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もふもふの都開国編
276話 本音
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「猫ちゃん、本当に無事でよかったわ」
屋敷の外に出て、庭を歩きながら話す。
ライカと鈴華姫は自由気ままに、風花さんを無理やり鬼にして――追いかけっこを始めていた。
活発なチームはさて置き、残りのメンバーで近況を報告し合う。
「そう。ウィンウィンは――平和になったのね」
「まだまだ、破損したエリアの修復に大忙しだけどね。もとの状態に戻るまでは――もう少しかかると思う」
言いながら、僕は気付く。
物体であれば、ある程度壊れたものはもとに戻る。蘇生魔法があったゲーム時とは異なり、死んだ人間が生き返ることはない。
サマロの話になるのは――自然の流れだった。
「サマロのことは、今でも――思い出すわ。でも、いつまでも落ち込んでいても仕方ないからね」
レイナさんは言う。
その表情は――受け入れた、というには程遠く哀しみに満ち溢れていた。これまでの経緯から察するに、サマロとレイナさんは恋人同士だったろう。
そう簡単に――割り切れるものではない。
加えて、レイナさんはオーラ・ストーンにて仲間も失っているのだ。大切な人たちが立て続けに去っていくという現実――心の痛みは計り知れない。
ゲーム世界というものは非情で残酷である。
画面越しに見ていたからこそ、安全地帯にいたからこそ――僕たちは楽しくプレイできていたのだ。
命が懸かることにより――全ては一転する。
「……レイナさん。私、今日はあなたに会いに来たんです」
「あらあら、猫ちゃんどうしたの?」
「サマロが最後に――レイナさんに残した言葉があるんです」
「……サマロが? 私に?」
ナコが胸を抑えながら――振り絞るように言う。
「愛していると、そう伝えて欲しいと言っていました」
その瞬間、レイナさんの瞳から涙が零れ落ちる。
一粒目を皮切りに、大粒の雫が止め処なく溢れ出した。レイナさんは両手で顔を抑えるが、指の隙間からも滴り落ちてくる。
ナコが慌てて――レイナさんに駆け寄る。
「ごめんなさい。気持ちの整理が追い付いていない状況で――私、空気が読めていないですよね」
「……ううん。逆、だわ」
レイナさんは嗚咽混じりに言う。
「今、だからこそ――聞き、たかった。サマロが残した、ものなら、私は一秒でも早く受け取り、たい。他には、サマロのことは、なにか知らない?」
「サマロは――最後まで笑顔でした」
「……笑顔、だったのね」
レイナさんが深呼吸をする。
ゆっくりと、ゆっくりと、サマロが残した言葉を――身体に染み込ませているようだった。
レイナさんはクスッと笑いながら、
「……愛している。私と二人の時は全然言ってくれなかったくせに、最後の最後で言うってどういうことのなのよ」
「やっぱり、大好きな気持ちは――言葉で伝えてほしいですよね」
「猫ちゃんもわかってくれる? 女心に対して無関心なのよ。言わなくても気付けって態度だされても困るのよね」
「私もいっぱい好きって言ってほしいです」
言葉で伝える、か。
僕は脳内にてメモ書きをする。女性陣の本音――覚えておくとしよう。
屋敷の外に出て、庭を歩きながら話す。
ライカと鈴華姫は自由気ままに、風花さんを無理やり鬼にして――追いかけっこを始めていた。
活発なチームはさて置き、残りのメンバーで近況を報告し合う。
「そう。ウィンウィンは――平和になったのね」
「まだまだ、破損したエリアの修復に大忙しだけどね。もとの状態に戻るまでは――もう少しかかると思う」
言いながら、僕は気付く。
物体であれば、ある程度壊れたものはもとに戻る。蘇生魔法があったゲーム時とは異なり、死んだ人間が生き返ることはない。
サマロの話になるのは――自然の流れだった。
「サマロのことは、今でも――思い出すわ。でも、いつまでも落ち込んでいても仕方ないからね」
レイナさんは言う。
その表情は――受け入れた、というには程遠く哀しみに満ち溢れていた。これまでの経緯から察するに、サマロとレイナさんは恋人同士だったろう。
そう簡単に――割り切れるものではない。
加えて、レイナさんはオーラ・ストーンにて仲間も失っているのだ。大切な人たちが立て続けに去っていくという現実――心の痛みは計り知れない。
ゲーム世界というものは非情で残酷である。
画面越しに見ていたからこそ、安全地帯にいたからこそ――僕たちは楽しくプレイできていたのだ。
命が懸かることにより――全ては一転する。
「……レイナさん。私、今日はあなたに会いに来たんです」
「あらあら、猫ちゃんどうしたの?」
「サマロが最後に――レイナさんに残した言葉があるんです」
「……サマロが? 私に?」
ナコが胸を抑えながら――振り絞るように言う。
「愛していると、そう伝えて欲しいと言っていました」
その瞬間、レイナさんの瞳から涙が零れ落ちる。
一粒目を皮切りに、大粒の雫が止め処なく溢れ出した。レイナさんは両手で顔を抑えるが、指の隙間からも滴り落ちてくる。
ナコが慌てて――レイナさんに駆け寄る。
「ごめんなさい。気持ちの整理が追い付いていない状況で――私、空気が読めていないですよね」
「……ううん。逆、だわ」
レイナさんは嗚咽混じりに言う。
「今、だからこそ――聞き、たかった。サマロが残した、ものなら、私は一秒でも早く受け取り、たい。他には、サマロのことは、なにか知らない?」
「サマロは――最後まで笑顔でした」
「……笑顔、だったのね」
レイナさんが深呼吸をする。
ゆっくりと、ゆっくりと、サマロが残した言葉を――身体に染み込ませているようだった。
レイナさんはクスッと笑いながら、
「……愛している。私と二人の時は全然言ってくれなかったくせに、最後の最後で言うってどういうことのなのよ」
「やっぱり、大好きな気持ちは――言葉で伝えてほしいですよね」
「猫ちゃんもわかってくれる? 女心に対して無関心なのよ。言わなくても気付けって態度だされても困るのよね」
「私もいっぱい好きって言ってほしいです」
言葉で伝える、か。
僕は脳内にてメモ書きをする。女性陣の本音――覚えておくとしよう。
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