転生したら倉庫キャラ♀でした。

ともQ

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エレメント正邪激闘編

374話 ナコ日 その3

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 ギルド対抗戦の前夜。
 ついに明日、戦いの火蓋が切られる。王都冒険所の発表によると、参加ギルドは100組以上とのことだった。
 ゲーム時と同様に予選内容は変わらず、戦姫の傷跡でのサバイバル方式、勝ち残った8組で最終的に優勝者を決定する。

 予選ルールは以下となっていた。


・ 攻撃アイテムの禁止
・ 食料、水、キャンプ等のアイテムは可
・ 生死問わず


 簡潔的な内容である。
 攻撃アイテムとは、僕が以前使用していた火竜玉等の瞬発的な火力をだすものが該当される。
 食料、水はサバイバル方式として最低限揃える必要があるだろう。

 ……最後の、生死問わず。

 王都に来るレベルの冒険者たち、生半可な覚悟で戦うなという――強い意思表示に違いない。
 ギルド対抗戦は、特殊な魔法を用いて各国に中継される。
 どこのギルドが勝つか、莫大な金が動くことは必至、この世界の一大イベントといっても過言ではない。

「……こんな感じかな」
「すごい規模なんですね。お金が動くというのは賭け事ですか?」
「そうだね。この世界での賭け事は――普通に受け入れられていることなんだ。実は王都にはカジノだってあるし、闘技場なんかもあるんだよ」
「全然知らなかったです」

 まあ、ナコは――そうだろう。
 ゲーム開始時からの転生、知識がないのは当たり前である。まさか、生身の方が先に王都にたどり着くなんて――予想外すぎる事態だろう。
 ナコはちゃぷんと、波音を立てながら、

「私は、クーラが側にいたら――それでいいです」
「嬉しい言葉だよ。ただ、一つだけいいかな?」
「どうしました?」
「どうしました、じゃなくて――いや、ナコがいいならいいんだけどね」
「私とクーラはニコイチですから」
「えぇっ」

 現在、僕たちは同じ浴槽内にいた。
 明日に備えてゆっくりと浸かっていたところ、いつものごとく――ナコが突撃して来た次第である。
 二人っきりのせいか、ナコの行動が普段より激しい。
 タオルすら身に付けておらず、一糸まとわぬ姿で僕の前に立っている。

 成長過程の膨らみかけた胸、艷やかな肌の上を水が滴り落ちていく。
 思わず、目を奪われてしまう光景が眼前にあった。
 ナコに想いを伝えられて以来、妹枠的な意識が薄れてきている。
 落ち、落ちち、落ち着け、僕――小学生だぞ。

「クーラ、お背中流します」
「ありがとう」
「てぇーいっ」
「?!」

 ふに、ふにふに、ふにふにふに。

「ナコさん?」
「ふふ。間違えて抱きついちゃいました」

 小悪魔、小悪魔がいる。
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