転生したら倉庫キャラ♀でした。

ともQ

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エレメント正邪激闘編

382話 ギルド対抗戦(予選) その6

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「口の悪い君、絶対に、確実に、死で矯正してやるからなぁ」
「興奮しすぎだろ。落ち着けよ、不自然野郎」
「二度も言ったなぁ」
「何度でも言ってやるよ、不自然野郎」
「あぁあはぁ、絶対に殺してやる、殺してやる、殺してやるぅうう」

 ベンジェが顔を掻き毟る。
 怒りを抑えきれないのか、頬は掻き傷により血だらけに、血走った目も相まって恐ろしい形相となっている。
 イリスは後藤さんの影に隠れながら、

「ご、後藤、この人――怖いの」
「はっ、安心してろ。イリス、なにがあっても――俺が守ってやる」
「後藤、後藤、後藤、もとの世界でも同じ名前のやつがいたなぁ。僕に文句ばっか言ってきて偉っそうにしてたやつがさぁああっ!」

 ベンジェの敵意は、完全に後藤さんに向いていた。
 期せずして、僕はニャニャンと相見えることになる。
 こちらもこちらで一筋縄ではいかない相手、スパイで潜伏してるとはいえども――ニャニャンは世界の平和を天秤に掛けた考えを持っている。
 この瞬間、僕を排除することが未来に繋がるのならば――ニャニャンは躊躇わず全力を持って潰しに来るだろう。
 ニャニャンは、今が適切な方を――必ず選択する。

「クーラ、私も加勢します」
「ああ。お願いするよ」
「あんらー、2対1で来るにゃあっ?」
「今持つ全てを出し切る。ズルいなんて言わせないよ」
「にゃっちは別に構わないのね。それを言ったら――ソラにゃんの仲間も2対1になってるからにゃあ」

 ニャニャンの見つめる先、フレイムとアラシたちが対峙していた。
 双方、隙を伺い合っているのか――武器を手に微動だにしない。風だけが3人の間を通り抜けていた。
 数では不利に陥りながらも、フレイムは微笑を浮かべている。

「あの黒髪男子、見たことある剣の構えなのね。どこで発掘してきたのにゃあ? アレほどの胆力、逸材は中々いないのね」
「今は、今だけは――頼りになる仲間だよ」

 その言葉に偽りはない。
 各場所、戦闘態勢――僕は触手を展開、ナコが隣でハッピーを構える。
 誰かが動き出した瞬間が、全ての開始合図となるだろう。
 ニャニャン相手に、出し惜しみはしない。

「傀儡糸」

 初手、僕は自身の持つ最速で――懐に飛び込むのであった。
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