転生したら倉庫キャラ♀でした。

ともQ

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もふもふの都開国編

347話 もふもふ散策 その2

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 次に向かった先は鍛錬場である。
 ウィンウィン、僕たちのホームに設置されているものと同様――訓練に必要な設備が全て揃っていた。
 ここでは、ゴザルが指導を行っている。

「ゴザル、調子はどう?」
「バッチリよ、この様子ならすぐにでも治安については問題なしね。ミミモケ族は運動能力の高い人が多いから、すぐに実践に移れると思うわ」

 ゴザルが満面の笑顔で言う。
 道着姿で楽しそうに木刀を振るうゴザル、周囲には――精根尽き果てた訓練生が大量に転がっていた。
 その内の一人、女性のミミモケ族が顔面蒼白にて、

「く、クーラ様、ゴザル様に手加減するよう言ってくれませんか」
「えぇっ、僕がっ?!」
「こ、このままでは、治安の前に我々が死んでしまいます」

 どうしたものか。
 確かに、どう考えてもオーバーワーク気味なのは――ひと目でわかる。
 しかし、ゴザルがノリにノッてるところを邪魔するのもなぁ。
 お手柔らかにと、そう指示することは簡単だが――今、この瞬間だけは違う。

「ところで、君の名前は?」
「はっ、自身はヤマビコと申します。ウィンディア・ウィンドより、クーラ様のご活躍を耳にし、ぜひお仕えしたいと馳せ参じた次第です」
「ヤマビコ、厳しいことを言うけれど――僕は絆の都もふもふを誰もが楽しく暮らせる国にしたいと思っている」
「は、はいっ」
「そのためには、守るべきもの――どうしても力が必要になる。強くなるためには、なにが必要かわかるかな?」
「……弱音を吐いて申しわけありませんでした」
「いや、君の言葉を否定しているわけじゃない。過剰な訓練は心身共に辛く厳しいということはわかっている」

 僕はヤマビコの手を取り――引き起こす。

「ただ、国ができたばかりの今――堅固な土台というものは早急に必須になってくるんだ。口約束にはなるけれど、少しずつ改善はしていく。今だけはロケットスタートに付き合ってくれないかな」
「承りましたっ!」

 ヤマビコがハキハキと言い放つ。
 何故か、僕の握った手を嬉しそうな顔で見つめている。
 先ほどまで疲労で死にかけていたはずなのに――目が輝き出した。
 僕の活躍を聞いて来たと話していたが、周りの仲間の方がすごいとは言いづらい。
 僕はせっかくの機会なので――ある提案をする。

「ゴザル、ナコ、久々にやり合ってみてくれないか」

 必ず、皆の士気高揚に繋がると判断した。
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