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もふもふの都開国編
267話 謎の痕跡
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通気口を抜けて――要塞の探索を開始する。
内部の構造は一見似たようなもので、以前に侵入したもう一つの方と特に変わった点はなかった。サラマンの残存兵がいないかどうかそういった心配もあったのだが、要塞内の静かな様子から察するに問題はなさそうである。
僕はマップを開こうとするが、
「あ、そうか――使えないんだった」
ウィンドウ表示がバグっている。
あの時、魔力の粒子となって飛ばされたメンバー全員に聞いたところ――例外なく同じ症状に陥っていた。一種の後遺症で間違いないとは思うが、修復の仕方が全くわからないのだ。いつの間にか、自然と戻っているという可能性もあるかもしれないが、今のところそんな気配は一ミリもなかった。
フレンドリスト含む便利な機能は、現在全て使用不可となっている。
「ライカのせいでごめんねぇ」
「ライカ、前にも言ったはずだよ。謝る必要なんてない、ライカのおかげで僕たちは今生きているんだから」
「クーラの言う通りです。ただ、フレンドリストは一緒にいる分には問題ないとは思うのですが――マップ機能だけはどうにかしたいですね。これがあるとないとでは、冒険の難易度が段違いに変わります」
「機能を修復する術もまた探してみようか」
僕はナコ、ライカ、二人の前を歩みながら、
「でも、こうして――探検するかのように、一つずつ自分の目で確認していくってのも本格的な冒険みたいで面白いよね」
「クーにぃの気持ちわかるなぁ」
ライカが嬉しそうに――僕の後を追いかけて来る。
「ライカもお祖父ちゃんと山中で遭難した時、見るもの全てが新鮮でサバイバルって感じがして楽しかったよ」
「……ライカ、それは楽しいのですか?」
ライカの一言に、ナコが唖然とした顔付きで返す。
「現地調達しながら、生き残るためになんでも食べたよ。お祖父ちゃんとライカはお腹壊したことがないから――基本なんでも余裕だった。宇宙人みたいな生物を焼いて食べたのが懐かしいなぁ」
「宇宙人、ですか?」
「んんー、蛇のようなカエルのような虫のような」
「◯×◇△××@@!?!?!」
「食感は――サクッとして、ネトっとして、ベチョって感じ」
「いゃぁあっ」
ナコが絶句している。
山中の過ごし方とか、解体の仕方とか、猟師のお祖父ちゃんに色々習ったって話してたもんなぁ。
想像以上にたくましいライカなのである。
食事といっていいかどうか、そんな話をしている最中――僕は要塞内のある違和感に気付く。
「……足跡?」
注意深く見ると、薄っすら泥付いた箇所がある。
指でなぞると――まだ新しい。乾ききっておらず、つい最近まで人がいたという痕跡が見て取れる。
「ナコ、ライカ――警戒して進もう」
誰かが――いる。
内部の構造は一見似たようなもので、以前に侵入したもう一つの方と特に変わった点はなかった。サラマンの残存兵がいないかどうかそういった心配もあったのだが、要塞内の静かな様子から察するに問題はなさそうである。
僕はマップを開こうとするが、
「あ、そうか――使えないんだった」
ウィンドウ表示がバグっている。
あの時、魔力の粒子となって飛ばされたメンバー全員に聞いたところ――例外なく同じ症状に陥っていた。一種の後遺症で間違いないとは思うが、修復の仕方が全くわからないのだ。いつの間にか、自然と戻っているという可能性もあるかもしれないが、今のところそんな気配は一ミリもなかった。
フレンドリスト含む便利な機能は、現在全て使用不可となっている。
「ライカのせいでごめんねぇ」
「ライカ、前にも言ったはずだよ。謝る必要なんてない、ライカのおかげで僕たちは今生きているんだから」
「クーラの言う通りです。ただ、フレンドリストは一緒にいる分には問題ないとは思うのですが――マップ機能だけはどうにかしたいですね。これがあるとないとでは、冒険の難易度が段違いに変わります」
「機能を修復する術もまた探してみようか」
僕はナコ、ライカ、二人の前を歩みながら、
「でも、こうして――探検するかのように、一つずつ自分の目で確認していくってのも本格的な冒険みたいで面白いよね」
「クーにぃの気持ちわかるなぁ」
ライカが嬉しそうに――僕の後を追いかけて来る。
「ライカもお祖父ちゃんと山中で遭難した時、見るもの全てが新鮮でサバイバルって感じがして楽しかったよ」
「……ライカ、それは楽しいのですか?」
ライカの一言に、ナコが唖然とした顔付きで返す。
「現地調達しながら、生き残るためになんでも食べたよ。お祖父ちゃんとライカはお腹壊したことがないから――基本なんでも余裕だった。宇宙人みたいな生物を焼いて食べたのが懐かしいなぁ」
「宇宙人、ですか?」
「んんー、蛇のようなカエルのような虫のような」
「◯×◇△××@@!?!?!」
「食感は――サクッとして、ネトっとして、ベチョって感じ」
「いゃぁあっ」
ナコが絶句している。
山中の過ごし方とか、解体の仕方とか、猟師のお祖父ちゃんに色々習ったって話してたもんなぁ。
想像以上にたくましいライカなのである。
食事といっていいかどうか、そんな話をしている最中――僕は要塞内のある違和感に気付く。
「……足跡?」
注意深く見ると、薄っすら泥付いた箇所がある。
指でなぞると――まだ新しい。乾ききっておらず、つい最近まで人がいたという痕跡が見て取れる。
「ナコ、ライカ――警戒して進もう」
誰かが――いる。
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