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もふもふの都開国編
348話 もふもふ散策 その3
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鍛錬場の中心、二人が――構え合う。
「お侍さんと向かい合うのは、ウィンウィン以来ですね」
「今、目の前にいるだけでわかる。ナコちゃん、強くなったわね。手合わせできるのが楽しみで仕方ないわ」
「胸を借りるつもりで行きます。準備はいいですか?」
「いつでもいいわよ」
ナコの武器に――皆が注目しているのがわかる。
自身の背丈を遥かに超える大剣、あれほどの質量を子供が軽々と持っている? といった顔付きであった。
ヤマビコが静かに――僕に耳打ちする。
「……ナコ様と言いましたか。あのような小さな女の子が、ゴザル様を相手にできるのですか?」
「大丈夫だよ。ナコは――僕とずっと二人でこの世界を歩んで来た」
「二人で、ですか?」
「同時に、たくさんの死線をくぐり抜けて来た。ナコが一緒じゃなかったら、僕は今この場にいないといっても過言じゃない」
その言葉に、ヤマビコが目を見張る。
「ナコは強いよ」
金属のぶつかり合う音が鍛錬場内に響き渡る。
実戦形式でのスタート、鍛錬場はディスク5枚目クラスのネームドが暴れ回っても、まず壊れることはないとマイマイが断言していた。
そう、頑丈さは折り紙付きなのである。
ナコとゴザルにはこっそりと、皆の士気が高まるよう――全力で戦ってほしいと耳打ちしておいた。
「無の刃――神威っ!」
「大闇斬っ!」
両者同時に放つ大技、衝撃波によって床が爆散した。
んーっ? なんか聞いていた話と違う。ディスク5枚目クラスのネームドが暴れ回っても壊れないんじゃなかったの?
今の衝突による余波にて――周囲にいた訓練生の大半が、鍛錬場の端っこまで吹き飛ばされて気絶している。
魔力操作により耐えたものは極少数、現在の実力を分ける形では――わかりやすい構図となった。
「……な、なんて圧ですか。クーラ様、この衝撃に耐えられるなんてさすがです。自身はもう立っているだけでも精一杯なのですが」
極少数の内の一人、ヤマビコが言う。
今の余波で立っているだけでも十二分、ヤマビコが常日頃から鍛錬しているであろうことは、今の一連の流れだけでもわかる。
「ふっ、ヤマビコも修行したら――余裕だよ」
僕は腕を組みながら返す。
偉そうにしているものの、実は僕も危うく吹き飛ばされるところだったのは――内緒である。
即座に傀儡糸を発動して、なんとか踏ん張っていた。
ゴザルとナコの戦いは――激化する。
「ナコちゃん、ギアを上げるわよ」
「付いて行きます」
鍛錬場の風通しがよくなっていく。
二人には全力でとお願いした手前、止めるに止められない事態になるのであった。
「お侍さんと向かい合うのは、ウィンウィン以来ですね」
「今、目の前にいるだけでわかる。ナコちゃん、強くなったわね。手合わせできるのが楽しみで仕方ないわ」
「胸を借りるつもりで行きます。準備はいいですか?」
「いつでもいいわよ」
ナコの武器に――皆が注目しているのがわかる。
自身の背丈を遥かに超える大剣、あれほどの質量を子供が軽々と持っている? といった顔付きであった。
ヤマビコが静かに――僕に耳打ちする。
「……ナコ様と言いましたか。あのような小さな女の子が、ゴザル様を相手にできるのですか?」
「大丈夫だよ。ナコは――僕とずっと二人でこの世界を歩んで来た」
「二人で、ですか?」
「同時に、たくさんの死線をくぐり抜けて来た。ナコが一緒じゃなかったら、僕は今この場にいないといっても過言じゃない」
その言葉に、ヤマビコが目を見張る。
「ナコは強いよ」
金属のぶつかり合う音が鍛錬場内に響き渡る。
実戦形式でのスタート、鍛錬場はディスク5枚目クラスのネームドが暴れ回っても、まず壊れることはないとマイマイが断言していた。
そう、頑丈さは折り紙付きなのである。
ナコとゴザルにはこっそりと、皆の士気が高まるよう――全力で戦ってほしいと耳打ちしておいた。
「無の刃――神威っ!」
「大闇斬っ!」
両者同時に放つ大技、衝撃波によって床が爆散した。
んーっ? なんか聞いていた話と違う。ディスク5枚目クラスのネームドが暴れ回っても壊れないんじゃなかったの?
今の衝突による余波にて――周囲にいた訓練生の大半が、鍛錬場の端っこまで吹き飛ばされて気絶している。
魔力操作により耐えたものは極少数、現在の実力を分ける形では――わかりやすい構図となった。
「……な、なんて圧ですか。クーラ様、この衝撃に耐えられるなんてさすがです。自身はもう立っているだけでも精一杯なのですが」
極少数の内の一人、ヤマビコが言う。
今の余波で立っているだけでも十二分、ヤマビコが常日頃から鍛錬しているであろうことは、今の一連の流れだけでもわかる。
「ふっ、ヤマビコも修行したら――余裕だよ」
僕は腕を組みながら返す。
偉そうにしているものの、実は僕も危うく吹き飛ばされるところだったのは――内緒である。
即座に傀儡糸を発動して、なんとか踏ん張っていた。
ゴザルとナコの戦いは――激化する。
「ナコちゃん、ギアを上げるわよ」
「付いて行きます」
鍛錬場の風通しがよくなっていく。
二人には全力でとお願いした手前、止めるに止められない事態になるのであった。
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