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もふもふの都開国編
281話 闇夜の戦い
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「風刀――花散」
ライカの全身が、花びらのよう飛び散る。
僕たちはその光景を――眺めていることしかできなかった。突然の仲間の死に身体が硬直して動かない。
一瞬にして――場を制圧された。
ナコも風花さんも棒立ち状態、アラシと名乗る男が――その大きな隙を見逃すはずもなかった。
アラシの刀が――次なる標的を捉える。
「順番に、邪魔者から排除していくで」
ナコの首に――凶刃が迫る。
まるでスローモーションのように、一秒後にはナコが絶命している未来図が待ち受けていた。
間に合わない、間に合うわけがない。
僕が体勢を立て直している間に、全ては終わってしまう。
全滅という言葉が、脳内を埋め尽くしていく。
「クーにぃ、しっかりしてっ!」
その声に、意識が覚醒する。
アラシの刀がナコに触れる直前、寸前のところでライカが割って入り――弾き返す。ライカは死んでいなかった。
そうか、あれは――分身体だったのか。
「手応えないなぁ思とったが、やっぱり生きとったか」
「ライカの好きなナコちんに――気安く触れるな」
「あはは。リーダーに引っ付くだけの金魚の糞やったやつが、偉そうな口叩くようになったなぁ」
「ライカ、嫌いな相手には遠慮しないから」
「おう。嫌い同士、丁度ええやないか」
ライカとアラシが熾烈な争いを繰り広げる。
ライカが本気で戦っている姿は――初めて見たかもしれない。王都上空、リボルと対峙していた時はどこか遠慮していた雰囲気が見て取れたが、今のライカは普段見せることのない猛獣のようなオーラを纏っていた。
桁違いに鋭い動き、下手に加勢したら足を引っ張りそうだった。
「風花さん。今の間に僕が怪我の治療をします」
「……私はまだ、命に別状はない。先に周りの隊員からでもよいだろうか? こんな状況でワガママを言う私を許してくれ」
「優しい風花さんらしいですよ」
「すまない。皆が来てくれなければ――私は死んでいただろう。それくらいにやつは圧倒的な強さだった」
身体の限界か、風花さんが崩れ落ちる。
「ナコ、風花さんに付いていてあげて」
「はいっ! で、でも、ライカは大丈夫でしょうか?」
「信じよう。ライカにも考えが――あるはずだ」
た、多分。
ゲーム時、忍者はソロ活動に向いているジョブだった。攻撃職に分類されているとは思えないほどに――多種多彩なバフとデバフ、回復スキルを兼ね備えている。
そのソロに特化した性能からネームドやボス相手に、一人でチャレンジする猛者もいたくらいである。
ライカの手数に圧倒され、アラシが一足飛びに距離を取る。
「腐っても飼われても、超越者なだけはあるなぁ」
「クーにぃは最高の飼い主だからねぇ」
えっ、僕って――飼ってる体だったの?
「しっかし、忍者相手はやりづらいわぁ。夜ってのもステージがあかん、上手いこと魔力の気配が消えるさかい――防御が難しい」
「負け惜しみかなぁ」
「調子に乗るなや、狐風情が――今からが本番やで」
「奇遇だねぇ。ライカもウォーミングアップは終わりだよ」
戦況は――激化する。
ライカの全身が、花びらのよう飛び散る。
僕たちはその光景を――眺めていることしかできなかった。突然の仲間の死に身体が硬直して動かない。
一瞬にして――場を制圧された。
ナコも風花さんも棒立ち状態、アラシと名乗る男が――その大きな隙を見逃すはずもなかった。
アラシの刀が――次なる標的を捉える。
「順番に、邪魔者から排除していくで」
ナコの首に――凶刃が迫る。
まるでスローモーションのように、一秒後にはナコが絶命している未来図が待ち受けていた。
間に合わない、間に合うわけがない。
僕が体勢を立て直している間に、全ては終わってしまう。
全滅という言葉が、脳内を埋め尽くしていく。
「クーにぃ、しっかりしてっ!」
その声に、意識が覚醒する。
アラシの刀がナコに触れる直前、寸前のところでライカが割って入り――弾き返す。ライカは死んでいなかった。
そうか、あれは――分身体だったのか。
「手応えないなぁ思とったが、やっぱり生きとったか」
「ライカの好きなナコちんに――気安く触れるな」
「あはは。リーダーに引っ付くだけの金魚の糞やったやつが、偉そうな口叩くようになったなぁ」
「ライカ、嫌いな相手には遠慮しないから」
「おう。嫌い同士、丁度ええやないか」
ライカとアラシが熾烈な争いを繰り広げる。
ライカが本気で戦っている姿は――初めて見たかもしれない。王都上空、リボルと対峙していた時はどこか遠慮していた雰囲気が見て取れたが、今のライカは普段見せることのない猛獣のようなオーラを纏っていた。
桁違いに鋭い動き、下手に加勢したら足を引っ張りそうだった。
「風花さん。今の間に僕が怪我の治療をします」
「……私はまだ、命に別状はない。先に周りの隊員からでもよいだろうか? こんな状況でワガママを言う私を許してくれ」
「優しい風花さんらしいですよ」
「すまない。皆が来てくれなければ――私は死んでいただろう。それくらいにやつは圧倒的な強さだった」
身体の限界か、風花さんが崩れ落ちる。
「ナコ、風花さんに付いていてあげて」
「はいっ! で、でも、ライカは大丈夫でしょうか?」
「信じよう。ライカにも考えが――あるはずだ」
た、多分。
ゲーム時、忍者はソロ活動に向いているジョブだった。攻撃職に分類されているとは思えないほどに――多種多彩なバフとデバフ、回復スキルを兼ね備えている。
そのソロに特化した性能からネームドやボス相手に、一人でチャレンジする猛者もいたくらいである。
ライカの手数に圧倒され、アラシが一足飛びに距離を取る。
「腐っても飼われても、超越者なだけはあるなぁ」
「クーにぃは最高の飼い主だからねぇ」
えっ、僕って――飼ってる体だったの?
「しっかし、忍者相手はやりづらいわぁ。夜ってのもステージがあかん、上手いこと魔力の気配が消えるさかい――防御が難しい」
「負け惜しみかなぁ」
「調子に乗るなや、狐風情が――今からが本番やで」
「奇遇だねぇ。ライカもウォーミングアップは終わりだよ」
戦況は――激化する。
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