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もふもふの都開国編
319話 ガラスネーク戦 その3
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想像以上に――深い。
はたして、どこまで落下するのか――枝分かれした穴の形状から、シークレットの狡猾さが伝わってくる。
僕とホムラ、ライカとポンズ、貴重な戦力を二つに分断されてしまったのだ。
……用意周到すぎる。
このシークレット、ポンズの"千里眼"で発見できなかったのではない。
僕たちの存在を先に察知し――巧妙に潜伏していたのではないか?
僕たちが山頂部にたどり着いてからの3日間、戦闘の舞台を整えるために準備していた可能性がある。
手の平の上で転がされていた。
人に近い知性を備えていると考えた方がいいだろう。
僕はホムラを触手で絡み取り――抱き寄せる。
「ひゃぁ、なにするのっ?! 別にこれくらい、私一人で着地できるよっ!」
「ごめん。今はどこから攻撃が来るかわからない。極力、二人で身を寄せ合っている方が安全だと思うんだ。ついでに、着地できるなら――僕も一緒に安全を確保してくれると嬉しいな」
「……ごめんなんて、言わなくていいもん」
「ホムラ?」
「なんでもない。変なところ触らないでよね」
ホムラが魔法陣を展開する。
「風龍、風珠」
風が僕たちを包み込む。
落下速度が減速していき――穴底に着地する。ホムラが火龍を召喚、周囲を明るく照らした。
上を向くも、地上は――見えない。
かなり深層まで来たと、そう判断してよいだろう。
「ライカちゃん、ポンズちゃん、無事かな」
「大丈夫。あの二人なら――どうにか上手いこと生還するよ。僕たちは僕たちで脱出の方法を考えよう」
「……うん」
「今のところ、追撃が来る気配は――なさそうだね。あの巨体だ、首だけでも周囲が揺れてもおかしくはない」
おそらく、ここは――シークレットの巣穴だろう。
現状、立てられる予想は二つ――僕たちが心身共に消耗した瞬間を狙い撃つか、僕たちが完全に力尽きるまで傍観するか。
どちらにせよ、こちら側は――動く以外の選択肢はない。
手持ちの食料と飲み水が尽きれば死ぬことは明白、一度アイテムボックスの中身を確認してみよう。
まずは、腰を下ろせる場所を確保するか。
「ホムラ、ここの岩盤――精霊で掘ることはできる?」
「できるけど、休むならポケットハウスでいいんじゃないの」
「駄目だ。ここはセーフティゾーンじゃない。シークレットの胃の中といってもいいくらいなんだ。奇襲に備えて常に戦闘態勢が取れるようにはしておこう」
「……わかった」
ホムラが土龍で横穴を掘る。
シークレットが掘った穴は――全て把握されていると考えた方がいい。敵側からしてイレギュラーな場所に休憩所を設けるがベストだろう。最悪の状況となった今、最悪のイメージをするに越したことはない。
6畳くらいの横穴、僕たちはそこに入り込む。
「土龍で周囲を補強してるから、落石なんかは問題ないと思う」
「ありがとう。十分すぎるよ」
「……うん」
僕は火竜玉を削り落とし――火を起こす。
敵陣のど真ん中、闇雲に動いたところで仕方ない。
紅茶でも飲みながら、ゆっくりと作戦を練ることにした。
はたして、どこまで落下するのか――枝分かれした穴の形状から、シークレットの狡猾さが伝わってくる。
僕とホムラ、ライカとポンズ、貴重な戦力を二つに分断されてしまったのだ。
……用意周到すぎる。
このシークレット、ポンズの"千里眼"で発見できなかったのではない。
僕たちの存在を先に察知し――巧妙に潜伏していたのではないか?
僕たちが山頂部にたどり着いてからの3日間、戦闘の舞台を整えるために準備していた可能性がある。
手の平の上で転がされていた。
人に近い知性を備えていると考えた方がいいだろう。
僕はホムラを触手で絡み取り――抱き寄せる。
「ひゃぁ、なにするのっ?! 別にこれくらい、私一人で着地できるよっ!」
「ごめん。今はどこから攻撃が来るかわからない。極力、二人で身を寄せ合っている方が安全だと思うんだ。ついでに、着地できるなら――僕も一緒に安全を確保してくれると嬉しいな」
「……ごめんなんて、言わなくていいもん」
「ホムラ?」
「なんでもない。変なところ触らないでよね」
ホムラが魔法陣を展開する。
「風龍、風珠」
風が僕たちを包み込む。
落下速度が減速していき――穴底に着地する。ホムラが火龍を召喚、周囲を明るく照らした。
上を向くも、地上は――見えない。
かなり深層まで来たと、そう判断してよいだろう。
「ライカちゃん、ポンズちゃん、無事かな」
「大丈夫。あの二人なら――どうにか上手いこと生還するよ。僕たちは僕たちで脱出の方法を考えよう」
「……うん」
「今のところ、追撃が来る気配は――なさそうだね。あの巨体だ、首だけでも周囲が揺れてもおかしくはない」
おそらく、ここは――シークレットの巣穴だろう。
現状、立てられる予想は二つ――僕たちが心身共に消耗した瞬間を狙い撃つか、僕たちが完全に力尽きるまで傍観するか。
どちらにせよ、こちら側は――動く以外の選択肢はない。
手持ちの食料と飲み水が尽きれば死ぬことは明白、一度アイテムボックスの中身を確認してみよう。
まずは、腰を下ろせる場所を確保するか。
「ホムラ、ここの岩盤――精霊で掘ることはできる?」
「できるけど、休むならポケットハウスでいいんじゃないの」
「駄目だ。ここはセーフティゾーンじゃない。シークレットの胃の中といってもいいくらいなんだ。奇襲に備えて常に戦闘態勢が取れるようにはしておこう」
「……わかった」
ホムラが土龍で横穴を掘る。
シークレットが掘った穴は――全て把握されていると考えた方がいい。敵側からしてイレギュラーな場所に休憩所を設けるがベストだろう。最悪の状況となった今、最悪のイメージをするに越したことはない。
6畳くらいの横穴、僕たちはそこに入り込む。
「土龍で周囲を補強してるから、落石なんかは問題ないと思う」
「ありがとう。十分すぎるよ」
「……うん」
僕は火竜玉を削り落とし――火を起こす。
敵陣のど真ん中、闇雲に動いたところで仕方ない。
紅茶でも飲みながら、ゆっくりと作戦を練ることにした。
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