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もふもふの都開国編
346話 もふもふ散策 その1
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「クーラ、予定と言っていましたが――なにかあるのですか?」
「街の様子を見に行こうと思ってね」
ナコと共に、街中に繰り出す。
この一ヶ月にて、もふもふは三国と変わらぬくらいに活気付いた。
民が増えたこと以外にも、もふもふの名産品を求めて――商人、観光客が大勢出入りしていることもその要因の一部となっていた。
マイマイの力により、基盤は全てできている。
あとは人を受け入れるだけの状態だったのだが、大陸龍の経路に組み込まれたことが信用という点に置いては非常に大きかった。
新たな国として受け入れられたという事実に相違ないからだ。
「……クーラ、なんだか懐かしい匂いがします」
「あはは。アルコール臭だよね」
「もしかして、ウィールですか?」
「大正解、ウィンウィンが誇るお酒だよ。ナコが一気飲みしてぶっ倒れて」
「わぁああ、それ以上は言わなくていいですっ」
酒蔵である。
お酒が大好きな僕ならではの発想なのだが、各国のお酒をいつでも飲めるようにしてあるのだ。
そう、各国のお酒――ウィール以外もたくさんある。
この世界では国自体がお酒を造ることは許可されているようで、それならばと僕も現在もふもふブランドのお酒を作成中だったりする。
だが、僕は戦闘職――そういった知識はない。
「モイモイさん、どんな感じですか?」
「クーラさん、今最高のやつができてるデスよ」
「マジで?」
「マジマジのマジ、試飲してみるデスか?」
新たな仲間、マイマイの妹――モイモイである。
同じ生産職プレイヤーであり、もとの世界では双子の妹だったと聞いた。妹のモイモイは調理に長けているようで、ゲーム時はステータスアップの食事等、そういったものを作成できる職人だったという。
モイモイが黄金色の液体をジョッキに注ぎ入れる。
「……綺麗だね。なんか、神秘的にさえ感じるよ」
「万人受けのため、度数は控えめにしてあるデスよ。ちなみに、もふもふの王様であるクーラさんの色合いをイメージしたデス」
「僕の色合い?」
「クーラさんの髪色、関連付けることによって――このお酒を飲んだ人はクーラさんが脳内に浮かぶはずデス」
色々考えてあるんだなぁ。
まあ、そこら辺の凝った部分は――専門であるモイモイに任せるとしよう。僕は早速とばかりにジョッキを口元に運ぶ。
その直前、ナコが僕の腕を両手で掴んだ。
「待ってください。どうしてジョッキなんですか」
「えっ?!」
「試飲だけなら、そんなにサイズは大きくなくていいですよね」
「の、喉越しとか大事だから」
「……じろり」
ナコが疑いの眼差しを向ける。
な、なんて鋭さ――完全に言いわけということがバレている。いや、常日頃お酒に関する僕の信用がゼロに等しいのだろう。
どうする――どうするっ?
「クーラ、この後もまだ見回る場所があるんじゃないですか?」
「……正論すぎるぅっ!」
ゴクリごくごく。
言いながら、僕はナコごと持ち上げて一気に飲み干す。
「よっ、大将っ! 豪快で勇ましい飲みっぷりデスよっ!」
「んんっ、もとの世界でいうビールとチューハイを混ぜ合わせたような感じだねっ! そこにモイモイさんの個性が前面に押し出ているというか、炭酸が麻痺薬並に喉で痺れる弾け具合いっ!! これはもう大ヒット間違いなしだよ、だって今思わずおかわりって言い掛けたからねっ?!」
「クーラ?」
「モイモイさん。引き続き、新作も含めてお願いします」
「はい、任せるデスっ!」
素晴らしいお酒だった。
僕はナコを腕にぶら下げながら酒蔵を後にする。
「さあ、行こうか――ナコ」
「クーラ?」
強行突破しすぎた感は――否めない。
「街の様子を見に行こうと思ってね」
ナコと共に、街中に繰り出す。
この一ヶ月にて、もふもふは三国と変わらぬくらいに活気付いた。
民が増えたこと以外にも、もふもふの名産品を求めて――商人、観光客が大勢出入りしていることもその要因の一部となっていた。
マイマイの力により、基盤は全てできている。
あとは人を受け入れるだけの状態だったのだが、大陸龍の経路に組み込まれたことが信用という点に置いては非常に大きかった。
新たな国として受け入れられたという事実に相違ないからだ。
「……クーラ、なんだか懐かしい匂いがします」
「あはは。アルコール臭だよね」
「もしかして、ウィールですか?」
「大正解、ウィンウィンが誇るお酒だよ。ナコが一気飲みしてぶっ倒れて」
「わぁああ、それ以上は言わなくていいですっ」
酒蔵である。
お酒が大好きな僕ならではの発想なのだが、各国のお酒をいつでも飲めるようにしてあるのだ。
そう、各国のお酒――ウィール以外もたくさんある。
この世界では国自体がお酒を造ることは許可されているようで、それならばと僕も現在もふもふブランドのお酒を作成中だったりする。
だが、僕は戦闘職――そういった知識はない。
「モイモイさん、どんな感じですか?」
「クーラさん、今最高のやつができてるデスよ」
「マジで?」
「マジマジのマジ、試飲してみるデスか?」
新たな仲間、マイマイの妹――モイモイである。
同じ生産職プレイヤーであり、もとの世界では双子の妹だったと聞いた。妹のモイモイは調理に長けているようで、ゲーム時はステータスアップの食事等、そういったものを作成できる職人だったという。
モイモイが黄金色の液体をジョッキに注ぎ入れる。
「……綺麗だね。なんか、神秘的にさえ感じるよ」
「万人受けのため、度数は控えめにしてあるデスよ。ちなみに、もふもふの王様であるクーラさんの色合いをイメージしたデス」
「僕の色合い?」
「クーラさんの髪色、関連付けることによって――このお酒を飲んだ人はクーラさんが脳内に浮かぶはずデス」
色々考えてあるんだなぁ。
まあ、そこら辺の凝った部分は――専門であるモイモイに任せるとしよう。僕は早速とばかりにジョッキを口元に運ぶ。
その直前、ナコが僕の腕を両手で掴んだ。
「待ってください。どうしてジョッキなんですか」
「えっ?!」
「試飲だけなら、そんなにサイズは大きくなくていいですよね」
「の、喉越しとか大事だから」
「……じろり」
ナコが疑いの眼差しを向ける。
な、なんて鋭さ――完全に言いわけということがバレている。いや、常日頃お酒に関する僕の信用がゼロに等しいのだろう。
どうする――どうするっ?
「クーラ、この後もまだ見回る場所があるんじゃないですか?」
「……正論すぎるぅっ!」
ゴクリごくごく。
言いながら、僕はナコごと持ち上げて一気に飲み干す。
「よっ、大将っ! 豪快で勇ましい飲みっぷりデスよっ!」
「んんっ、もとの世界でいうビールとチューハイを混ぜ合わせたような感じだねっ! そこにモイモイさんの個性が前面に押し出ているというか、炭酸が麻痺薬並に喉で痺れる弾け具合いっ!! これはもう大ヒット間違いなしだよ、だって今思わずおかわりって言い掛けたからねっ?!」
「クーラ?」
「モイモイさん。引き続き、新作も含めてお願いします」
「はい、任せるデスっ!」
素晴らしいお酒だった。
僕はナコを腕にぶら下げながら酒蔵を後にする。
「さあ、行こうか――ナコ」
「クーラ?」
強行突破しすぎた感は――否めない。
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