転生したら倉庫キャラ♀でした。

ともQ

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もふもふの都開国編

278話 お金は最強

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「さあ、鈴華ちゃん――授業の続きをするわよ」
「ぎょえっ! もういやじゃああっ!! ライカたちが遊びに来たのじゃから、今日くらい休みでもいいではないかぁあっ?!」
「駄目よ」
「ひぅうっ」

 願い届かず、一刀両断である。
 レイナさんが鈴華姫の首根っこを掴んで引きずっていく。
 その哀愁漂う姿を見送った後、僕たちは一度紅桜組の屋敷に戻ることにする。

「クーラ殿、白雪殿にも会っていかれるのだろう?」
「その予定です。もしかして、近い内に――定例会議でもありますか?」
「察しの通りだ。近々、紅桜組の屋敷に来ることになっている」

 ナイスタイミングだった。
 連なりの巨塔に向かおうと考えていたが、それならば――待機している方が話は早いだろう。風花さんの反応を見る限り問題なく共存の道は継続してそうだが、その架け橋となった僕としては会議に顔を出しておきたい。
 となると、サンサンを観光するなら――今日がベストか。

「うわぁ、お店がいっぱいあります」

 帰りの道中、ナコが目を輝かせている。
 せっかくなので、ナコを連れて色々なところを見て回りたかった。僕は風花さんに事情を話し――街中にて解散となる。
 風花さんが急に真面目な顔付きとなり、

「クーラ殿、一つだけ警告がある。最近、この付近に辻斬が出没しているのだ」
「辻斬、ですか?」
「ああ。紅桜組の隊員も――何人か殺された」
「殺された? それは――穏やかではないですね」
「昼夜関係なく突然現れては、人をゴミのように斬り捨てていく輩だ。捕らえようにも逃げ足が速くてな。狡猾で腕も立つ――どうか気を付けてほしい」
「肝に銘じておきます」
「それでは、私は巡回をしてから屋敷に戻る。滞在中は紅桜組に宿泊するといい、また帰りを待っているぞ」
「ありがとうございます」

 辻斬、か。
 風花さんの言う人をゴミのように斬り捨てていく、脳内の記憶に纏わりついてくるワードに――無意識に吐き気がした。
 いやな予感が――する。

「クーラ、大丈夫ですか? 顔色が悪いですよ」
「あはは、お腹が空いたせいかな」

 空は真っ赤に染まりつつある。
 少し早いけれど、晩御飯時には丁度いいかもしれない。この国は、もとの世界に似た料理がたくさんあるのも特徴だ。
 そして、とっておきの――お店があった。

「ナコ、お寿司を食べに行こうか」
「えぇっ、お寿司があるんですかっ?!」
「ナコちん、超やばいよっ! ウニにいくらにトロに――ご馳走がいっぱいあるんだよっ!!」
「ふわぁああ、考えるだけで胸がトキメキます」

 ナコの反応的に――大好物のようだ。
 念のため、手持ちの資金を確認する。リペアストーンを売買したお金は――まだまだ豊富にある。
 僕は架空の葉巻を吸うかのごとく、バブリーに言い放つ。

「二人共、好きなだけ頼んでいいよ」

 お金があるって素晴らしい。
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