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もふもふの都開国編
277話 新たな旅立ち
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話も一段落し、レイナさんがナコに優しく抱き着く。
気持ちの整理の付け方は、人それぞれではあるが――レイナさんは冒険者である。現実を噛み締めて生き抜く力を携えている。
サマロの言葉は――必ず力になると僕は信じていた。
「レイナさんは、これからどうするんですか?」
「そうね。もう冒険者はやめようかな」
「えっ? やめちゃうん、ですか?」
「猫ちゃん、そんな悲しそうな顔しないで。別にサマロたちがいなくなったから、それだけが理由じゃないわ」
「じゃあ、どうして」
「新しい生き方を、この国で見つけたからよ」
レイナさんの顔に、迷いはなかった。
むしろ、サマロの最後の言葉が彼女を立ち直らせたのかもしれない。以前、オーラ・ストーンにてスカル・キラーと対峙した時もそうだったが――レイナさんは決して折れることなく前だけを見ていた。
芯の部分は、一人の人間として――とても強い。
「最初、サマロの亡くなった場所に行こうと思っていたんだけれど、猫ちゃんが言葉を届けてくれたなら――もうそれで十分だわ」
レイナさんは言う。
「ウィンウィンには戻らない。サマロが救ってくれたおかげで――今、私はここに立っている。一つの運命としてこの国で暮らしていこうと思うの」
確固たる意志を感じた。
レイナさんはナコの頭をなでながら――ありがとうと呟いた。ナコはその言葉を聞いてポロポロと泣き始める。
我慢していたものが――溢れ出したようだった。
「あらあら、猫ちゃんが泣いてどうするのよ」
「わ、私、怖かったんです。私を助けたせいで、サマロは死にました。そんな私が、最後の言葉を伝えるなんて、そんな資格が、あるのかなって」
「それを言い出したら、私たちも一度助けられているじゃない。サマロはね、借りを作るのが大嫌いな性格なのよ。今ごろ、空の上で猫ちゃんにやってやったぜって微笑んでるに違いないわ」
レイナさんが僕の方に視線を移し、
「クーラちゃん。さっきから静かに見守っているけれど――あなたからは私になにか一言ないのかしら?」
「僕がなにか言わなくとも、君は立派に一人で歩いていける」
「ふふ。淡白な物言いなのね」
そう話すレイナさんの笑顔に――陰りはなかった。
気持ちの整理の付け方は、人それぞれではあるが――レイナさんは冒険者である。現実を噛み締めて生き抜く力を携えている。
サマロの言葉は――必ず力になると僕は信じていた。
「レイナさんは、これからどうするんですか?」
「そうね。もう冒険者はやめようかな」
「えっ? やめちゃうん、ですか?」
「猫ちゃん、そんな悲しそうな顔しないで。別にサマロたちがいなくなったから、それだけが理由じゃないわ」
「じゃあ、どうして」
「新しい生き方を、この国で見つけたからよ」
レイナさんの顔に、迷いはなかった。
むしろ、サマロの最後の言葉が彼女を立ち直らせたのかもしれない。以前、オーラ・ストーンにてスカル・キラーと対峙した時もそうだったが――レイナさんは決して折れることなく前だけを見ていた。
芯の部分は、一人の人間として――とても強い。
「最初、サマロの亡くなった場所に行こうと思っていたんだけれど、猫ちゃんが言葉を届けてくれたなら――もうそれで十分だわ」
レイナさんは言う。
「ウィンウィンには戻らない。サマロが救ってくれたおかげで――今、私はここに立っている。一つの運命としてこの国で暮らしていこうと思うの」
確固たる意志を感じた。
レイナさんはナコの頭をなでながら――ありがとうと呟いた。ナコはその言葉を聞いてポロポロと泣き始める。
我慢していたものが――溢れ出したようだった。
「あらあら、猫ちゃんが泣いてどうするのよ」
「わ、私、怖かったんです。私を助けたせいで、サマロは死にました。そんな私が、最後の言葉を伝えるなんて、そんな資格が、あるのかなって」
「それを言い出したら、私たちも一度助けられているじゃない。サマロはね、借りを作るのが大嫌いな性格なのよ。今ごろ、空の上で猫ちゃんにやってやったぜって微笑んでるに違いないわ」
レイナさんが僕の方に視線を移し、
「クーラちゃん。さっきから静かに見守っているけれど――あなたからは私になにか一言ないのかしら?」
「僕がなにか言わなくとも、君は立派に一人で歩いていける」
「ふふ。淡白な物言いなのね」
そう話すレイナさんの笑顔に――陰りはなかった。
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