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もふもふの都開国編
340話 Liberty
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火の都サラマンの跡地。
驚くことに、マイマイは障害となりそうな瓦礫等――その全てを取り除き、更地にしていた。本人曰く、下見も兼ねながら国が置けるように整地していたという。
この広大な土地を――1人で?
いくらなんでも、人間離れした技にもほどがある。一体、どんなからくりが――僕の表情に気付いたのか、マイマイがドヤ顔で答える。
「超越者スキル"間の支配者"ネ。マイマイの視界に入るオブジェクト類、そう認識したものは――設置、消去、好き勝手弄ることができるのヨ」
「なにその無敵感溢れるスキル」
「ふっ、消そうと思えば王都も消せるのネ」
マイマイが恐ろしいことを言う。
だが、今の話に不可解な点が一つ――ゲーム時、超越者スキルは戦闘職専用となっており、生産職には存在しなかったのだ。
今後のアップデートで実装予定だったかもしれないが、今となってはもう答えはでてこない。
なんにせよ、マイマイが仲間にいることは心強いの一言に尽きる。
「……生産職に超越者スキル、知らない情報はまだたくさんあるのね」
ゴザルが深々と言う。
ゴザルのことだから、生産職が戦闘面で脅威になりえるか否か――頭の中で考えていそうである。
常に知識をアップデートしていき不慮の事態に備えるのは、この世界ではプレイヤーとしては常識となりつつある。
しかし、これだけ幅広い能力――他にも種類があるとしたら、状況によっては戦場で相まみえる可能性もあるだろう。
戦闘とは一線を画したスキルだが、使いどころを厳選したら――戦闘職に並ぶ力、戦闘職以上の力を発揮するのは間違いない。
未知数の能力、シークレットみたいなものだ。
「マイマイ。その超越者スキル、僕たち以外に知っている人は?」
「いないヨ。ソラたんたちを信頼して――初めて話したのネ」
「ありがとう」
「強そうに見えて弱点もあるヨ。"間の支配者"は容量が決まっているからネ」
「容量?」
「パソコンでいうデータ保存のメモリーみたいなものヨ。設置、消去、無尽蔵にできるわけじゃない。ダンジョン自体はオブジェクトの認識ができないし、視界に入るものという縛りもあるネ」
マイマイは言う。
以前、マイマイが拉致されそうになった時のことを思い出す。ただ、役に立つ生産職が欲しいだけと――僕はそう結論をだしていた。
まだ、その先があったとしたら?
「襲撃の理由、ここが一番のポイントかもしれないな」
「信頼度は高い。うちは有名な生産職を連れて来いと――そう指示されていた。裏を返せば超越者にいたった、いたる可能性のあるプレイヤーを確保するためとも取れる」
ペルファリア大山脈から帰還後、ポンズは全てを話した。
ハキハキとした物言いとなり、本当に生まれ変わったかのようだった。
自身は外注を受ける形となっており――依頼者、そのギルドの構成等の詳細は把握していないという。
唯一知っている点は、ギルド名と依頼者の名前のみだった。
「"Liberty"だったかな」
「"Liberty"のリーダー、Venge――ベンジェはリボルさん亡き後、意思を引き継ぐように動いている。一つ、言い忘れていたことがあるとしたら」
話の最中、ポンズの顔色が悪くなる。
なにかを思い出したのか、なにかの光景が脳裏に浮かんだのか、無表情で冷静なポンズからは珍しい反応だった。
ポンズは一瞬嘔吐き、口元を押さえながら、
「あの男は常軌を逸している」
震える声で――そう口にした。
驚くことに、マイマイは障害となりそうな瓦礫等――その全てを取り除き、更地にしていた。本人曰く、下見も兼ねながら国が置けるように整地していたという。
この広大な土地を――1人で?
いくらなんでも、人間離れした技にもほどがある。一体、どんなからくりが――僕の表情に気付いたのか、マイマイがドヤ顔で答える。
「超越者スキル"間の支配者"ネ。マイマイの視界に入るオブジェクト類、そう認識したものは――設置、消去、好き勝手弄ることができるのヨ」
「なにその無敵感溢れるスキル」
「ふっ、消そうと思えば王都も消せるのネ」
マイマイが恐ろしいことを言う。
だが、今の話に不可解な点が一つ――ゲーム時、超越者スキルは戦闘職専用となっており、生産職には存在しなかったのだ。
今後のアップデートで実装予定だったかもしれないが、今となってはもう答えはでてこない。
なんにせよ、マイマイが仲間にいることは心強いの一言に尽きる。
「……生産職に超越者スキル、知らない情報はまだたくさんあるのね」
ゴザルが深々と言う。
ゴザルのことだから、生産職が戦闘面で脅威になりえるか否か――頭の中で考えていそうである。
常に知識をアップデートしていき不慮の事態に備えるのは、この世界ではプレイヤーとしては常識となりつつある。
しかし、これだけ幅広い能力――他にも種類があるとしたら、状況によっては戦場で相まみえる可能性もあるだろう。
戦闘とは一線を画したスキルだが、使いどころを厳選したら――戦闘職に並ぶ力、戦闘職以上の力を発揮するのは間違いない。
未知数の能力、シークレットみたいなものだ。
「マイマイ。その超越者スキル、僕たち以外に知っている人は?」
「いないヨ。ソラたんたちを信頼して――初めて話したのネ」
「ありがとう」
「強そうに見えて弱点もあるヨ。"間の支配者"は容量が決まっているからネ」
「容量?」
「パソコンでいうデータ保存のメモリーみたいなものヨ。設置、消去、無尽蔵にできるわけじゃない。ダンジョン自体はオブジェクトの認識ができないし、視界に入るものという縛りもあるネ」
マイマイは言う。
以前、マイマイが拉致されそうになった時のことを思い出す。ただ、役に立つ生産職が欲しいだけと――僕はそう結論をだしていた。
まだ、その先があったとしたら?
「襲撃の理由、ここが一番のポイントかもしれないな」
「信頼度は高い。うちは有名な生産職を連れて来いと――そう指示されていた。裏を返せば超越者にいたった、いたる可能性のあるプレイヤーを確保するためとも取れる」
ペルファリア大山脈から帰還後、ポンズは全てを話した。
ハキハキとした物言いとなり、本当に生まれ変わったかのようだった。
自身は外注を受ける形となっており――依頼者、そのギルドの構成等の詳細は把握していないという。
唯一知っている点は、ギルド名と依頼者の名前のみだった。
「"Liberty"だったかな」
「"Liberty"のリーダー、Venge――ベンジェはリボルさん亡き後、意思を引き継ぐように動いている。一つ、言い忘れていたことがあるとしたら」
話の最中、ポンズの顔色が悪くなる。
なにかを思い出したのか、なにかの光景が脳裏に浮かんだのか、無表情で冷静なポンズからは珍しい反応だった。
ポンズは一瞬嘔吐き、口元を押さえながら、
「あの男は常軌を逸している」
震える声で――そう口にした。
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