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もふもふの都開国編
251話 始まりの時
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セイントラール王宮を訪れる。
各国の王が集う日"Kingly"と"Nightmares"からは、僕とゴザルが代表として出席する運びとなっている。
さすがに、水着のままでというわけにもいかず――僕たちは普段とは異なり、もとの世界でいう正装をしていた。
僕はスーツにネクタイ、長い髪は一つ結びに、シンプルで失礼のない格好でまとめている。ゴザルは白のワンピース姿、いつもの和を基調とした格好とは一転して――新鮮な印象だった。
まるで、妖精のような――神秘さすらも感じさせる。
セイントラール王宮にたどり着くまで、何人がゴザルの方に振り向いただろう。視線が釘付けになる理由もわかる。
正直、美しい以外――言葉が見つからない。
「ねえ、ソラ――私の服装、似合ってるっ?」
「似合っているよ」
「特にどの辺りかしら?」
「ぐいぐい来るねっ?!」
「だって、私の気持ちは伝えてるし――遠慮することないでしょ? 大好きな人からは可愛いとか綺麗って言われたいんだもの」
本当、ナコもゴザルも――勢いがいいなぁ。
「ゴザルの髪色に映えていて――白銀、一種の美術品のようだよ。僕の個人的な感想になるけれど、君を見た瞬間に息をするのを忘れたレベルだ」
「……っ」
白銀に――ほんのりと、赤が混じり込む。
ゴザルは耳まで真っ赤に、パクパクと口を動かし続ける。声をだそうにも声がでないという様子だった。
僕は慌てふためくゴザルが面白くて――追撃してみる。
「姫様、お手を繋ぎましょうか」
「……ぉ、お手っ?!」
「今の僕の格好なら、多少はそれらしく見えるかな」
「……そ、それじゃあ、目的地までエスコートしてもらおうかしら」
「喜んで」
僕はゴザルの手を取る。
向かう先は一つ――中枢付近にあるフロアだ。以前、ナコとも散歩がてら来たことのある王宮だが、普段は大衆に向けて開放されている。王立図書館、レストラン、様々な施設があり賑わっていた。
打って変わって、今日の王宮内はガランとしている。
入り口には王宮の修復作業のため、休業するとの張り紙が貼られていた。
無論、人払いがメインではあるのだが、僕がリボルと共に落下した際――破壊した箇所もあるので嘘ではなかったりする。
各国の王が集う日、警備のための騎士が何人か配置されているだけだった。王たちの会合は公にせず、秘密裏に行われているのだろう。
その騎士の一人、真横を通過する際――ゴザルがじっと見つめる。
「ゴザル、どうかした?」
「ううん、なんでもないわ」
「騎士が少数なのは――一人一人が精鋭なのかな。立ち姿だけでも、隙が全くないように見えるよ」
「ふふ。ソラもわかるようになってきた?」
「まだまだ、ゴザルには及ばないけどね」
「そういえば、目的地はここら辺じゃなかったかしら?」
「目前だね。指定された場所はセイントラール王宮――謁見の間だった場所、今は会議場に改築されているよ」
この扉を開いたら、もう後戻りはできない。
今までとは全く異なる部類の戦いが待っているだろう。僕の要求に対して、各国の反応はどうなるのか。
僕は扉に手をかける。
臆するわけにはいかない――僕の心情に気付いたのか、ゴザルが握る手に力を込めるのがわかった。
「入ろう。約束の時間だ」
今、開国宣言が――始まる。
各国の王が集う日"Kingly"と"Nightmares"からは、僕とゴザルが代表として出席する運びとなっている。
さすがに、水着のままでというわけにもいかず――僕たちは普段とは異なり、もとの世界でいう正装をしていた。
僕はスーツにネクタイ、長い髪は一つ結びに、シンプルで失礼のない格好でまとめている。ゴザルは白のワンピース姿、いつもの和を基調とした格好とは一転して――新鮮な印象だった。
まるで、妖精のような――神秘さすらも感じさせる。
セイントラール王宮にたどり着くまで、何人がゴザルの方に振り向いただろう。視線が釘付けになる理由もわかる。
正直、美しい以外――言葉が見つからない。
「ねえ、ソラ――私の服装、似合ってるっ?」
「似合っているよ」
「特にどの辺りかしら?」
「ぐいぐい来るねっ?!」
「だって、私の気持ちは伝えてるし――遠慮することないでしょ? 大好きな人からは可愛いとか綺麗って言われたいんだもの」
本当、ナコもゴザルも――勢いがいいなぁ。
「ゴザルの髪色に映えていて――白銀、一種の美術品のようだよ。僕の個人的な感想になるけれど、君を見た瞬間に息をするのを忘れたレベルだ」
「……っ」
白銀に――ほんのりと、赤が混じり込む。
ゴザルは耳まで真っ赤に、パクパクと口を動かし続ける。声をだそうにも声がでないという様子だった。
僕は慌てふためくゴザルが面白くて――追撃してみる。
「姫様、お手を繋ぎましょうか」
「……ぉ、お手っ?!」
「今の僕の格好なら、多少はそれらしく見えるかな」
「……そ、それじゃあ、目的地までエスコートしてもらおうかしら」
「喜んで」
僕はゴザルの手を取る。
向かう先は一つ――中枢付近にあるフロアだ。以前、ナコとも散歩がてら来たことのある王宮だが、普段は大衆に向けて開放されている。王立図書館、レストラン、様々な施設があり賑わっていた。
打って変わって、今日の王宮内はガランとしている。
入り口には王宮の修復作業のため、休業するとの張り紙が貼られていた。
無論、人払いがメインではあるのだが、僕がリボルと共に落下した際――破壊した箇所もあるので嘘ではなかったりする。
各国の王が集う日、警備のための騎士が何人か配置されているだけだった。王たちの会合は公にせず、秘密裏に行われているのだろう。
その騎士の一人、真横を通過する際――ゴザルがじっと見つめる。
「ゴザル、どうかした?」
「ううん、なんでもないわ」
「騎士が少数なのは――一人一人が精鋭なのかな。立ち姿だけでも、隙が全くないように見えるよ」
「ふふ。ソラもわかるようになってきた?」
「まだまだ、ゴザルには及ばないけどね」
「そういえば、目的地はここら辺じゃなかったかしら?」
「目前だね。指定された場所はセイントラール王宮――謁見の間だった場所、今は会議場に改築されているよ」
この扉を開いたら、もう後戻りはできない。
今までとは全く異なる部類の戦いが待っているだろう。僕の要求に対して、各国の反応はどうなるのか。
僕は扉に手をかける。
臆するわけにはいかない――僕の心情に気付いたのか、ゴザルが握る手に力を込めるのがわかった。
「入ろう。約束の時間だ」
今、開国宣言が――始まる。
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