付きにて、
「正気か、クーラ?」
「正気だよ」
「触手を解け、このままだと――俺と共に死ぬぞ」
「君と相打ちなら、世界にとっては――最高の恩恵になる」
「狂っているな」
「ああ。僕もある意味で――立ち位置が違うだけで、君と同じように一直線な考えなんだろうね」
「同意する。世界をどう生きるかの――違いだろうな」
「残念ながら、因果の掌握は僕がもらった」
「俺は死ぬということか。まさか、超越者のスキルすら奪うことができるとは――想像もしていなかったよ」
リボルは悲観することもなく――笑い始める。
「まあ、美女と死ぬのも悪くはないか」
「僕、中身は男だけどね」
「おいおい、間際にそんなカミングアウトはするなよ。黙って満たされたまま死なせてくれ」
地上が近付いて来る。
王都上空、この方角はセイントラール王宮に――生身のまま、共々着地することになるだろう。
無論、高度から察するに――即死は免れない。
「この世界に転生してから、中々に楽しい人生だった。クーラ、最後に君と出会えてよかったよ。すまないが、ライカに一言だけ伝えてくれ――君も俺のように、自分らしく好きに生きろとな」
リボルは爽やかに言う。
「さよなら」
ぐちゃりと、凄惨な音が響き渡った。
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